猿・猿の化け物・猿のようなもの


キヒサル

696 名前:643 投稿日:03/11/19 15:06
ずいぶん昔に聞いた話なので、ところどころ記憶が曖昧なのですが、ヒサルキ
という名前と>>217-219の話に共通点があると思うので、書いてみます。

村の年寄りから、キヒサル(キヒザル)という話を聞いたことがあります。
聞いただけなので字は分からないですが、話の内容からすると「忌避猿」とな
るのかもしれません。

キヒサルは群れからはぐれた猿を狙って体の中に入り込みます。乗り移られた
猿(以下キヒサル)は獣を殺し、その肉を食うようになります。また、その外
見を利用して猿の群れに近づき、手当たり次第に殺して食べます。その食欲は
尋常ではなく、キヒサルが現れた山では獣の数が一気に減るとまで言われてい
ます。結果、山には獣の死骸がゴロゴロ転がることとなり、それで猟師や杣は
キヒサルの存在に気付くのです。
共食いをするキヒサルを、特に猟師は忌み嫌います。
ただ、トラバサミや柵で捕らえても、キヒサルの本体(ヌシ)は乗り移った体
(グヨリ?)から逃げてしまいます。(そんな時、残されたクヨリは抜け殻の
ように、がらんどうになっているそうです。)また、鉄砲で撃ってもキヒサル
は、なかなか死にません。


697 名前:643 投稿日:03/11/19 15:07
だから、キヒサルが現れると、猟師と杣は手分けして山狩りをします。
人と違って、キヒサルは道を通るとは限らず、その一方で火や金物の音を恐れ
るので、松明を持って銅鑼や半鐘、鍋などを叩いて、山裾から山頂へ追いやる
ようにします。キヒサルが近くにいる気配は匂いで分かるそうです。(私が聞
いた話では、キヒサルが近づくとサビのような匂いがするとなっていましたが、
これは金気臭い匂いではないかと推測します。)キヒサルを見つけても、間違
っても触れてはいけません。(ただ、その理由や触るとどうなるかは覚えてま
せん。)山狩りに参加した人は、ひたすら山頂近くに設置した罠のところへキ
ヒサルを追い込みます。
草を刈った平地に追い込んだら、木の上に渡してある油を染みこませた布をキ
ヒサルの上に落として捕らえ、すぐさま焼き殺します。ヌシの姿を直接見ると
目が潰れると言われているので、このような方法を使うのだそうです。

キヒサルの起源は分かりません。もしかしたら、何らかの伝染病(狂犬病みた
いなもの)に対する恐怖がこのような怪物(妖怪?)を創造したのかもしれま
せんが、猿を媒介する伝染病が当時の日本に存在したのかは、私の知識ではな
んとも言えません。


ヒサル

699 名前:643 投稿日:03/11/19 15:11
>>134
関係ありそうなんで書き込みます。

私はずっとある村に住んでいるんですが、小学校の頃、一度だけ不可解な
体験をした事があります。

私は友達何人かとで川でザリガニを採っていました。捕まえたザリガニを
決闘させるために一旦岸に上がったのですが、その時、山から出てきた赤
っぽい犬が田んぼを横切ってこっちへ歩いてくるのが見えました。
ヨタヨタとふらつきながら近づいてくるにつれ、私はその犬がケガをして
いることに気が付きました。もともと白い犬だったのが毛皮が血だらけで、
だから遠目に赤っぽく見えたのです。頭や手足、口や目からも血がポタポタ
と滴り落ちて息も荒く苦しそうでした。

そいつは急に私達の方に頭を向け走り出しました。ケガのせいかスピード
は遅いのですが、騒がしく吠え立てることもなく、ひたすらフッフッフッと荒い
息を吐きながらジグザグにこっちに向かってくるのが逆に不気味な感じが
しました。
「おい!山犬がこっちに来るぞ。逃げようぜ!」
友達もあわてて川から出て靴を履いて逃げ出しました。犬は方向を変えて
私達の後を追いかけてきます。近づくにつれ、足が折れて白い骨がはみ出
しているのが分かりました。


700 名前:643 投稿日:03/11/19 15:13
「ぉおい!何やっとんだ!逃げぇ!お前ら!」
怒鳴り声がしたので振り返ると、山犬の後ろを走るおじいさんの姿が見え
ました。林業をやってる修さんが、鉈を持って凄い形相です。修さんは私
らのすぐ後ろで犬に追いつくと、鉈を振り回しました。
「お前ら!村で大人呼んでこい!」
犬は、修さんに近くにあった棒きれで滅茶苦茶に叩かれていましたが、吠
えも鳴きもせずに相変わらずフッフッフッと息を吐いてぐるぐる回っています。
よく見ると殴られる前から全身傷だらけだったみたいで、毛皮がいろんな
所で破れて赤い肉と白い骨がはみ出ていました。腹から内蔵だかなんだか
正体不明のものが何本かぶら下がっていて、口は血だらけで開いたまま、
そこから黒っぽい小豆色の舌がブラブラ垂れ下がっています。耳も破れて
取れかかっているし、目は真っ黒で潰れているのかもしれない。そんなボ
ロ切れみたいな状態なのに死んでなくて、声もなく暴れている山犬を見て
いると小便ちびそうなくらい怖くなってきました。

「なにボーっとしてるんだ。早く逃げんかい!血がかかるぞ!」
修さんが鬼のような形相で怒鳴るのを見て、私は村の方へ走って逃げまし
た。友達がゲエゲエ吐きながら少し遅れて走ってきます。

701 名前:643 投稿日:03/11/19 15:15
私と友達は村の集会所へ連れて行かれました。窓から外を見ると、村の大
人が犬の所に集まって大騒ぎになっていました。しばらくして煙が上がっ
たと思うと、あたりにも物凄い臭いが漂いはじめました。後で聞いたら、
犬に油をかけて焼いたそうです。私と友達は臭いとさっき見たものの気色
悪さに便所で吐きまくりました。

その日のうちに私達はお寺へ連れて行かされました。坊さんは警察みたい
に犬を見た時間や場所やその時の状況なんかを詳しく聞いてきました。
腕に包帯を巻いた修さんも来ていて、私達の後でお堂の中に呼ばれました。
その後、修さんと一緒にお経を読まされたり、お札を焼いてその煙をかけ
られたりしてから、ようやく帰っていいと言われました。

