鬼・天狗・不思議な山の住人・トトロ


黒い人

939 名前:雷鳥一号 投稿日:03/11/26 00:26
知り合いの話。

十年以上も昔のことだそうだ。
消防団員の彼は、行方不明者の捜索で秋口の山に入っていた。
四人一組で捜していたのだが、彼のチームが遺体を発見した。
発見したことを伝えるのと、担架の手配をするため、二人が麓の指揮所に戻った。
彼は残りの一人と一緒に、遺体の傍で番をする方に回った。

日が暮れて暗くなってきた時、目前の林から人に似た何かが姿を現した。
大きな身体に粗末な衣類をまとい、大きく開いた口元からは歯が覗いていた。
その肌は、頭の天辺から足の先まで真っ黒だった。
それは彼らを見つめると、その死体を譲ってくれないかと尋ねた。
駄目だと答えると、二人を見つめて何かしら考えているようだった。
思わず二人とも、護身用に持っていた鎌を握りしめたという。

それはしばらく考えて諦めたのか、残念だなあと言って山に戻っていった。
立っていた場所には、よだれが大量にこぼれて光っていたそうだ。


白い人達

254 名前: コピペ1/2 04/01/28 04:56

私の知人に、山田(仮名)という、マタギと言うか、猟師の男がいた。
専業の猟師ではなくて、本業を別に持っている、季節限定猟師だ。
私と彼は仕事を通じて知り合ったのだが、身元が割れると嫌なので、私の職業と彼の本業は伏せる。
地名も伏せる。

何年も前の冬、山田が連絡をよこした。
当時山田の山(彼の持ち山ではなくて、猟をする山)に、スキー場を作る話があって、山田は環境保護団体と一緒に、建設反対運動をやっていた。
その運動に協力してほしいと言う。
既に山の北側に、スキー場を視野に入れた県道が走っていたし、今さらどうこう言っても仕方ないような話だったのだけれど、仕事に絡みそうな話でもあったので、土日を使って山田のところに行った。
土曜日は山田の家に一泊して、一通り運動の説明を聞き、翌日予定地を見に行く事になった。


255 名前: コピペ2/2 04/01/28 04:58

翌朝はスキーを履いて出た。
山田と二人で予定地を見、写真撮影をした。
午後には山を降りる予定だったのだが、帰る前にいいものを見せてやると言われて、山田についてスキー場から少し外れた斜面に出た。
山田は、ザックの中からパンツとかシャツを出して、持ってきたソリ(?)に縛り付けて、斜面を滑らせた。
ソリはかなり滑ってから止まって、上から見るとかなり小さくなっていた。
しばらく下に行ったソリを見ていると、どこからか小学生くらいの背の高さをした、白い人(?)がソリの周りに集まってきた。
動物かと思ったけれど、どう見ても二本足で歩いていた。
そいつらは、数が集まるとダンゴ状に固まってソリにたかっていた。
「スキー場作ったら、あいつらみんな食われるぞ」
山田はそう言っていた。
怪奇現象かと思ったが、なにせ真っ昼間のことだから、ただ呆然と見ていた。
山は、違うんだなと思った。

その後は、別に何事も無く山田の家に戻った。
当時の私は、仕事も油の乗っていた時期だったので、ややショックもあり、よくわからない事にかかわるのは止めた。
結局スキー場は出来てしまったし、化け物が出たと言う話も聞かない。
それから疎遠になってしまったので、今は年賀状以外で、山田との連絡は無い。
今思えば、ファンタジーな世界に入れるチャンスだったのかもしれない。


三メートルで全裸の女

600 名前: 亀吉 04/04/16 19:35 ID:s7vf9e+q

昭和四十年代に書かれた古本のネタだけど。大正八年頃夕張炭坑であった話。
仕事帰りの工夫が川で洗顔をしてたら茂みから身長三メートルの全裸の女数名が
その工夫を山に引きずりこもうと襲いかかってきた。工夫の悲鳴を聞いた仲間たちが
ツルハシなどを必死で振り回すと、その何者かは諦めたのかヒィー、ヒィーと妙な
泣き声をしながら山に帰っていったという。これ一体なんだろ。山人伝説とあったが。
書かれてる本が確か山の風物、民俗誌的なやや固めだったからとても嘘とは。


