狸・狐・化かされた話


ひょーひょー

174 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/01/26 17:37

ある人に話を伺えたのでここに記す。

山の仕事が忙しいときに時々山の宿舎で
同僚数名と過ごす事がよくあった。

昼間の激務のため、みな夕食後ぐっすりと眠るのが
常であった。
でも時々 夜中に妙な音で目が醒めることがあった。
「ひょーひょー」と叫びながら何者かが歩いて
いっている。こんな山奥でのことである。
しかも夜間である。
だれがなんのために叫びながら歩いていくのか
不思議に思ったその人は何度かめに声の方に宿舎
を出て歩いていった。
すると、山中を白装束を頭からすっぽりかぶった
集団がうねうねと歩いている。手にはランタンを
もち 中のうちの一人が「ひょーひょー」と叫んでいる。
そのうち、彼が覗いているのに気がついたのか。一斉に
彼の方を見た。そしてそのうちの数名が彼をおってきたのだ。
彼は急いで宿舎に逃げ込んだ。
翌朝、おきて宿舎を出てみると、宿舎の入り口に獣の足跡
と毛がたくさんのこっていたという。


ネズ天

167 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/01/26 16:19

和歌山の山間部での伝承でしょうか、ネズミのてんぷらを作って河原で待っていると
狸狐が人間に化けてそれをねだるそうです。(ねだるというよりは非常にほしがるそうで
す)
そこで「ほしければやるけど金を持って来い」というとしばらくして金を持って
くるそうです。ただし最初は木の葉で作ったお金なのですぐにばれてしまいます。
「本当の金を持って来い!」などとやり取りが数回あるうちに最後は本当のお金
をもってくるそうです。ただしこのやり取りの間は何故か非常に眠くなりうっかり寝込むと
「ネズてん」を持っていかれてしまうそうです。
山本素石さんはこれを友人と二人で実験したそうですが、どうやら眠ってしまい
「ネズてん」は取られてしまったそうです。

60 名前:本当にあった怖い名無し[sage] :04/08/27 05:56 ID:42Uxw2CJ
語り部が多い良スレだな。
あまり面白くないかも知れないが、俺もじいちゃんの釣り仲間から聞いた話を一つ。

その人の父親が山小屋に住んでいた時のこと。
ある晩、罠かごにねずみが沢山入っていたことがあった。
冬もそろそろ始まろうかといった時期だったので、山のねずみは丸々としている。おじさんはそれを揚げ物にして食べることにした。
調理したねずみを油に放り込んでしばらく待っていると、急に入り口の戸をドンドンドンドンと大きく叩く音がする。
こんな時間に誰が?と思いおじさんが戸を開けてみると、誰もいない。
首を傾げながら戸を閉めると、またドンドンと叩く音がする。
もう一度戸を開けても、やはり誰もいない。
おじさんは、あぁ、狐が匂いを嗅ぎつけて来たんたなと思い、
外に向かって「分けてやるから待っとれ」と言って、でき上がっていた揚げ物を2、3個外に出して戸を閉めた。
戸は鳴らなくなった。

翌日戸を開けると、やはり揚げ物はなくなっていた。
そして、関係があるかどうかは分からないがその日は、普段釣れないような大きな岩魚が釣れたそうだ。

以上です。あまり怖くないが、山の話ということでご勘弁を。


カワウソに化かされた話

64 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/12/18 14:32

父から聞いた曾祖父の話

夕刻、川土手を歩いていたら、ふらふらとおかしな歩き方をする男がいたそ
うだ。あまりにも足取りがおぼつかないので川に落ちないかと心配していたら、
案の定ドボンと転落してしまった。こりゃいかんと急いで駆けつけたのだが、
おかしなことに川の中には誰もいない。首をかしげながらもその日は家に帰っ
て寝てしまった。
 
数日後、土手を歩いていたらまた同じように千鳥足で歩く男を見つけた。今度こそ
正体を見極めようと、足下に落ちていた石を男に向かって投げつけた。すると男は
泥人形のようにバラバラになって川に落ちていった。
 一体あれは何だったのか、と村の年寄りに聞くと、「そりゃおめぇ、カワウソに
化かされたんだ。」と笑われたそうだ。


落石

241 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/05/23 13:43 ID:qYV4XaTs

山と言えば、20年くらい前に祖父にこんな話をされた事があるな。

近所の山に○○(ここ、どうしても思い出せない)をしに行った時の話。
はるか上の方から「ずどどぉ〜ん!」と轟音が聞こえた。何事かと上を見たら、
山頂から、とてつもなく巨大な岩が転げ落ちて来るのが見えた。
ずっと上にあるのに視界を埋めるほどの大岩で、妙にゆっくりと、まっすぐ
自分に向かって落ちて来る。
「あんな大きなモンが落ちて来るんなら、どう足掻いても助からんな」
と、何故か落ち着いた気持ちで見上げていると、大岩は転がりながら
見る見る間に縮んで行き、最後にはビー玉くらいの丸石になって脚にコツンと
当たって止まった。こりゃあ狸か狐か、と思い、弁当に持ってきたオニギリを
一つ置いて急いで家に帰った。

「でな、そのときの石がこれだ」
と神棚から石を取り出した祖父に吃驚したのをはっきりと覚えてる。


少年と狸

925 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/06/17 21:01 ID:ubH/WSRD