帰り際、友達が坊さんに「あの犬は何だったんですか?」と聞くと、坊さ
んは「化け物に憑かれたんだ」と言いました。猿を捕まえて、中に入り込
んでしまうそうです。「本当は猿に化けるが、最近は猿が減ったので、犬
に化ける」 とも言っていました。後で修さんに聞くと「ヒサル」だと言っていました。
どんな字かは分かりませんが、たぶん「被猿」じゃないかと思っています。


猿の毛皮

270 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/24 23:05
聞いた話。
猟師が河原に猿を追い詰め、銃で撃った。
倒れて動かなくなった猿のところへ、猟師が近付いてみると
そこにはひからびた猿の毛皮があるばかりで、周囲には血の跡もなかった。
猟犬は怯えるばかりで近寄ろうともしなかった。


ええもんやるわ

625 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/09 21:06

5年くらい前の秋、兵庫のある山での出来事。
俺と彼女で秋の行楽ハイキング中、道の右手の森10m程奥の木に一匹の猿がいた。
目があった俺に向かって「ええもんやるわ!」と言い何かこっちに投げた。
投げたものはよく見えなかったが、ハンドボール大の黒っぽいもので2〜3m手前の薮に落ちた。
目線を戻すと猿はいなくなってた。

彼女は結局猿は見ていないが、「ええもんやるわ!」の声と、薮にええもんが落ちたガサササって音は聞いたと。
俺はかなりパニくって、その”ええもん”の正体は確認せずに彼女の手を引いてダッシュで逃げたが今はちょっと後悔している。
でもなんかその時は生首みたいな気がして....
なんとか族の干し首?あるやん?アレっぽい気がした。
あ〜でもホンマにええもんやったらもったいなかったなぁ。


怪しい猿

698 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/13 00:26

塾の先生から聞いた話です。

先生は大学生のときに登山同好会に入っていて、
休みの期間は泊りがけで登りに行っていたそうです。
その出来事があったとき、先生と仲間達は三泊四日の予定で登山をしていて、
おいしい空気とすばらしい眺めを味わいながら
早秋の登山を楽しんでいました。
途中で一番の古参のメンバー(何浪かしたうえに留年している、ものすごく年上の先輩)が
「雉打ち(トイレのことですね)に行ってくる」と言い残して
すこしはなれた藪の中に入っていきました。
ほかのみんなは疲れたこともあって、「じゃ、ここで少し休もうか」ということになり
休憩をすることになりました。
おしゃべりをしたりしていたのですが、そのうち先輩が消えたのとは違う方向の藪が
がさがさといいはじめたので、
先輩が返ってきたのにしては変だな?と思っていたら
そこに現われたのは一匹の大きなサルでした。
そのサルはニホンザルにしては少し色が黒く、手も長めで
首から黒いシミが点々とついた水筒を下げていたそうです。
何よりも不気味だったのは、
(後から思ったことだそうなのですが)
そのサルが数人の人間におびえることも無く
「さて、誰からにしようかな」とでもいいたげに
メンバーのそれぞれをちらちらと見比べていたところだったそうです。


699 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/13 00:27

先生達が驚いて何もできないでいると、そこにトイレに行った先輩が
戻ってきました。
するとサルはいきなり身をひるがえして、どこかへ行ってしまったそうです。
そのサルは何だったんでしょうか?
どうして先輩が戻ってきたら逃げてしまったのでしょうか?
そのことについてみんなで話し合った結果、
「それは先輩が戌年だったからではないか?」
(ほかは全員違う干支)
という結論に落ち着いたそうです。

読みにくい文章で失礼しました。
改行が多すぎ、と出たので分割しました。


タブー

610 名前:ヘタレハンター ◆aoV/Y6e0aY [sage] :04/09/08 16:30 ID:J29Qk3ej
夏風邪でダウンです。マムシ酒40年もので対処中。皆さんも気をつけて。

親父の体験です。
山中で、渉猟中猿の群れに遭遇。(猿は今は禁猟です)
群れの移動を見ていた親父、ふと木の根元にいる猿に目を留めた。
親父に向かって拝んでいるんですと。おばあさんが拝む姿がダブったとか。
それをみた時、思い出したそうで。『あぁ あのおじさん、こういう猿を
撃ったから呪い殺されたんだろうか・・・』
昭和15年ころらしいですが・・・近所の人が撃った猿でそういう仕草を
していたのがいたんだそうです。そのおじさん、それから数日して山中で
変死体で見つかり大騒ぎ。外傷は何も無く、拝む姿で事切れていたそうです。

うちの親父には、猟のタブーいくつか教わりましたが。
猿と鹿は撃つな!<一番最初に教わりました。
猿の有害駆除がでたと聞くたび、仕事理由にサボる私です。


でっかい猿

512 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 04/11/28 00:00:31 ID:NGY8dXSN
山で遊んでいる途中、防空壕跡を見つけ 中で写真を撮ろうということになった。
ある程度まで入り、友達がフラッシュを焚く。すると、撮った彼はその瞬間に出口へ走り出した。
慌てて追いかけ、事情を聞くと、「光った瞬間、お前の後ろにでっかい猿が見えた」と言う。
タチの悪い冗談だと思ったが、話しながら彼は震えていたそうだ。


股間

760 名前: ヘタレハンター ◆aoV/Y6e0aY [sage] 投稿日: 04/12/07 21:26:03 ID:QMdlSL9o

さて、私は今期山にいきませんが、仲間からある物品の入手依頼が続いています。
短刀なんですよ。
口をそろえていうのが「10万くらい出すから、日本刀としての短刀を!」
なにか、あやかし?に惑わされた人が出たらしいんです。で、その人が
ナイフを抜いてもダメだったと。
アメリカ製のナイフだからダメだったんだ!鍛冶師が丹精こめた日本刀
なら!という話になったそうです。
というわけで、大童で知り合い縁者頼りまくって探してます。

でもね、惑わされた内容が。
全身ピンクの地肌剥き出しのサル?がまとわり付いて、股間をさぐってきた!
で、縮み上がったものを握り、歯をむき出して笑って(アハハ と)消えた・・・・。
いやらしい奴ですね、姿もやることも。