鬼のツノ

112 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/05/17 22:12 ID:kbcifIWC

今はもう廃村になってしまった小さな集落の話。
当時はまだ火葬は山で野火送りで行われていました。村で強欲、残虐、非常識
で有名だった独り者のばあさんが亡くなった時に、祖父や村の人らが火葬場
でそのばあさんの死体を燃やしていたそうです。

薪を積み上げ、その上に死体を乗せ、上にムシロをかけて死体を燃やしてい
ると、ばあさんの頭の部分のムシロがゆっくりと持ち上がっていく。気味悪く思
いながら見ていると、ムシロが崩れて黒くこげたばあさんの頭があらわに。
そこには二本のツノが生えていたそうです。

爺さんたちは坊さんを呼んできて、燃やしている間はずっと念仏
を唱えてもらって、朝までかかって骨も原型をろくに残さないくらいまでに
燃やし尽くしたとのこと。
「あのばあさんは○○の家のもんやったが、あんまし酷いことばっか
しとったから、ほんまもんの鬼になってまったんやろな。
わしらみんなあの婆さんは鬼じゃと言うとったが、
まさかほんまもんの鬼やとは思いもよらなんださ」

年に1、2回、離村した集落のみんなが集まって飲んだりするたびにそんな話を
爺さんや、ばあさん達から聞きました。
そういった集まりのときに聞いた話がいくつかあるので、
また書き込みまつ。


類人猿型未確認生物

215:06/24(火) 03:56 c2j+rLJt0 
enigmaスレに投稿したが、本来はこっちのスレに投稿すべきだったかも。 
ゴメン。今更ながら投下。 

俺は小学生の時に未確認生物を見た。 
それはいわゆる獣人(野人?)だった。類人猿型未確認生物だった。 

小学5年生の頃、校庭でクラスメイトと遊んでいた時に、その中の一人が「何だよ、あれ?」 
と言って、学校のすぐ近くにある山の斜面を指差した。 
(山の斜面は、あまり木が生えていなくて、地面や岩がむき出しだった。斜面の両側は森。) 
山の斜面を、全身を茶色の毛に覆われた野人がノシノシと二足歩行で横切って行く。 

俺たちは(クラスメイト約10人)は、ポカーン。 
その様子を見て周りの生徒たちも異常に気づく。 
野人を見て生徒たちは「何だ、アレ?」と言い合っている。 
校庭はちょっとしたパニック。 

そうしている間に野人は、山の斜面を横切って森の中に消えていった。 
野人の大きさは、比較対象になるものがなかったので、分からない。 
まさか着ぐるみを着た人がいたずらをしていた訳でもあるまい。そんな暇人いるか? 
直立二足歩行をしていたので、猿のたぐいの見間違えではないと思う。 
周りの人間も見ていたので、俺一人の幻覚でもないだろう。 

その山は天狗が出るとかユーレイが出るとか言われていた山だから、そんな変な生き物がいても違和感はない。ヒバゴンやヤマゴンなんていうのも居たけど、その類だろうな。 


顔のデカイ人間

308:06/26(火) 12:55 1FrmPzYRO [sage] 
保守がてら投下。怖くないけど 

自衛隊には、山での訓練が年に何度もあります。 
大きな演習場は大抵山麓にあり、結構深い森に囲まれています。 
某地方の演習場で先輩の隊員が体験した話。 
その夜、A士長は、敵から離れた場所にある、指揮所の警戒に立っていたそうです。 

普段はそのような場所にたつと大体暇か眠いだけでおわるのですが、その日は思わぬ不審者にでくわしました。 

木と木の間から、何者かが覗いていたのです。 
まっすぐにこちらを見ている顔は、人間のものでした。 
ただ、髪の毛のないその頭のサイズは、体の3分の1ほどもあったと言います。 
明らかに敵役部隊の人間でも、味方でもありません。 
しかしながら、警戒に立っている以上は不審者を放置出来ません(先輩すげぇwww)ので、銃を構えてA士長は誰何(問い質す事です)したそうです。 