ある夜の事、一人の少年が喉が渇いたので土間に下り、台所で水を
飲んでいた。
すると、開けっ放しにしていた出入り口の端から狸が頭を覗かせて
彼をじっと見ているではないか。
少年は狸が家の中に入って来るとまずいので、「こら!!」と一喝。
すると、狸はゆっくりと頭を引っ込めて逃げて行った…と思ったのも
束の間。
その日はちょうど満月で、明かりを付けなくても全く問題が無い位
明るい夜だったはずなのに、ほんの一瞬で少年は自分の手元すら
見えない真っ暗闇の中に放り込まれてしまったのである。
それも、困った事に自分の部屋に戻ろうとして手探りしながら歩き
出しても、平坦などこかを進み続けるばかりで一向に部屋どころか
家の中に居るのかすら分からない始末。
「こりゃあいかん…どうも、狸に化かされたみたいだ。これ以上無理
に動き回らない方が良いな…」
少年は腹をくくり、相変わらず真っ暗な視界の中、どことも分から
ない場所にごろりと横たわって寝てしまった。
さて、それから何時間過ぎたのか。
少年はふいに眩しさを感じて目を覚まし、身体を起こして驚いた。
そこは、山の中腹に作られた狭い畑のど真ん中。
少年の家から行こうとすると、かなり急な道を下らなければ辿り着け
ない場所であり、そこから更に下っていたら石垣から落ちて大けがを
していた所だった。
「諦めて寝て正解だったなぁ。ま、晴れた日で良かったわ」
少年は自分を化かした狸を恨むでもなく、良く寝たと思いながら家に
帰った。


926 名前: 925 04/06/17 21:02 ID:Si/RFkk3

少年=父から酒のつまみ代わりにと聞いた話です。
この頃、日本昔話よろしく風呂だと思ってこえだめに浸かったり、
酒を飲んでいた訳でも無いのに崖から落ちてけがをする人が多かった
そうで、そういう事が起こる度に「狸に化かされた」と人々は普通に
受け止めていたと言う事です。
私も子供の時、田舎で山の木々の上を列を成して進むたくさんの狐火を
見たりしましたが、両親や親戚達は笑いすら浮かべてのんびりとそれを
見送っていました。
…とここまで書いてそんなに怖い話じゃない事に気付いてorz


ムジナに化かされた話

528 名前:本当にあった怖い名無し 04/10/10 12:31:25 ID:wIx1GG3X
父の伯母が子供の頃(大正年間)の話。

高知の山の近くに住んでいたが、ある日、彼女は夕刻を過ぎても家に戻らなかった。
家人は心配し、彼女を探し始めたところ、夜になって一人で泣きながら歩いている
ところを村の人に保護された。

彼女によれば、夕方、大八車を引いた老人を見かけた。その大八車には風車がつ
いていて、なぜかそれに魅入られた彼女は山に向かう老人について歩いて行って
しまった。

しばらくして我に返ると老人の姿はなく、里に戻っていたが、着物のすそは擦り切
れ、数時間山の中を歩き回っていたらしい。

どうやらその老人はムジナで、風車に見えたのはムジナがしっぽをくるくる回して彼
女を幻惑したのだとか・・・

今、幼女が山で行方不明といったらもっと怖いことになると思うのですが、のど
かな時代だったのですね。


狐の嫁入り@

706 名前:706[sage] 投稿日:2005/04/04(月) 04:19:43 ID:HwiPwiT+0
祖父から聞いた話。
45年程昔の出来事です。

私の祖父は当時、鍛冶屋を営んでおりました。
釣りが好きだった祖父は、近所の遊び仲間と共に
やり貯めた仕事の合間しばしば釣りに出かけたそうです。
釣りは朝早く、車に大人4人が乗り込み仕事も忘れ、休日を満喫しに釣りへ出掛けます。
山を二つ越えた所の渓流に目当ての魚が泳いでいたそうです。到着まで1時間。
当時の(現在もあまり変わらないでしょうけども)田舎の夜明け前、山の中ですから
車のライトがあれど相当に暗いです。轍も定かでない道を進んでいきます。


707 名前:706[sage] 投稿日:2005/04/04(月) 04:20:29 ID:HwiPwiT+0
渓流にはもう何度となく祖父たちは通っていたそうで、迷うはずはありませんでした。
一時間、10分、20分、、30分、、、、
目的の場所に辿り着けません。
眠い目をこすりながら、4人は確認し合います。
「あんれぇ?迷ったんか?」「何時になってもつかねぇからおかしいと思ってたんだぁ?」
一息ついてまた走り出しました。
ですが、いつになっても目的地に着きません。
さすがに事態を重く見た4人はその日の早朝釣りを諦めて
明るくなるまで少しの間仮眠を取る事にしたそうです。
夜明けが近づくに連れ、だんだんと辺りの様子が少しだけ見えてきます。


708 名前:706[sage] 投稿日:2005/04/04(月) 04:21:05 ID:HwiPwiT+0
後部座席に座ってた祖父が一番最初に目を覚ましたそうです。
「おい、ぼちぼちいってみんべか?」他の者も目を覚まし言います。「んだな。いってみんべ」
エンジンを掛けなおし、発進しようとした瞬間運転手が言いました。
「おめぇら黙って伏せろ!!」
何事かと祖父が小さな声で尋ねます。「どしたんだぃ?」
運転手は言います。「そーっと、そーっとだぞ!そーっと窓の外見てみろ。目を合わすなよ!」
4人はそーっと伏せていた身を起こし、窓の外をゆっくりと見ました。


709 名前:706[sage] 投稿日:2005/04/04(月) 04:21:35 ID:HwiPwiT+0
白い顔をして、赤い紅を引く小さな動く人のようなもの。
ほっかむりのようなものを頭に乗せて、ゆっくりゆっくりとすり足で車の横を通り過ぎていきます。
和風の結婚式のような感じです。隣には黒の着物を着た小さな人のようなものが同じように歩いていきます。
灯篭を手に持ち、ゆっくりと片足をあげてゆっくりゆっくりと前へその足をつき、進んでいく者も居ます。
その列が後ろから前へ車の両側をズラーーーーーーーっと並んでいます。
ぼんぼりのような物が定期的な位置にに置かれていたそうです。
白い和服の後ろから出ていたものは、茶色と白の尾です。
全員が後ろから尾が出ていたそうです。
そうです、狐の嫁入りです。全てが通り過ぎるまで20分程度掛かったそうです。
終始4人は息を呑み、黙りつくしていました。