バカ

92:10/17(火) 23:42 kKk0YkuDO [sage] 
山で見たもの 

知人Tは山で2匹の猿が向かい合って座ってる姿を見た。見合いの 
ようで微笑ましく、写真を撮ろうとした。木に登り、猿たちは何を 
してるのだろう?と、ズームで確認すると、なんと、猿は地面に 
書いた碁盤を睨み、団栗と小石で囲碁を打っていたそうだ。驚いて 
シャッターを押そうとした瞬間、二匹は乱暴に地面を散らし、 
素知らぬ顔で毛繕いを始めたという。暫く待っても再開する様子も 
ないので、諦めて木から降りると、その間に猿は姿を消していた。 
2匹がいた場所には、団栗と小石で『バカ』と書いてあったそうだ。


英単語を話す猿

52 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/06/21 22:15 ID:XS+kLsB6
小学生の頃、夏休みにグランドでキャンプ1泊というのがありました。

夜中目を覚ますとテントを開けて覗いている人がいます。

見回りの教師か父兄かなと思って、起き上がると、
その人が月明かりの逆光で見えました。

小学生くらいの、猿?
でも、毛が薄くて、人間みたいなんです。肌色。
毛がふわふわ揺れてます。
黒目がちな大きな目。
なにか言いたそうに口を開いた瞬間、私は叫びました。

それから大人達が集まって見回りして、
みんな体育館で寝ました。

みんな寝ぼけたんじゃないの?って言ってましたけど、
次の朝私たちのテントに白っぽい毛がいっぱい散らかって荒らされていたので
大人も信じてくれました。

2学期も始まって、一緒のテントの子からこう話されました。

私もその猿を見た。英語…アップルだとか、スキップだとか、ペンシルだとか
そういう英単語をブツブツ言ってた…

私は聞こえませんでした。
次の年から体育館に泊まってました。


エンコウ

885:871 1/2 09/01(金) 14:42 9ugXuRgm0 [sage] 
山と言っても里山の話だけど。 

じいちゃんが子供の当時、じいちゃんのばあちゃんの家(判りにくくてすんません)に遊びに行った時のこと。 
便宜的にじいちゃんのばあちゃんを大ばあちゃんとしとく。 

家は他の集落から少し離れた里山の中腹にあったそう。漫画日本昔話の山の中の家を思い出してもらえると判り易いかと。 

その夜、大ばあちゃんの家に泊まったじいちゃん。 
いつもと違う家だからかなかなか寝付けず、真夜中ウトウトした時それは聞こえたらしい。 

木戸をキシキシと引っかくような音がする。 

最初は、風か、はたまた猫か狸かと思ったらしい。 
その日はそのまま寝入ってしまったが、次の日も同じように木戸をカリカリやっている音が聞こえる。 


886:871 2/2 09/01(金) 14:44 9ugXuRgm0 [sage] 
気になるし便所にも行きたいし、と意を決して木戸を見に行ったらしい。 

障子を開け、縁側から木戸を伺うと、 

頭だけが大きくて体のひょろ長い、形容し難いものが立って木戸をガリガリやってたらしい。 
(ちなみにじいちゃんに思い出して描いてもらった絵はETのようだった) 

得体の知れないものと状況の異常さにじいちゃんは便所にも行かず、部屋に戻って朝まで震えてたらしい。結局おねしょした、と笑いながら言ってた。 
朝が来て、家人にそのことを話すと、それは「エンコウ」だろうと言う。 
家人が鋤と鍬を木戸に立てかけるように置くと、その晩から音はしなくなったと言っていた。 

余談だけど、大ばあちゃんの家は「そっち系」に強い家だったらしく、その辺鄙で不思議な立地に家を建ててたのも、集落を外界からさえぎるためだったとかなんとか。 

887:09/01(金) 15:19 +a1GFMNt0 [sage] 
それってマッチ棒みたいで二足歩行、指が異様に長い奴かな? 
関東に修学旅行に行った時、障子越しに影を見た。 
スリッパはいてるような足音で子供ぐらいの大きさ。 
別のクラスの人達も見て、朝になったら大騒ぎだった。 


888:09/01(金) 15:36 9ugXuRgm0 [sage] 
887 
じいちゃんの描いてくれた絵では、そんな感じ。 
直立してて頭でかくて、なんか肩がなくてヒョロヒョロしてるみたいな。 
関東の街中にもそういうのいるんすね…。 


889:09/01(金) 17:23 tj/v0gy60 [sage] 
今でも居るのかよ・・・ガクブル 


890:09/01(金) 17:29 x/5Kmv4G0 
いきなり、リアルな風が吹きまくってる。。 


913:名無しさん@Linuxザウルス 09/02(土) 11:35 3ktxKb9e0 [sage] 
886 
エンコウ=援交、ではなく 【猿公】 つまり猿の化け物じゃなかったかな? 
 

猿のような何か

908 :元登山者 :2007/01/28(日) 15:29:10 ID:9NsByYAY0
こんにちは、感想ありがとうございます。 
今日も一つ書かせていただきます。刃物にまつわる話です。 

顧問に聞いた話です。 
顧問の出身は山陰の山奥で、私たちも行った事が 
あるのですが、本当に山村と言う言葉が似合う場所でした。 
周りは山、顧問の祖父は猟をしていて、顧問も何度かついていったことがあるそうです。 
ある時、夜明け前のまだ暗い時間から山に入り山鳥を撃ちに行ったそうです。歩きなれた山道とは言え、辺りは暗く、灯りもありません。12,3歳だった顧問は足元に注意をし過ぎて、前を歩く祖父と逸れてしまったそうです。 
暗い山道で一人、頭に浮かぶのは祖父や祖母から聞いた山の物の怪の話が思い浮かび、気持ちはどんどん暗くなる。 
無意識のうちに御守り代わりに持ち歩いている小刀をぎゅっと握りしめていたそうです。 
降りようか、上ろうか。考えていると目の前の茂みがガサガサっと音を立てました。 
「熊か??猪か??」と怯える顧問の目の前に現れたのは、猿のような何か、でした。そして、その何かは喋ったのです。 