「誰か」(誰だ、の意味) 
しかし答なく、その大きな顔は、じっとこちらを見ています。 
もう一度、誰何するもやはり「それ」は答えませんでした。(もしかしたら、「だれか」の意味が分からなかったのかもしれませんがwww) 

しばらく相対したあと、彼は人間と思えない早さで走りさっていったそうです。 

初めての投下で、携帯からつまらない乱文すみません。 
私個人は、戦車隊員のフリチンを拝みかけたことくらいしか恐怖?体験がないのですが、いくつか先輩から聞いたものから投下いたしました。 


天狗?

435:エニグマスレからコピペ 07/08(日) 14:55 pupdbwyr0 [sage] 
幼い頃に天狗らしきものに遭遇した事がある。天狗か知らんけど。 
当時、鎌倉に住んでて、当時の鎌倉はだいーぶ未開発の田舎風味だったんだ。それで家すぐ近くにデッカイ山があって、そこに入り込んでドングリを良く集めて遊んでた。で、ある日いつも通り友達とドングリ集めしてて、んでドングリを追ってひたすら拾い歩いてたら友達と逸れて、正しい道からも逸れちゃって、ガチで遭難した。 

それでその辺りが暗くなって、誰の声も聞こえないし見えない。月明かり程度しか無いしね。足元は不安定だから、幼心に滑り落ちたら死ぬって核心があった。それでビニール袋一杯のドングリ抱えて、ワンワンとうずくまって、ずっと泣いてたんだ。 

そしたら、目の前に誰かが立った。すげえデカイ脚。それだけは判った。あとはナンも判らん。今思うと、男の脚だってぐらいか。ごつかったし。で、何も言わないから、親に言われた迷子の作法として、自分の名前を言って、迷子になった。と言った。それでも向こうは黙ってる。おうちに帰りたい。集めたドングリをあげるから、一緒に来てくれませんか?ぐらいは言ったと思う。 

こっからが本当に俺の記憶が正しいのか、今思うと不思議なんだが、俺の前の人は、「む」だか、「ん」だか判らないが少し唸って俺からビニール袋を受け取った。すると、ひょいと馬鹿でかい手に尻を掬われた。猫を片手で抱く感じか。そんな調子。当時四歳児とはいえ、尻を鷲掴みにする手だぜ?恐ろしくデカイ。 

それで、感触として、父親の肩車よりずっと高い位置に移動するのを感じたら、一回それが下がって急にまた上がった。気が付いたら眼下に鎌倉全景が見えた。驚いたけど、俺の家は駅の近くにあったから、駅の方をみて、あっち。とか言った。するとまた、天狗?は唸った。で、木々の上を跳ねてるのか飛んでるのか判らない様な感じであっという間に山の入り口あたり。街頭が見えた。 そこで下ろされて、ありがとうを言おうと思って頭を下げて上げたら、もう何もいなかった。家に帰ると警察は来てるわ親は泣いてるわで大騒ぎ。 

その後、俺は山への出入りを禁止されたんだけど、しばらくはこっそり山に入って、お菓子とかを目印になりやすい木の所にお供え?してた。 まあ、そんな変な話。悪文すまん。 