710 名前:706[sage] 投稿日:2005/04/04(月) 04:22:39 ID:HwiPwiT+0
気味が悪くなった祖父たちは一目散に家に帰り、その後その山にはあまり近づかなくなったそうです。
4人全員がひとまず私の母親の実家、つまり家に到着し、お茶をブルブルした手で飲みながら
家族全員に今見てきた事を伝えたようですが、尋常じゃない形相だったと私の母親は言っていました。
こんな事実際にあるわけないとは思いつつ、こんな儀式が行われている所を一生に一度は見てみたいとも
思いました。


狐の嫁入りA

497 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 09:16:42 ID:salHnYm6O 

子供の頃山の中に住んでた。家は山の斜面で谷を挟み反対側の山には過疎が進み誰も住んでない部落が見え、はるか遠く東には富士山が圧倒的な存在感でそびえている。 

ある夏の夜遅く、母親に起こされた。向かいの山を見ろという。眠い目を擦りながら言うとおりにした。夜空には無数の星と眩しいほどの月。濃いブルーの静かな世界が神秘的だった。 

暗闇に目が慣れてきた。すると、向かいの山の中腹に弱い光を見つけた。一つではない。10ほどの光の列がゆっくり動いている。時折木の影に隠れチラチラと…。人が歩く早さぐらいに見えた。 


498 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 09:18:54 ID:salHnYm6O 

「何…あれ?」声をひそめて聞く。「狐の嫁入りだよ。」と教えてくれた。母親は随分前から見ていたようだ。 
人が通る道なんかないことは知っていた。変わった山歩きが趣味でもまさかこんな夜中に歩く人はいないだろう。やがて、一つまた一つと光が消えていく。不思議なもんだなと光が消えるまで母親と眺めていた。 

今は町に下り、あれほどの静寂さはまず体験出来ない。月夜の山は本当に神や天狗の存在を感じさせる。山に泊まる機会があったらぜひ、そっと外を覗いてみてください。不思議なものが見られるかも。 


狐の嫁入りB

472 :本当にあった怖い名無し:2007/11/21(水) 01:08:40 ID:+Q9gIqcG0
70過ぎのオヤジの子供の頃の話。 

夜の山の斜面に、星の様な光が数十個ポツポツ見える時が何回かあったそうだ。 

そして、その光が上下に移動するんだが、相対距離にして何十メートルもある山の斜面をすいすい上下に移動してる事になる、仮に人が松明を持って走り回ったとしても、条件的にも速度的にもありえない情景なんだそうだ。 

不思議に思ったオヤジが、大人に、「あれは何だ?」と質問したところ、その大人は、特に珍しい事でも無さそうに、「狐の嫁入りだ」と応えたそうな。 

昔は、こんな事、普通にあったんだよ。ってオヤジは言う。


狐の嫁入りC

138 :本当にあった怖い名無し:2008/09/26(金) 16:27:38 ID:bOHyb3Aa0
山で間引きの帰り、見た。 
向かいの山(直線で1km位)に明かりが幾つか灯っている。 
人家もなければ登山道でもないところで、ゆっくりと移動しているようだった。 
ああ、これが狐の嫁入りか。と、思っていたら急に霧が流れてきて見えなくなった。 

狐雨は降らなかったけど、あれはいいものを見たな。 
見に行ける距離だったけど、なぜか行きたいとは思わなかったな。 


狐の嫁入りD

472 :本当にあった怖い名無し:2007/11/21(水) 01:08:40 ID:+Q9gIqcG0
70過ぎのオヤジの子供の頃の話。 

夜の山の斜面に、星の様な光が数十個ポツポツ見える時が何回かあったそうだ。 
そして、その光が上下に移動するんだが、相対距離にして何十メートルもある山の斜面をすいすい上下に移動してる事になる、仮に人が松明を持って走り回ったとしても、条件的にも速度的にもありえない情景なんだそうだ。 

不思議に思ったオヤジが、大人に、「あれは何だ?」と質問したところ、その大人は、特に珍しい事でも無さそうに、「狐の嫁入りだ」と応えたそうな。昔は、こんな事、普通にあったんだよ。ってオヤジは言う。


人外魔境

581 名前: 本当にあった怖い名無し 2005/11/19(土) 17:33:54 ID:zEOsGJOx0 

親父殿に聞きました。 

母ちゃんの実家は佐渡島の山奥にある。 
この山奥っぷりというのが半端ではなく 
麓の「お隣さん」まで原チャリを飛ばして20分かかるという 
ほんと〜に辺鄙な所にある。 
これ、前置きね。 

昔々、親父殿と母ちゃんが結婚する前の話。 
母ちゃんの両親にご挨拶するために、親父殿の運転で 
その辺鄙な山道を車で登っているとき、異変が起こった。 
助手席で寝ていた母ちゃんが、突然に 
「だめよ!後で!!」 
と大声で叫んだそうな。 
その声にビックリしたものの、寝言だろうと思って 
そのまま運転を続け、無事に母ちゃんの実家まで辿り着けたそうな。 
車から降りると、母ちゃんは土産物を積んだトランクを開け 
「あぁ〜、やっぱりやられたぁ。夢じゃなかったのねぇ。」 
と残念そうに言ったという。 
何事かと親父殿もトランクを覗き込んだのだが、そこには 
土産物として持ってきた菓子類が食い荒らされ、残骸が散らばっていたという。 
「寝てたらねぇ、後部座席に小さな子供達が座ってお菓子を食べてる光景が見えたのよ。 
これは山のタヌキだと思って怒鳴ったんだけど・・・遅かったわぁ。」 
と、さして怖がる風でもなく語る母の姿に、なんだか人外魔境に 
迷い込んだ気分になったと親父殿は語るのであった。 