続きます。 


909 :元登山者 :2007/01/28(日) 15:30:01 ID:9NsByYAY0
「ボウズ、お前、一人か?」と顧問は驚きと怖さで喋ることができなかったそうです。 
「そうか、はぐれたんか。」と何かは一人で喋っています。 
「ちょうどいい、今年のXXXはお前にしよう。」 
そう言うと、顧問の方に手を伸ばしてきました。 
怯えきっている顧問は声をあげることも、逃げることもできず、ただ、小刀を握り締めて心の中で祈っていたそうです。 
「あっちいけ、あっちいけ、刀もってるんだぞ、あっちいけ。」 
その何かの手が触れるか、触れないかのところで止まり、その何かはこう言って去っていきました。 
「ちっ、ボウズの癖に刃物なんか持ち歩きやがって。」 
怖かったのと安心とで、その場にへたりこんでしまった顧問を祖父が見つけたのは、その少し後でした。 
帰りの道で、そのことを祖父に話すと 
「ああ、猿神だなあ。やつらは子供を攫っていくタチの悪い奴らだ。ええか、〇〇(顧問の名前)山で刃物は大切な物だ化生どもは金気を嫌う、特に刃がついている物を嫌う。 
自分の身を護る為にも刃物は忘れちゃいかん。」 
顧問はウチに帰る前に塩で清めてもらい帰宅したそうです。 


飲み友達

567 :元登山者 :2007/03/17(土) 19:05:54 (p)ID:FCn9y77U0(2) 
田舎で聞いた話です。 

田舎で働いている友人から聞いた話です。 
彼は在宅介護の仕事をしていて、一人暮らしの老人のウチへ良く行くことがあります。その彼の巡回先に山際の家に住んでいるお爺さんがいます。 
無口な人なのか、あまり話したことが無い人なのですが、ある日、彼が行くと、人が変わったようによく喋ったそうです。 
そんなことが何度か続いたので、ある日「最近、機嫌がいいですね。何か良い事でもあったんですか?」と聞くと、お爺さんは「いやあ、飲み友達ができてのう。」と嬉しそうにいい、「そうじゃ、あんたも今晩どうだ?」と思いもよらぬ誘いを受けました。「いえいえ、私は」と断ったそうですが、普段、世話になっているお礼がしたいから。と言われ夜に再訪することになりました。 

すみません。続きます。 


568 :元登山者 :2007/03/17(土) 19:29:57 (p)ID:FCn9y77U0(2) 
その日の夜、そのお爺さんのウチを尋ねると満面の笑みのお爺さんが迎えてくれました。そして、通された場所は山側の縁側。「なんで縁側?」 
と思い、お爺さんに「何で居間じゃなくて縁側なんですか?と聞くと、 
「お客さんは山から来るんじゃ」と言ったそうです。 
とりあえず縁側に行き、先にお爺さんと飲みながら暫くすると、山からざわざわ、と人が茂みを掻き分けながら降りてくる気配がしました。 
ぼんやりと、人のような影が降りてくるのが見えました。 
「おお、こられたか」お爺さんが言うと、その影は手を振りながら近づいて来ました。縁側の明かりに照らされて見えたその影は、明らかに猿だったそうです。猿と言っても小学生くらいの背丈はあり、普通の人間のように歩いていたそうですが、毛が黒く、手足が長かったそうです。 
人間のように縁側に腰掛け、「は?」と唖然としている友人を尻目にお爺さんは猿に酒の入った湯呑を渡し「まあ、一杯」と勧めていたそうです。お爺さんが猿に話しかけると、猿はまるで相槌を打つように、うんうんと頷き、お爺さんが「この人がいつも世話になるヘルパーさんじゃ」 
と友人を紹介すると、猿は友人の方を見、ペコリと人間のように会釈したそうです。 
よくわからない飲み会は結構、遅くまで続き、猿が縁側を立ち、おじいさんに手を振って山に帰っていったそうです。 
友人は、その日、お爺さんのウチに泊まって帰ったそうです。 

その話を聞いたとき、私は「そのお爺さんは今でも元気なん?」 
と聞くと、友人は「ああ、今でも元気だし。よく喋るよ。今でも猿と飲んでるんじゃない?」と言っていました。


ゴリラ

569 :本当にあった怖い名無し:2007/12/15(土) 17:06:52 ID:bybqn1+GO
厨房の頃、夏休みに祖父のいる田舎に行った時の事田舎に帰ると、父親は決まって山に行き渓流釣りを俺はそれについて行き迷わないよう気を付けながら虫やら爬虫類を観察して楽しむってのがいつものパターンだった 

んでその日も、俺は森の中を足元の草むらを凝視しながらブラブラしてたんだがふと前を見ると20mぐらい先に、何やらモゾモゾと動く巨大な黒い物体がいや、物体じゃない…向こうを向いて座り込んで、何やらモゾモゾやってる生き物のようだ 
「え…?まさか熊…!?」とも一瞬思ったがすぐに違うと気付く座り込んだ状態で少なくとも3mはある…大きすぎる
それにあの形、人に近いあの形… 

(…ゴリラ?) 
本気でそう思った。 
でも日本にゴリラがいる訳無いし、ゴリラにしたって大きすぎる10秒ぐらいボーッと眺めていたがふと思った。(もしあのゴリラ?に見つかったら危ないんじゃ?)」 
そう思った瞬間 
『パパパパパパパパーン!!』 
父親が「戻ってこい」って合図につかってた熊避けの爆竹だ 
その直後、前のゴリラみたいなのはピタッと動きを止め俺は全速力で父親の元に走りだした 

合流してすぐに昼食のため下山した 

未だにこの事は誰にも言ってない 
日本でゴリラみたいな生物見たと言われて信じる人はいないだろうから


霊山の猿

717 :本当にあった怖い名無し:2008/08/28(木) 18:18:17 ID:Tq47L7B00
265 霊山の猿1/5 2006/06/11(日) 23:16:31 ID:fDhKkYUt0 
四国ではあまり全国的に有名な心霊スポットがない 
超常現象が起きても殆ど噂にならないのです。 

仕事がてら地域のご老人に話を伺う事が多く 
みんな様々な不思議体験を語ってくれますが 
皆、口を揃えて「狸に化かされたんだ」と言います。 
不可解な事があっても自然現象だと納得する。不思議な事など何も無い。 
そんな国民性があるように思います。 


718 :本当にあった怖い名無し:2008/08/28(木) 18:18:59 ID:Tq47L7B00
267 霊山の猿2/5 2006/06/11(日) 23:18:05 ID:fDhKkYUt0 
祖父が亡くなった次の年の夏、 
山開きの日と同時に 霊峰、四国では有名な霊山に登ってきた。 
死んだ爺さんが毎年熱心に参拝していたので、後を継いで私が行く運びとなったのだ 
相方も行きたがっていたが、初日は女人入山禁止という事でお留守番して頂いた。 
祖父の遺品には修山服の他に参拝札みたいな物があって 
「何回訪れたのか」というのが分かるようになっているのだが 
曽祖父の頃から続けているらしく、 
山麓で札を奉納すると今年で64回目との事だった。 
ツアーバスで来ているワケではないので移動には時間が掛かる。 
最低2日必要な日程だっただが宿泊費も惜しいので中腹の山小屋で泊まる事にした。 