トトロ @

178:06/17(火) 22:25 h5m9tf1c0 [sage] 
友人が小学生の頃の話。 

耳がなくて少し痩せたトトロみたいなものに出会った事がある。 
でかい図体に似合わず可愛い顔をしてて、俺を見ながらキュウって鳴いた。 
興奮して近づく俺にビビりもせず、むしろ向こうも俺に近づいてくる。 
嬉しくなってちょっと触れてみたら、ふわふわしてた。 
「お前可愛いなあ」って声に出して言ったら、突然そいつがジッ!って怒ったような声を出した。 
吃驚して手を引っ込めたんだけど、何か様子がおかしい。 
よく見てみるとそいつは俺の後ろの方をじっと見てる。 
なんだ?と思って振り返ってみると、同じようなトトロがそこに居た。 
でもそいつはぜんぜん可愛くない。 
歯をむき出して、物凄い形相でこっちを睨みながら唸ってる。 
可愛い方のトトロが一歩前に進むと、怖い方も一歩出てきて、今にも飛び掛りそうな雰囲気。 
喧嘩はやめてえとか言えるわけもなく俺はただ震えてた。 
二匹がぶつかったのは一瞬で、あっと思った時には二匹ともギイギイ言いながら地面をごろごろしてた。 
怖くなって逃げ出したからあの後トトロがどうなったのか分からない。 


熊じゃないの?と聞いてみたら 
「でも図鑑に載ってなかったし…熊より可愛かったし」と言ってました。 
何だったんでしょう?(´・ω・`)


ドテチン

395:元登山者 07/20(日) 14:36 mVwWsgpt0 
友人から聞いた話です。 
私が子供の頃、その友人と山に虫取りに行き 
友人が迷子になったことがありました。 

私の地元の山は熊が出ることがあり、危険なのでスグに大人達に 
知らせに行き山狩りが始まりました。 
私が留守番役の大人と一緒に集会所で待っていると 
「ドンドン、ドンドン」 
と、集会所の戸を叩く音がしました。 
一緒に待っていた大人が戸を開けると、友人が立っていました。 
「どうした?一人で帰って来たのか?怪我は無いか?」 
と矢継ぎ早に質問をする大人に「うん、うん」と友人は返事をして 
「みんなを呼んでくるから、お前達、ここでじっとして待っとけ。」 
そういって、出て行きました。 
「どうしたんだよ?どうやって帰ってきたんだよ?」 
私が質問すると、友人は 
「靴紐結んでる間にお前がいなくなってさあ、怖くて怖くて 
 泣いてたんだ。そしたら、ドテチンみたいなおっさんが出てきて 
 集会所の裏口まで連れて来てくれたんだよ。」 
彼は帰って来た大人達にも同じ話をしていました。 
「嘘つけ!」と怒られるかと思いましたが、大人達は 
「ああ、なるほどなあ」「やっぱりなあ、お礼にお供え持っていくか」 
とそんなことを話していました。 

あれから、20年近くたちました。 
友人はあの時のことを今でもはっきりと覚えてるそうです。 
しかし、ドテチンみたいなおっさんの正体とかは聞いても分かりません 


トトロ A

610 名前:本当にあった怖い名無し[sage] :04/08/12 11:50 ID:/zNH77OT
田舎育ちの友達が小学生の時の不思議な話を教えてくれた。

夏に山で遊んでるうちに迷った上、すごい雷雨になってしまった。
泣きながら耳ふさいで歩き回ってたら
(動いたほうが雷落ちないと思ってたらしい)少し広い場所に出た。
幾つか切り株があって、切った木をまとめてあったりして、
誰かここで仕事してたのかな、と思ったと同時に光と雷。
近い!と思ってまた耳をふさいで歩き出そうとしたら、
毛が生えたでっかい何かに両腕を掴まれて何mか、どかされた。
その途端に森の中を雷が走った。
自分が居た場所を通って横にビャーッと光が走り抜けてった。
呆然としてると、毛が生えた何かが頭をグシャグシャ撫で回して
「雷怖いな、あと少ししたら帰れ、座って休んでいっていいから」
という意味のことを言った。
ハッとして見上げたら、誰もいなかった。

雨はすぐに弱くなり、友達は切り株で少し休んでから帰った。
感じとしては熊みたいな大きさで、どかされた時はひょい、と宙に浮いたんだと。
高校生になって、となりのトトロを見たときは、アレだ!と思ったそう。
話しかけてくれたのは、日本語だったかどうか、声はどんなだったか、どうしても思い出せないって。