582 名前: 本当にあった怖い名無し 2005/11/19(土) 17:37:11 ID:zEOsGJOx0 

ちなみに親父殿は、その時になんとなく 
「なんでキツネだと思わなかったんだ?」 
と尋ねたそうな。 

そしたら母ちゃんは 
「佐渡島にキツネはおらんのよ。昔、領主に悪さして追い出されたんだって。」 
と、これまた事も無げに語ったそうな。



夜山の猟

891:06/26(月) 13:38 afenhTi60 
昭和5年生まれの父親の話。 
わかりやすいように自己視点で書きますが、脚色はありません。 

父は、地方の山村に生まれ、半農半猟の青年時代を送った。 
猟の腕は兄について回りながら鍛えたのもあり、30歳前には「目抜き」と 
あだ名されるほどだったと言う。 
猟はいつも単独で、紀州犬を一頭のみ連れて猪を狙う「留め狩り」というスタイル。 
犬が先に猪を追い出して、逃げぬよう、押されぬように「留めて」いるところに 
人が追いついて、猪を狙うというもの。 
本来、昼間に行う猟だが父はそれを夜行うのが好きで、しかし周りの者には 
「夜に猟やら、○○ちゃんしかようできん」などと、蔑まれるような、 
畏れられるような行為だったらしい。 
事実、夜のほうが獲物はよく出ているので、猟果は高い。が、本来夜に山に入るのは 
暗黙の了解として禁忌とされている。ましてや、猟など・・・・ 
若気の至りというのもあったのだろうか。 

その日も、父は一人で山に入っていった。 
猟師が歩く距離は想像を絶する。小一時間も歩けば、尾根を越えて奥山の谷に差し掛かる。 
その日は遠出のつもりだったらしい。 
ただ、出猟前にほんのすこし、異常があった。 
犬が離れないのだ。 
本来、猟犬は一人で獣跡をつけてどんどん奥に入っていく。 
これは私も何度も父と同行しているので知っているのだが、そもそもそうでないと 
猟にならない。だいたい、2〜300mほど先を犬が行くのが当たり前である。 
そんなに奥まで分け入っているのに犬がつけないというのは私も見たことが無い。 
その日は、犬が入らなかったそうだ。 
父は、単に獲物の跡が無いからだと考え、どんどん奥に入っていった。 


892:06/26(月) 13:38 afenhTi60 
しかし、奥に行くほど犬は足元に絡みつくように引っ付いてくる。 
こんなことがあるもんか?と父が考えていたそのとき、 
突然後ろから声がした。 

「おうーい、○○ちゃんよーい」 

父に聞くと、ほんの10mぐらい後ろから聞こえたそうだ。 
父は、誰か後をついてきた友人かと思い、返事をした。 

「おう、来たんかー!どうかいのー!」 

しかし返事は無い。静寂が続く。 
空耳かとも思ったが、はっきりしすぎていた。 
はっきり、10m後ろから声が聞こえた。しかし、凝視しても闇が広がるのみ。 

不思議に思いつつ、歩を進めようとしたとき、今度はほんの5m後ろで声がした。 

「うおーう、○○ちゃんよー!」 

聞き間違えでは無い。はっきりと、聞こえた。 
しかも、今日ここにいることは誰にも言っていない! 
暗闇で、後ろからなぜ自分とわかる?こんな人気も無い深山で!! 
「ばけものは2度聞いてくる。2度答えると、命は無い」 
という年寄りの言葉を思い出した。 
今度は返事をせず、振り向いた。 
やはり何もいない。藪の中? 

犬は足元で尻尾まで丸めている。 
猟犬が? 
熊にも怯えぬ猟犬が!? 
さすがに総毛だった。 


893:06/26(月) 13:39 afenhTi60 
普通なら、ここで崩れ落ちるか恐怖のあまりどうにかなるかだろうが、 
父はどっかと座り込んだ。震えながらもタバコを点し、一息ついたのち、 
突然足元で丸くなっていた猟犬を、声のした藪に投げ込んで銃をとった!! 
「ギャー!!!グゲーッ」 
獣の声と同時に、飛び出た塊に照準を合わせ、ターンと打ち抜く。 

大きな雄狐だった・・・・ 
犬もわれに返り。死んだ狐に歯を立てている。 

父は未だに現役で、夜山に入っている。 
私も同行する。たまに、へんなものも見ることがあるが、 
これほどの事は未だにない。 



笑う狐

245:03/08(土) 13:52 0J2xlVD80 [sage] 
動物ネタでひとつ 

狐って、意外と里にもいるもんですよ 
まあ僕みたいな片田舎住みに限った話ですが 
だだっ広い田んぼを貫いた国道。まさかあんなところで出会うとは思いませんでした 

その日、結婚を控えた僕らは日帰り温泉旅行の帰り道で 
子供は何人欲しい?とか名前はやっぱじいちゃんに付けてもらう?とかそんなバカな話をしながらその道を走っていました 

ふと、道路の真ん中に何か立っているのが見えました。四足の動物。 
普通狸や猫はさっと道を横切ってしまうもので、野良犬か何かかと思って手前でスピードを緩めました
 


246:03/08(土) 13:53 0J2xlVD80 [sage] 
ハイビームにしたヘッドライトに浮かぶその姿は、まぎれも無く狐でした。 
初めて見たよ、と僕は言い 
ル〜ル〜ル〜…と彼女は嬉しそうに歌っていました。 

その、刹那。 

狐が笑いました。 
犬なんかもするような、ただ口角をニコっとする仕草ではなく 
赤く光る眼を「へ」の字の形にして、狐は笑っていたんです。 
悪寒を覚えました。見てはいけないモノを見た気がした僕は、構わずアクセルを踏み込みました。 