山小屋といっても 
管理者が一人居るだけの簡易休憩所で広さ4畳しかない。 
おまけに何か臭い。 
初夏の蒸し暑さと薮蚊にウンウン言いながら寝ていると 
深夜、いきなり 
『ドーーーーン!』という音がして飛び起きた。 
続けて『ゴゴゴゴゴ』や『ドドドドド』と地響きの様な音が聞こえる(JOJOじゃないです) 

飛行機か何かですかと管理の爺さんに聞くと 
「山では良くある事」とのことだった。 
私がしつこく食い下がると 
「まともに何度も聞いたら寿命が縮む。早よ寝れ!」 
慌てて目を瞑った。 


720 :本当にあった怖い名無し:2008/08/28(木) 18:19:27 ID:Tq47L7B00
268 霊山の猿3/5 2006/06/11(日) 23:19:41 ID:fDhKkYUt0 
次の日、日が昇る前から立つことにする 
爺さんが「朝はやめとけ」と言うが、 
私が 正午までに登って下山したい旨を云うと 
「猿に気ィつけろ」とだけ念を押された。 

しばらく歩くと 
高さ100b、角度は70度を超える崖に着く 
べらぼうに高い、下から見上げるだけで眩暈がする。 
そこには2本の長い鎖が打ち込まれており、 
それだけを足場にして登れというのである。 



実際 祖父に連れられ、何度か来た事はあり いつもは迂回ルートを通っていたが、 
今年こそは..と 
若さ故の過ちか 鎖場のルートを選んでしまった。 

朝露で鎖が湿って滑りやすい、四苦八苦しながら半分くらい登った頃 
足元で 
 『お〜い』 と呼ぶ声がした。 
うっかり下を見てしまう、霧でよくは見えないが高さで頭がクラクラする。 
もう一度、足元で 
 『お〜い』 と呼ぶので返事をしようとした―― 

瞬間。 
背中がズシッと重くなった。 
身体全体がガクンと揺れた。 
何かが、 
何かが背中にしがみ付いている! 


721 :本当にあった怖い名無し:2008/08/28(木) 18:19:51 ID:Tq47L7B00
269 霊山の猿4/5 2006/06/11(日) 23:21:03 ID:fDhKkYUt0 
私を落とすつもりか、背中に乗ったソレは身体を揺すり始める。 
続けて頭に巻いている絞りをグイグイ引っ張り始める。 
こんな態勢では振り向くことも出来ないが 
確かに腰に絡みつく毛深い足が見えた。 

「猿!?」 

この高さで落ちて、只では済まないだろう 
鎖の隙間に 手、足、としっかりはめ込んで 
なんとか振り落とされないようにする。 

下で怒号がする。甲高い声で 
今度は 
 『 落とせ〜 落とせ〜! 』と 

そして背中のヤツは私を何度も揺する。 
ハチマキが脱げると今度は髪の毛を引っ張り始め 
何本もブチブチと抜かれる。 
あまりの恐怖に私は目を瞑ったまま泣き喚いた。 

何分経ったろうか、私がじっと我慢していると 
下の方で、『 チッ 』と舌打ちが聞こえ 
フッと背中の重みがとれた。 

その後、ビクビクしながら鎖を登り終えると、 
一番近い宮社まで駆け込んだ。 

爪でガリガリになった修山服を見せながら 
一部始終を説明する。 


722 :本当にあった怖い名無し:2008/08/28(木) 18:20:09 ID:Tq47L7B00
270 霊山の猿5/5 2006/06/11(日) 23:23:02 ID:fDhKkYUt0 
宮司は難しい顔をして、 
「腐っても霊場だ、今から私が言う話は聞かなかった事にしてくれ」 
そう前置きし、語り始めた。 

これだけ険しい道な為、確かに落下事故も起こりはするが、 
死傷者などは滅多に出ない。 
稀に起こる事故の大半は独りで登った者が遭うのだそうだ。 
落ちた人間は揃って、『猿に襲われた』という 

何でも、 
この山の猿の中には人間そっくりの声で叫ぶ猿が居て 
早朝や夜、独りで登ろうとすると 
だれもいないハズなのに自分を呼ぶ声がするという 
それが本当に猿なのかどうかは分からないが。 

前々年も一人、早朝に登った参拝者が 崖から落ちた。 
発見された時にはまだ息が有ったらしいが、病院に着く前に亡くなったのだという。 
  
「もう少し見つけるのが早かったら」と宮司は呟いた 
私が「まるで見たかのように話しますね」と聞くと 

「...見つけたのはワシだからな。猿ども、割れた頭から脳みそ掻き出して食っていやがった」 

宮司は吐き捨てるようにそう言った。


十代最後の思い出

653:トロンパイ:2009/03/11(水) 02:13:35 ID:K8iAqaBJ0
逝ってしまったか。残念だ 
でわ空気を読まない見本を見せるとしよう 

十代最後の思い出に心霊スポットとして有名なトンネルがある山に凸したときの話。 
俺と友人三人は金も車も無かったのでバスを乗り継いで現地に向かい、夜に歩いて帰宅するという 
今考えたらアホすぎる計画を立てて出発した。 
当時は心霊凸+深夜ウォーキングの旅で二重においしいなんて気持ちだったと思う。 

下車後、バスのある町からひたすら歩いて山に向かうわけだが、車に弱い友人Aがバス酔いしてしまったため、 
予定以上に町に滞在してしまった。 
夕日が急速に沈んでいくのを尻目に、急ぎ足で町から山に向かう道を駆けていた俺達の前に 
山での仕事帰り風のおっさんが現れた。挨拶されたので返すとちょっと立ち話するハメになった。 
おっさんは日が沈んでからの山は危ないとしきりに俺達を止めたが、サバイバルを求めるお年頃の俺達には馬の耳に念仏だった。 
結局あまり深く山に入らないことを約束させられて別れたが、 
おっさんの「夜の山は人を飲み込む」という言葉と別れ際の 
「道に迷ったとしても絶対獣道には入っちゃならねぇ。戻るも進むもきれいな山道だけにせれ」 
という助言が少し気になったが、まぁ特別不思議な台詞ではないので受け流した。 
つづく 