狐はトッ、っと駆けて、闇に消えました。 
そのあと何処をどう走ったもんだか、よく覚えていませんが 
気づくと車は僕らのアパートの近所のファミリーレストランの駐車場にいました。 

笑ったの、見た? 
僕は彼女に尋ねましたが、彼女の瞳は白目がちで、視線はどこか遠くを見ていました。 

数年前のことです。 
それから僕らは結婚してそれなりに幸せにやっていますが 
あの夜のことを彼女はどうしても思い出せないそうです。 

まだ子供はいません。


狐火のお気に入り

307 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/03/03 07:10:30 ID:TQfxDY2FO
青白い光が幾つも前方に見える。

その日は祖父がどうしても
たらの芽の天ぷらが食べたい
と言うので森の反対側にある定位置に弟と採りに行った

なかなか良い大きさのたらの芽が見つからず
家の者全員がまあまあ満足出来る量を集めるのに時間が掛かってしまった
帰るころには陽が傾き始めた
暗くなるとろくな事がない、弟と急ぎ足で家に向かった
半ばまで戻ったころには森の中はかなり暗くなっていた

そんな時に狐火を見かけて嫌な気分になった
良く見るといまや数え切れないほどに増えた青白い光が
何かの周りをぐるぐると回っている

その時、ピカッとカメラのフラッシュのような光が瞬いた
すると狐火が瞬時に消えた

まさかもっと嫌な物が出たのでは?
私は遠回りしてでもその場所を避けたかったが
弟はずんずんと進んでいく

どうも家の弟は少し鈍いところがあるようだ...orz


311 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/03/03 21:01:08 ID:TQfxDY2FO
弟は真っ直ぐに狐火のたかっていた場所へ進んでいく、そして

大丈夫ですかぁ!

と何かに向かって大声を出した
そこには首からカメラを下げ左手に鈍く光る銀色の棒を持った男が呆けたように突っ立っていた

とにかく男を家に連れて帰ると宣言した弟が道々聞き出した話は呆れると言うか何と言うか
わざわざ森の変なものを撮影に来のだとか
そんな話を二人の後ろについて歩きながら聞いていると
私たちの周りに狐火が現れ始めた、
この男よっぽど気に入られたようだ

あ、まただ!

男が小さく叫ぶと同時に三人共進めなくなった
前を見ると暗灰色の壁が森の木々より高く私たちの歩いている小道をふさぎ聳え立っていた

さっきから何回もだ、いったい何なんだぁ!

この男には壁だけでなく狐火すら見えていないようだ、男がカメラを手に取ったのを制して
弟が杖代わりにしていた木の枝を壁の根本に軽く放った、
轟音をたてて壁が崩れてゆく
目の前で崩壊しているのに小片ひとつ降りかかって来ない

と、ベチャリと音がした
そこには何か動物の糞に顔をうづめた男が呻いていた

フラッシュなど光らせるからおもしろがられる

まったく化かされるにも程がある...orz


1時間の道のりを6時間

139 名前: 本当にあった怖い名無し 2005/04/27(水) 00:11:50 ID:ll3YsaOy0 

ありふれた話で悪いが、 
俺の両親が中部のどっかに車で旅行に行ったときの帰り、 
途中山の地道を走って帰ったのだが 
普通に考えて1時間ぐらいで抜けれる道を6時間くらい走り続けたそうだ。 
夜で視界は良くないが、地図で見ても山は2つしかないし道は正しいはずで どこまでもどこまでも走っても同じような道で発狂しかけたと言っていた。 
ようやく町の道に出たときは明け方になってたと。 
「狸や狐に化かされるとはあのことだ」と 
帰ってからも怖がっていた。 


化かされた走り屋

332 名前: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 11:21:03 ID:pFevZ/Zl0 

あんまり怖くない話ですが 
嫁ぎ先は結構山で近くに週末になると走り屋が来るスポットがあります 
旦那は走り屋なので結構攻めに行ってるのですが 
数年前夜中に軽く走った後休憩してると山の中で建物の明かりが見えないような所なのに 
ポツンと明かりが灯ってるのが見えて不思議に思って明かりの方向に向かって走ったそうです 

でも何故かいくら走っても明かりが近くならなくて 
諦めて一周してから休憩してた場所に戻ったら 
狸が逃げていくのが見えたそうです 
この時代になって狸にだまされる人間も居るって何だか凄い・・・ 
分かりにくい文でスマソ 


皮ぁ鎌で剥ぐでぇ

348 名前: 里人 2005/06/24(金) 22:40:20 ID:msr/EreH0 

たぬき&狐&野兎。 
暖かくなって野の食べ物が豊富になった今の季節でも 
ものごっつー身近に頻繁に見かけます。自然豊かと言えば聞こえは良いのですが・・・xxx 

激遅レスなんですが>>332,>>338の方々の書き込みを読んで 
去年97歳で亡くなった祖母が50年くらい前に狸にバカされた話を 
思い出したんで書き込ませていただきます。 

その日、村内の墓地がある丘の向こうに有る隣家へ出かけた祖母。 
用事が済んで隣家→村内墓地→実家まで片道徒歩10分の道程の筈が 
延々1時間近く歩いても歩いても中間の墓地が見えてこない。 
ははぁ、これは狸の奴の仕業だな、と思った祖母は大声で 
「くりゃあ!なんしょんならあ!その汚なげな皮ぁ鎌で剥ぐでぇ、 
家の鎌ぁよー研いどるけえ、まちょおれぇよぉ!」 
(訳:こら!何をしてるんだ!その汚い皮を鎌で剥ぐぞ、 
家の鎌はよく研いであるから待ってろよ!) 
・・・と、山中で大声一喝したそうです。 
その甲斐あってか、数歩で見えてきた村の墓地を抜け無事帰宅出来たそうです。 

狸の引き回しには気迫が有効なのか?って言う与多話でしたm(_ _)m 
それにしても古今東西狸の芸って引き回ししか無いのでしょうかね?
 

枯葉の中で眠る

771 :1/2:2007/01/16(火) 19:55:47 ID:TSKnpAIM0
お爺ちゃんのお爺ちゃんの話 

ある日、町に買い物へ出かけた爺ちゃん 
山を越えて町に到着 
無事に用事を済ませ、お土産を色々と買って帰ったそうだ 
帰りも山を越えて行くんだけど、もう日も暮れて 
あたりは真っ暗 
気がつくと、うしろから何かがついてくる 

「キツネだな〜」と思い、無視して帰る爺ちゃん 
気がつくと道に迷っていた 
「??」と思っていると民家発見 
爺ちゃんは民家の戸を叩いた 

ご飯をごちそうしてもらい、お風呂に入ってお布団で眠った 


772 :2/2:2007/01/16(火) 19:57:11 ID:TSKnpAIM0
と、誰かが呼ぶ声がする 
目を覚ますと、爺ちゃんの父ちゃんが提灯を持って立っている 
「お前、何しちょるそか」 
あたりを見渡すと、そこは森の中 
爺ちゃんは枯れ葉でふかふかになった中で眠っていた 

「狐に化かされよったな」そう言われてしょんぼり 
町のお土産はそのままだったので、背負って暗い道をトボトボ帰る 

家に帰ると奥さんが心配そうに「いつまでも帰ってこんから 
お父さんが迎えに行ったそよ」と言う 
気恥ずかしくなり、お土産を押し付けて、眠る事にした 

朝起きると、奥さんが「これなんね?」と石ころを手渡した 
お土産の中から油揚げとお寿司が消えていた 
代わりにコロコロ丸い石が入っていたそうだ 

怖くないけど、昔聞かせてもらってワクワクした話 


昼飯

297 :元登山者 :2007/02/25(日) 17:11:35 ID:PkCGVkeH0
ちょっと短いですが、経験した話です。 

ある日、ふっと山に行きたくなって家を出ました。 
電車に乗って登り慣れた山へ行き、駅前のコンビニで昼食を買ってから登山口から上りました。 
平日の長閑な天気だったので、とても気持ちいい登山でした。 
空腹を覚えたので時計を見ると、昼前。 
「そろそろ、昼飯にするかな。」と思い、近くの岩に腰掛けてザックからコンビニの袋を取り出し、ふと気が付くと曇っています。 
ポツリポツリと雨も降ってきました。「こりゃあ、まずいな。」 
と思い、昼飯の袋をぶら下げたまま雨のしのげる場所を探していると斜面に洞穴が見えました。「よし、あそこだ」と思い、入ると。 
何故か、明るい。それに中の様子が変なのです。 
木のテーブルに丸椅子、カウンター。まるで昔の食堂かラーメン屋のようでした。「へ・・・?」唖然としていると。男性が出てきて 
「いらっしゃい、どうぞ、カウンターへ。」と言うので、「あ、すみません。間違えました。」としどろもどろに外に出ると。 
外はいい天気、「あれ?変だな」そう思い後ろを振り返ると洞穴などなく、ただの岩肌。「ああ、化かされたんかな?」そう思い、ぶら下げたままの昼飯の袋を開くと、買ったはずの稲荷寿司が消えていました。 
「ったく、化かさなくても飯食ってる時にきたらあげるのに。」 
そう愚痴っぽく言って、弁当を食べていると、藪から狐が見ています。 
「こいつかあ。」と思ったのですが、まあいいか、と思い弁当から唐揚をとり、投げてあげると咥えて藪の中へ戻っていきました。 
狐に化かされたのは初めてでした。


狸の仕業

292 :本当にあった怖い名無し:2007/10/18(木) 01:28:34 ID:t0QtDjed0
親戚は戦前から小鳥店をしています。現在生きていれば百歳を超える伯父さんの 
体験した話です。 
伯父さんはよく山にうぐいすなどの野鳥をつかまえに登っていたのですが 
昼間なのにとつぜん夜のように真っ暗になるそうです。 
伯父さんが言うには「たぬきのしわざ」だそうです。 
それがわかっているのでしばらくじっとしていたら、たぬきもあきらめて 
また明るくするのだそうです。 
それで化かされないように短刀を持参していくと、たぬきがわかっているのか 
その日は暗くならないそうです。 
よくこのような動物が化かす話を昭和初期生まれの母がしてくれますが 
本当なんでしょうか? 


松の大木

498 :本当にあった怖い名無し:2007/11/25(日) 13:42:36 ID:V9raZ+Hq0
死んだ祖母さんの子供の頃の話。うちの市には「海人発祥の地」と呼ばれる県下一の漁港があるんだが、祖母さんの親父さんがまびき(サワラ?)の干したものを買って夜松林の中の往還を帰っていたそうだ。しばらくいくと道の真ん中に松の大木が横たわっている。「ははあ、これは狐だな」と思い落ち着いて思いっきり持っていたまびきで大木を叩いたそうだ。その瞬間 
「ぎゃーん」と叫んで逃げていったという話。昔の人は豪気だ。


ずどーーーーん、ずどーーーーーん

951 :本当にあった怖い名無し:2008/02/08(金) 18:45:29 ID:mlzrD3sK0
じゃあ山の話。 
学生時代、登山趣味の歴史の先生が体験した話だそうで。 

一人で登山中、下山の予定時刻が狂い、山中でもう一泊するはめになってしまった。 
そして、目の前にお堂のような建物発見。 
テントはるのも面倒なので、「すみません、一晩おじゃまさせてください」と、中に入ったそうだ。 
そこで、簡単なスナックを食べ、寝袋に入る。 
一応教師だが坊主でもあるので、お経は唱えたそうです。 