654 :トロンパイ:2009/03/11(水) 02:14:23 ID:K8iAqaBJ0
そんなこんなで山道に入った時点ではもう真っ暗闇。朧げな月の光と懐中電灯だけが頼りという状況。 
さすがに夜の山はそれなりの雰囲気があり、気が狂いそうな静寂と時々何かが立てる物音で緊張感が高まっていく。 
暗闇の中、目的地へと進むのは至極困難だ。早くも道に迷いかけた俺達だったがそこはドントマインド、 
こういうことを予測して詳細な地図を持参していたので地図担当のBに地図を出してもらった。 

地図に沿ってなんとかトンネルまでたどり着き、トンネル内を散策。 
特に怪奇現象などには見舞われなかったが、トンネルの壁をくりぬいて(彫って)作られた地蔵にはちょっとビビッたw 
壁そのものを彫って作られた地蔵なんか見たこと無かったし、何よりその地蔵の造詣も少しおかしかった。 
地蔵の基本的造詣なんてものは知らないが、地蔵ってこう顔も姿も丸っこいじゃないか。 
そのトンネル地蔵は丸みがないわけではないんだけど、顔がやたら長く、体に対して顔部分がでかい。 
その上、つり目気味で微笑している表情だからなんかキツネみたいに見えてなんだか変な感じがした。 
つづく 


655 :トロンパイ:2009/03/11(水) 02:33:12 ID:K8iAqaBJ0
ちょっと怖気づく面々だったが、貧弱体質なのにお調子者で気の強いAが 
A「この地蔵俺にそっくりじゃね?誰に断って立てたか知らんがモデル代くれ」 
と意味不明発言(確かにキツネ顔のAに似ていないこともなかったがw) 
A「もしかしたら俺の母ちゃんが内緒で俺の美形を売り物にしてるのかもしれん。でもどうせならこんな田舎じゃなくて都会で売れたかった」 
ちょいナルが芸風のAのおかげでだいぶ緊張がほぐれた俺達は地蔵以外に目ぼしいものがないので 
地蔵に食いしん坊のCが隠し持っていたから揚げを強奪してお供えした(本当は奪い合ったはずみで落ちたからお供えしただけw) 

トンネルを後にした俺達は、トンネル内で撮った写真に何か写っているかなみたいな話題をしながら山を下ろり始めた。 
来た道を戻るだけなのでサクサク進んでいったが、不思議なことにずっと同じ道を廻っているような感触。 
最初は気にせず進んでいたが、どう考えても山を降りることができているくらいの時間が経過し、道に迷ったと悟った。 
特に迷うような分岐はなかったはずだが、間違った可能性があるので再度トンネルを目指して戻ることに。 

かなり長い間足を進めたがトンネルにすらたどり着けなかった。いったい俺達はどこにいるんだーとパニくりはじめたとき 
地図を眺めていたBが突然悲鳴を上げて転倒した。 
つづく 


656 :本当にあった怖い名無し:2009/03/11(水) 02:36:03 ID:RrARCCP00
>>586 
住職… 


657 :本当にあった怖い名無し:2009/03/11(水) 02:55:32 ID:7bvQPUHI0
寝やがったな。 


658 :トロンパイ:2009/03/11(水) 03:00:19 ID:K8iAqaBJ0
「どうした!?」とBに光を当てる。 
B「な、なんかが降って来た!!」 
なんだなんだとあたりを見回すと一匹の猿が飛び回っているではないか。 
野生の猿なんて見たことなかったし、そもそもこの山に猿がいるということも知らなかった俺達は驚愕したものの、ちょっとだけホッとした。 
B「なんだよ、猿かよ。驚かせやがって〜…あ!!」 
またもやなんだなんだと俺達はどよめくといち早く気づいたAが叫んだ。 
A「Bのバカが猿に地図取られとる!!」 
猿を照らすと確かに猿が地図を持って跳ね回っている。 
AとBが地図を取り替えそうと飛び掛るも、猿は颯爽と林の中に消えてしまった。 

困り果てた俺達だったが、あまりにも素早く猿が逃げ去ったので猿を追うこともままならず 
とりあえず山道を下ることにした。当然分岐がきても勘でしか選べない。 
まぁなんとかなるか〜と猿アクシデントで逆に吹っ切れた俺達は猿を罵倒したり、 
好敵手として讃えたりしながらぐんぐん進んでいった。 
すると思いのほか早く分岐にたどり着いた。 

右と左、どちらの道にするか。道を照らし、風景を必死に思い出して空っぽの頭をひねっていると、 
「なんか左の道にある!」というAの指摘の元、左の道を調べると、なんとトンネルのキツネ地蔵があるではないか。 
来た道にはそんなものなかったはずなのに。怪現象に驚くというよりは、いかに最善の道を選ぶか必死になっていた俺達は 
来たときはなかった地蔵がある=その道は間違った道、ではないかという考えの検証に夢中だった。 
その結果、俺・B・Cは右の道を選ぶと主張したが、Aが猛反対。 
これは本体である俺を助ける地蔵の導きだと主張して一歩も譲らなかった。 

B「こんなときにネタはやめろ!」A「いや本気だ!」 
AとBの口喧嘩にひたすらオロオロする俺とC。 
そんなカオス手前の状況の中、右手の道から地図を持った猿が突如出現。あまりにも早い再会にも驚いたが、 
猿が「こっち!こっち!」みたいに見えるジェスチャーをするのは夢でも見ているのかと思うほどたまげた。 
突然の新展開にさらに困惑していると、Aが無理やりBを左の道に引っ張っていった。 

660:トロンパイ:2009/03/11(水) 03:17:22 ID:K8iAqaBJ0
俺もCもあまりにも強引なAに行動に「まさか憑かれているのでは!?」と不吉な考えが浮かんだ。 
Aを止めようと走りよった俺達だったが、二人の前に来てフリーズしてしまった。 

Aによって左の道にひきこまれかけているBが尋常じゃないくらい暴れている。 
血走った目はぐりんと上を向き、涎を垂らしながら歯を食いしばり、 
「いやだー!!猿!猿の方に行かなきゃダメだー!!この道はイヤダー!!猿の道がいいィィィ!!」 
と気が狂ったように叫びだした。 