夜半、とおくから、ずどーーーーん、ずどーーーーーん、と、恐竜でも近づいてくるかのような音 
で目を覚ましたそう。 
なんだ?と思いつつ、口で念仏を唱えながら恐怖のあまり目を閉じたそうだ。 
その大きな足音は、しばらくお堂のまわりをぐるぐる回っていたが、あきらめたのか、遠のいていったそう。 

翌朝、日が差し込んでからおそるおそる外を見ると・・・ 
狸か狐のような足跡が、お堂のまわりにぐるぐるといっぱいあったそうだ。 
どうやら、化かされていたらしい。 
その先生は卒業してからもう20年近くたつ今でも、「狸や狐には気をつけろよ」と生徒に言い続けている。 


狸の腹鼓?

201 :本当にあった怖い名無し:2009/08/17(月) 02:29:05 ID:myP/dATz0
流れ無視して投下。

昨日、家人が変なことを言っていた。
雑木の山の造成地に我が家があるのだが、明け方太鼓の音が聞こえたんだと。
トテテテン、とか何かメロディーになってたらしい。
うちの隣はフェンスを越えれば山で、反対側の隣家からではなくそちらから聞こえてきたそうだ。
不思議に思った家人がカーテンを開けて目を凝らすと、何だか解らないが、
四つ足の獣が藪の中に消える後姿が見て取れたそうだ。

寝ぼけていたんじゃないの?と笑って聞くと、少し怒って、
年寄りナメンナヨ、既に起きていていたんだと(ry。

じゃあ一体何だったんだろうね?
まさかこれが狸の腹鼓ってヤツだったんだろうか?
ちなみにキツツキ類のドラミングとは明らかに違うという事らしい。


ワンカップの空き瓶

44 :本当にあった怖い名無し:2010/04/07(水) 02:14:05 ID:Le9gZ4dQ0
このスレのまとめを見て思い出した友人の話。
二つか三つ前のスレで白徳利に化けて人を化かす狸の話が出てたが、それに似た話。

数年前のある日、友人がキノコ狩りをしに山道を歩いていると、道に転がっているワンカップの空き瓶を見つけた。
多分、心無い登山者が捨てていった物だろうと少し憤慨しつつ拾おうとすると
如何言う訳か拾おうとする友人の手から逃げる様に空き瓶はころころと転がって行く
転がるのが止まった所で友人が拾おうと手を伸ばすと再び転がり始める空き瓶。

拾おうとすると逃げる空き瓶、止まった所で拾おうとするとまた逃げる空き瓶。

そんな小馬鹿にするような空き瓶の動きに、少し短気な性格の友人は当然の事ながら怒り
おもむろにその場に落ちてた小石を拾って空き瓶へ思いっきり投擲!

ギャン!

空き瓶に小石が当ったと同時に響く何かの悲鳴、
それと共に不意に現れた黒い何かががさがさと茂みの中へと逃げて行くのが見えた。
友人が暫し呆気に取られた後、空き瓶の方へと目を向けると空き瓶は破片一つすら残っていなかった。

多分、あの空き瓶は俺を化かす為に狸か何かが化けた物だろう。
だが、一向に捕まらぬ空き瓶に苛立つ人間を嘲笑おうとした所に石をぶつけらたんじゃ、
流石のヤツも溜まったもんじゃないだろうな。

と、酒の席で友人は笑っていた。


ばあちゃんに聞いた話

99 :本当にあった怖い名無し:2010/04/12(月) 20:25:35 ID:6SJ5fOLW0
私のばあちゃんから聞いた話。

その1
【狐に化かされた】

私の曾ばあちゃん(ばあちゃんの母親)が、友達と一緒に山へ芝刈りに行ったときのこと。
二人でお弁当を持って芝刈りに行って、曾ばあちゃんは「ちょっと山菜採ってくる」と友達に言って、芝刈りをしていた場所から離れた。
お弁当や芝刈りに使う刃物は全てその場に置いていってしまった

「ちょっと行ってくる」だけのはずだった。

しかし、ふと気が付いた。

「オラどうしてこんなとこ来たんだろ?」

見たことのない景色。山の中。
どっちから来て、どっちに行こうとしていたのか、それすらわからない。
手には一応山菜。
ぼーっとしたままこんなところまで歩いてきてしまって、帰り道がわからなくなった。
仕方がないので川を頼りに山を降りたら、村から2〜3キロ離れた場所に出た。
そんなはずはなかった。知らないうちに2〜3キロも歩いたなんて。
とにかく友達が心配しているだろうからと急いで歩いて戻って事なきを得たという。
友達は「もう、どこに行ったんだろうって心配したよ。あんた狐に化かされたんだよ。
あっちのほうの山へ行くと狐に化かされるってみんな言ってるんだから」と言ったそうだ。

他にも、ある峠には狐が出るって有名で、油揚げを持って歩いてるとかなりの確率で化かされて、
油揚げを全部盗まれてしまう、なんて話もあった。
実際盗まれた人がいたそうだ。


100 :本当にあった怖い名無し:2010/04/12(月) 20:34:14 ID:6SJ5fOLW0
その2
【狸に化かされた】

近所のおじいさんが山へ杉の葉拾いに行った(杉の葉は薪になる)
拾った杉の葉を縄でくくっていると、若い女が一人、山から降りてきた。
毒消し売りの格好をしていた。
(毒消し売りとは『薬売り』のことで、『毒』とは『腹痛』のこと。つまり漢方みたいなものを売っている人。…らしい)