A「そこのボケナスノロマとボンクラデブ!止まってないで手伝え!!」 
(いつものAだ!!)と、年中口が悪くて人を罵倒しまくるAの罵りに理性を感じ取った俺とCは 
暴れるBをガッチリ押さえて左の道を突き進んだ。 
地蔵を過ぎたあたりでBは大人しくなりしばらく放心状態に。 
俺達の呼びかけにやっと反応したBは少しキョロキョロした後、突然 
「うひゃぁ〜〜」と叫んで一目散に道を駆け下り始めた。 
当然のBの疾走に驚いた俺達は意味も分からずBを追いかけ道を下った。 

結局左の道が正しかったようで、Bを捕まえたあたりで山のふもとあたりに出ることができた。 
そのまま山を下ったが、その間、Bは何を聞いても「うるさいうるさい」しか言わず、 
Cが隠し持っていたうまい棒を10本ほどもくもくと食べていた。 
つづく 


661 :トロンパイ:2009/03/11(水) 03:19:05 ID:K8iAqaBJ0
遅くてスマン 
次で終わり 
>>660 
>当然のBの疾走→○突然のBの疾走 


662 :本当にあった怖い名無し:2009/03/11(水) 03:53:49 ID:rM6A8vDS0
寝たのか… 


663 :トロンパイ:2009/03/11(水) 03:58:59 ID:K8iAqaBJ0
結局町で夜明けを待ち、バスで帰った俺達だったが、町でもバスでも相変わらずBはだんまりだったし、 
しつこく聞く俺をAがたしなめた。仕方ないのでCのリュックを漁ったがチロルチョコしか出てこなかった上にチョコ好きのAni奪われた。 
なんでAが左の道を選んだのか、Bはなぜおかしかったのか、その後どうして疾走したのか。 
物事がハッキリしないと無性にいらつく俺はチョコすらありつけなかった八つ当たりにCの耳をひっぱったりした結果、 
Cがキレて俺を殴った。 

そんなこんなで地元に帰った俺達はなんとなく気まずい感じで別れてそれぞれ帰宅した。 
その後もAとBが真相を明かしてくれることも無く、 
結局あのことはタブーになってしまうのかと残念に思っていた。 

しかし、その一ヶ月後くらいにCと遊んだとき(山から帰った二日後くらいには仲直りしてた) 
CがAとBそれぞれ別々に聞き出した真相を教えてくれた。 
なんで俺には言ってくれないのかと嘆くと「お前は口が軽いから」と笑われた。 
(お前もだろこのデブゴンめ)と思ったが、そこは大人しく聞く姿勢に入った。 

つづく 


664 :トロンパイ:2009/03/11(水) 03:59:32 ID:K8iAqaBJ0
まずAの話だが、Aはなんだか、最初から地蔵に懐かしさというか、見守られている温かい感じがしていたらしい。 
だから全然山にもトンネルにも恐怖を感じなかったらしいが、猿が現れてからは何か嫌な感じがしていたそうだ。 
猿が地図を奪って消えてからも何かに見られている感じがしていたらしい。 
左の道に地蔵を見つけたときは「から揚げの恩返しだな。パターン乙w」と思ったのらしいが、 
間違ってても戻ればいいし、最悪夜が明けるまで待てばいいと気楽に構えていたとのこと。 
しかし、猿が再出現してからは「絶対に右を選んだらいかん」と感じたとのこと。 
最初は普通にBと言い合いしていたが、猿出現からなんだかBの目の焦点がおかしいことに気づき、 
「こいつは魅入られているのでは?」と思い、猿から離すためにも左に引きずりこんだ次第。 
B発狂後、俺らがフリーズしたときが一番焦ったらしく「Bだけじゃなくこいつらも魅入られたんじゃ…」と内心冷や汗をかいた模様。 
B疾走後、Bが俺らの後ろの何かに反応したのに気づいたAが後ろ、すなわち分岐点あたりを照らしてみると、 
あの猿がちょこんと座ってこちらを見ていたそうだ。ただ猿の表情は言葉では表せないほど醜く、悪意に満ちていたらしい。 

つづく 


665 :トロンパイ:2009/03/11(水) 04:00:05 ID:K8iAqaBJ0
続いてBの話。 
BはAと真逆にトンネルの時点から嫌な感じがしていたそう(本当は山に入ったときからビビっていただけと思うがw) 
地蔵には恐怖MAXだったらしい。猿は完全にただの野生の猿と思っていたとのこと。 
分岐ではAが正気じゃないと思い、激しく反対した。そっからは少し記憶が無いそう。 
んで、気がついたら俺らがガッチリと自分の身体を押さえて自分を見つめていたから、 
(こいつら実は集団ゲイだったのか!?)とビビったらしい。(多分これは後付けの強がりだろうw) 
事態を把握しようと周囲を見回すと、俺らの後ろ、さっきまでいた分岐の場所に 
おそらく3、4mくらいの、光る目を持った化け物がこっちを見ていたので慌てて逃げたとのこと。 
その後は恐ろしいやらわけわからんやら俺らがゲイで襲ってきやしないかやら俺がしつこくてウザいやらで、 
いつでも一人で逃げられるよう丹田に力を込めて黙って気を溜めていたらしい。 

これが俺が十代の頃経験した山の不思議な出来事の全てです。 
だいぶ昔だからちょっと脚色してしまっている部分もあるかもしれないが…。 

遅くて無駄に長くてごめんなさい。 
それでは 


666 :トロンパイ:2009/03/11(水) 04:09:28 ID:K8iAqaBJ0
>>654 
>ドントマインド→○ドントウォーリー 

本当こんな駄文投下して申し訳ない 
空気読まなすぎたorz


白い猿

926 :本当にあった怖い名無し:2009/03/22(日) 23:36:04 ID:1MW7ENbb0
平野と呼ばれる地域の山間に住んでる自分には山と里の境すら曖昧。 
地図に山って書いてあれば山というならここは山ではないが。 
地元の人間の間では山と呼ぶんだな、これが。 
人が無意識に張ったラインを超えた先を山と呼ぶのかね。 

幼い頃、一緒に遊んでいた兄が白い猿を見たといって必死で俺を連れて逃げたことがあるよ。 
あとから聞いた話では二本足で道の真ん中に立ってたらしい。 
もちろん飼い主の姿もなければ近辺に猿なんかいない。 
明るい時間だったし見間違えるほど見知らぬ人間のうろつく土地でもない。 
なんだったのか未だにさっぱりわからんが、里山にも変なものは出るのかね? 

関係ないけど、先日庭を掘ったら土器が出てきたよ。 
弥生人の幽霊ですか?


狒々(ひひ)

225 :本当にあった怖い名無し:2009/08/18(火) 01:07:50 ID:1PAP/f/jO
流れを変える為に投下。

家の子供が物心がついたくらいの時に友達と一緒に虫を捕りに山に
朝早く登った。前日に仕掛けたバナナの焼酎漬の罠を確認しようとした。
仕掛けた現場に近づかなくと何やら砕くような音がしたらしい。
そっと忍び寄ると真っ赤な猿が一匹、罠に集まった虫をかみ砕いていた。
ヒッと誰かが恐怖を口にした。猿はゆっくり子供達を見据え瞬間、
ニッと笑って山の中に消えて行った。その山には猿は出ない。が、
狒々の化け物が出る。という言い伝えは残っている。
言い伝えによると狒々は山の資源を食い尽くした。そして旅の侍によって
追い払われたとのこと。


チッ、見つかったか

631 :元登山者:2009/10/25(日) 19:10:33 ID:CJA5Rkzz0
友人から聞いた話です。

田舎の友人から聞いた話です。
彼のうちでは椎茸や松茸を栽培しており、山を沢山持っています。
去年の秋、収穫前の松茸が盗難に遭いました。
前日に山で見たときには、何もなく結構な量があったそうですが、
翌日、収穫に行くとゴッソリともって行かれ、ほとんど残っていません。
「松茸泥棒だろうか?」と思った彼は、ローテーションを組んで、見回りに
行くようにしました。
ある夜、ベースキャンプにしているテントで横になっていると、ザクッと
土を踏む音がしました。
「獣か?人か?」と、耳をすませていると、「ふむふむ、うんうん」
と頷くような呟きが聞こえました。「コイツだ、泥棒に違いない。」
と、思った彼は懐中電灯と棒切れを持って、テントから出ると
「おらあ!何しよんじゃい!」と怒鳴りつけながら、灯りを向けました。
懐中電灯の明かりの向こうには1メートル以上はある大きな猿がいました。
その猿は手に何本か松茸を持っていたそうです。
猿はまぶしそうに、手を眼前に交わしていましたが「チッ、見つかったか」
と言うと、夜の山に入っていったそうです。

「絶対にあの猿は喋ったからな!はっきり聞いたんだ!」
彼はそう力説していました。


人面猿身

77 :本当にあった怖い名無し:2010/04/08(木) 21:28:26 ID:kq1h70gFO
学生の頃、たしか長野県出身のやつに聞いた話(うろ覚えだけど)
彼の自宅近くの神社の森に人面猿身の妖怪?みたいなのが居て、
夕暮れ時に近くを通ると、そいつが森から出て来て手招きするらしい。
で、ついて行くと二度と帰って来れないと言う話。
もちろん、彼自身見たことは無いのだけど、年寄り達が
『もし出会っても絶対についていっちゃいけないよ』と口を酸っぱくして言われていたそうな。
たいして怖くもないし、正確には、山の話じゃないので、すまん。


ゴンゲンサマ

654 本当にあった怖い名無し 2012/12/08(土) 20:01:22.67 ID:dpaVkLemO
地元の山の中にポッカリと開いた広場があり、その中央に石祠がある。その石祠は地元の人から『ゴンゲンサマ』と呼ばれている。
『ゴンゲンサマ』は、山に於けるありとあらゆる事故、災厄から人間を守ってくれると言い伝えられている。
このように聞くと、『ゴンゲンサマ』は山神だと思うかも知れないが、決して山神では無いのだと言う。
寧ろ、『ゴンゲンサマ』は山神と呼ばれるのを嫌う。そのため、地元の人達は『ゴンゲンサマ』の前では決して山神とは口にしない。
小学四年の時、そんなの迷信だと言って、友達と二人で確かめに行った。
『ゴンゲンサマ』の前で山神と呼び掛けても何の変化も無い。
「やっぱり迷信だ」
友達はそう言った後、帰ろうと俺に言って元来た道に戻ろうとした。
ふと、友達が突然立ち止まる。不思議に思って友達の目線の先を見ると、一匹のどす黒い色をした猿が居た。
「誰が山神じゃあボケェ!ワシはゴンゲンサマ言うんじゃあ!!」
人の言葉で猿が怒鳴ったかと思うと、俺達に向かって走り出して来る。
うわっと驚きながら、俺と友達は二手に別れ、山を降りて必死に逃げた。
家に着くと俺は急いで友達の家に電話をかけた。友達は家に着いた直後らしく、息が荒かった。
「何だよ、あれ!?何だよ、あの猿!??」と、電話越しに友達はかなり興奮していた。
最終的に、今日あった事は二人だけの秘密と言う事になった。
あの日以来、俺と友達には何の異変も起こらなかった。本当にそれっきりだった。
それとなく、お爺ちゃんやお婆ちゃんに聞いて見た事もあるが、何故『ゴンゲンサマ』の前で山神と言ってはいけないのか、もう分からないのだと言う。
猿との関連性も分からないとの事。
ただ、俺も友達もあの日以来、猿が苦手になった。


(コメント)

厳密に言うと、キヒサルやヒサルの話は憑き物系の話なのですが、名称にサルという字が入っているのと、猿に憑く事が多いということで、このカテゴリーに入れました。かなり不気味な話ではあります。昔話や民話で猿神が出てくる話を読むと、女子供をさらったり、生贄を強要したりなんて話が多いですが、どうもまんざら作り話というわけでもなさそうです。エンコウ(猿公)というのも似たようなものだと思いますが、修学旅行で見たなんていうリアルな証言を読むとちょっとビビりますね。変わった猿の目撃談の中で、普通の日本猿とは違う、黒っぽい猿がよく登場しますが、未知の種類の猿なのでしょうか、それとも年老いた日本猿なのでしょうか、どちらにしても不思議な話です。一般的に日本猿の狩りは禁止されていて、有害獣として駆除する時以外は、鉄砲を向けることはないと思いますが、もし猿を駆除する機会があった場合は、拝んで命乞いする猿は見逃してあげた方が良いようです。狒々(ひひ)というのは妖怪の一種だそうで、サルを大型化したような姿をしていて、老いたサルがこの妖怪になるともいわれているそうです。現代日本でも、たくましく生き抜いているようですが・・・


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