しかし、いくら毒消し売りといっても格好が古臭い。まるで江戸時代のような格好だ。
なんだろうこの女、と思いつつおじいさんは作業していた。
そして、ふと気が付くと、女は遥か向こうを歩いていた。
おかしい。自分の近くを通り過ぎたはずなのに全く気づかなかった。
それにほんの少し目を離した隙にあんなに遠くに行けるわけがない。
おじいさんは気味の悪さを感じ、杉の葉を担いで山をおりた。

すると、帰り道になんとあの女がいたのだ。
石に腰掛けてあたりを見回している。その動きもなんだかおかしい。
動物がサッサッと素早く首を動かしているような、そんな不自然な動き。

(あぁ、多分こいつは人間じゃないな)

おじいさんは直感的にそう思った
小走りでその女の前を通り過ぎ、しばらく行ったところで女を待ち伏せた。
本当に毒消し売りなら、人が住んでいる場所に来るはずだ。
しかし、いつまで待っても女はやって来なかった。

他にも、『川に魚がいっぱいいる!』と言って川でばしゃばしゃやってるおじいさんがいたり(実際は川には何もいなかった)、
木に抱きついて眠っているおっさんがいたり(女だと思って抱きついていたらしい)、とにかく不思議なことが何度かあった。
ちなみにこの人たちは決して酔っ払ってたわけではない。

数年後、熊を捕獲するための罠にバカでかい狸がかかった。本当に熊と間違えるほど巨大で、体毛はほとんど真っ白の古狸。
その狸がいなくなってから、不思議な出来事はあまり起こらなくなったという。


七代祟る

565 :本当にあった怖い名無し:2012/03/08(木) 14:19:53.13 ID:XjGSj/a5O
ちょっと昔話してみる
実話な
家の曾祖父の話だ
じいちゃんは冬はマタギだった。ウサギ、雉、猪、タヌキを撃ってた。
ある冬、タヌキの親子を追い詰め銃をかまえた。
親タヌキは子供の前に立ち塞がり子供だけは助けてほしいと哀願する目をしてたらしい。
しかしじいちゃんは親子とも撃って家に持って帰った。
家族で美味しく食べたらしい。で、無くなる前に入院してたんだが夜中になると四つん這いで病室を徘徊しだした。
他の患者に迷惑かかるから個室に代えてもらい天寿を全うした。
つづく

567 :本当にあった怖い名無し:2012/03/08(木) 14:32:46.31 ID:XjGSj/a5O
葬式も終わり親戚が帰る途中何気にじいちゃんの墓を見ると紅い二ツの目のようなものがあるのを確認した。
怖くなり同乗の婆ちゃんに報告したら暫く考えて兄弟に後日連絡した。
兄弟会議で霊能者にみてもらうとタヌキの霊がついてて家族を七代呪うと言ったらしい。
霊能者の言ってる事は殆ど当たりらしく婆ちゃん達は大慌てだったみたい。
因みにおいらは曾祖父から数えて四代目…
40過ぎてひとりもん…
山で殺生はやるまいと固く誓ったのだった。

終わり


必死の警告

115 本当にあった怖い名無し : 2013/03/06(水) 23:26:39.13 ID:srBYXK+90
仕事中に体験した話です。

仕事は列車の運転士をしています。
その日は大雨の中、最終列車の乗務をしていて駅に停車中でした。

やがて出発時刻となり、信号が青に変わった瞬間信号が消灯してしまいました。
おいおいこのタイミングで球切れかよと思いながら、無線で指令に連絡しました。
こういう場合、赤信号とみなすという決まりなのでしばらくその駅で足止めになりました。

指令から指導通信式(赤信号で列車を出発させるやり方)で列車を出す準備をすると言われましたが、
お客さんが2人とも家族に迎えに来てもらうと告げに来たのでその方法は取らず復旧まで待つことになりました。

1時間後信号は復旧し回送として終点を目指し運転を再開しました。
原因は信号ケーブルを動物に噛まれたからでした。おそらく狸と思われます。

しばらく走り峠の急勾配を登りきったところで駅の灯りが見えてきたのと同時に、
ホームに人影がみえました。まさか、最終に乗ろうとしてた客だろうかと思いましたが、
この駅から最終に乗る人なんていまだ見たことがありません。

だんだんホームに近づくと、その人影は線路に身を投げました。
言葉も出ず非常ブレーキを掛けただひたすら止まるのを願いました。
ホームを少しハミ出たところで列車は停止しました。
完全に轢いてしまったと思いましたが、衝撃が全くありませんでした。

台車回りを確認していると3匹の動物(たぶん狸)が線路と台車との隙間から出てきて走り去って行きました。
その姿を目で追っているとヘッドライトに照らされた進行方向の線路が少々歪んでいるのが見えました。
ん?と思い近づいてみると、バラストと枕木が流出していました。大雨で山からの水に耐えきれなかったのだろうと思います。

もしあのまま走っていたら確実に脱線していたことでしょう。
もしかしたら狸がなんとかして列車を止めようとしてくれたんじゃないかと思っています。

ちなみに人影はもわーとした感じで背格好は人間って感じです。


(コメント)

人間がキツネやタヌキに騙されるのは民話や昔話ではよくあることですが、これらは昔の人の作り話ではなく、人間が宇宙に行き、自家用車が走り回る科学の世になっても起きる、本当の話のようです。2chに書き込まれる話は全体の一部なのでしょうが、実際に化かされた人はかなり多いのではないでしょうか。登山ナイフや鉈などの刃物を持っていれば化かされないとか、食べ物を置いておくとその場から逃れられるだとか、いろいろ言い伝えはありますが、実際はどうなんでしょうか。もし山に入って狐狸の類に化かされたと思ったら、「皮ぁ鎌で剥ぐでぇ」と叫んでみても面白いかもしれませんね。狐の嫁入りは間近で見ると怖そうですが、遠くからなら見てみたい気もします。さぞや神秘的な光景なんでしょうね。


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