山の人

699 名前:山んぼ[sage] :04/08/17 18:21 ID:PfWHy4oS
祖父から聞いた祖父の叔父にあたる人の話。
(祖父はこの話を自分の父親から聞かされたとのこと)
小さい頃の叔父(祖父のネ)は、山で遊んでるといつのまにか姿をくらませてしまうことがよくあった子であったそう。
村人総出でいくら捜しても見つからないのだが3日位すると
ひょっこり家に帰ってくるという。聞くと楽しそうに
「山のおっちゃん達の所にいた」といたって元気そう。
それは大きくなってからもしょっ中のことで、どんなところで、どういうことをしてきているのか家人が尋ねても「山の人」たちとの約束で言える事と言えない事があるそうで、すべてを語ることはなかったという。
それでも普通の人が聞けば不思議な話ばかりだったという。
どうやって行っているかというとある大木のまわりを「山の人」の後ろについて、一周していると突然「山の人」たちの居住している世界へ入っているとのこと。30歳位の時
「わしは36歳の〇月〇日に死ぬ、でもそれは他の人達の死と違うてお山の親方んとこへ修行に入るんじゃから悲しまんでもエエ」
といい事実その歳のその日に静かに息をひきとったそう。


仙人

155 名前:右手  ◆lemRS1HFjw [sage] :04/09/27 13:32:40 ID:RM9Djmie
都会を引き払い、山村に住んでおる友人にひさびさにあった。
バリバリの営業マンだった彼は今、昼は畑仕事をし、夜暗くなる頃には寝る。
そんな暮らしをしている。
随分と変わったなぁとしみじみ話してると、いやぁ仙人には適わないぜと言う。
仙人というのは村の外れにある小山に引き篭もってる人で、時折薬草や山菜などを売りに降りてくる以外、
接触を避けている人だという。
友人は、俺こないだ仙人が狸と話してるのみちゃったと言う。
しかも仙人が話してると、俺にも狸が何言ってるかわかっちゃった、と。
何言ってたんだと聞くと、人間は本当にこわいねえ、俺の親父の皮目当てで狩りに来る。
とかそんなことをぼやいてたと言う。
仙人も人間なんじゃ?と聞いたら、いんや、仙人は仙人だろう、人の格好をした別もんだとおもうな、と。
どうも友人は何か悟ってしまったようだ。
そう思った。


山の二人

125 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/02/13 10:36:52 ID:OOscnUVU0
先日、地元の渓流釣の解禁を受けて山奥へと岩魚を狙いに出掛けた。
一晩は山の中で過ごす積もりで、それなりの装備を持って昼から出掛け、
その日の夕方から釣り出した。
自分の秘密の場所なので他に釣り人も居らず、天子を五匹、岩魚を四匹釣って
川原の岩陰にツェルトを張って、飯を炊いて魚を焼き、
骨酒を作って飲んだりしながら過ごしていたら、
木々の間から人の話し声が聞こえてきた。


126 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/02/13 10:39:11 ID:OOscnUVU0
もう辺りは真っ暗だったので、「こんな時間に上ってくるなんて珍しいな」と思い
話し声がする方を見ていると、男と女がこちらに向かってくるのが見えた。
近づいてくる彼らを見ていたら、明らかに普通の人間じゃない。
男は髭だらけの顔で、目が深く落ち窪んでいる。まるで原人のような風貌だ。
女は切れ長な目のキツそうな美人だが、まだ幼さを残している。
そして、何よりも奇天烈なのが服装だ。
男は襤褸切れのような布を何枚も巻き付けているだけ。
女は薄桃色の着物なのだが、だらしなく肌蹴ている。


127 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/02/13 10:41:02 ID:OOscnUVU0
その場所は相当な山奥で、林道の執着点から川沿いに何キロも登ってきた所。
雪もかなり深く、この時期に入り込むのは俺のような酔狂な釣り人くらいのモノだ。
俺はあまりの異様な事態に、呆然と彼らが近づいてくるのを見ていた。
彼らは俺のいる川原の対岸に降りてくると、男の方が「今晩は。」と挨拶をしてきた。
異様な風体からは想像も付かない普通の挨拶に、
「アア、コンバンハ」とすっ呆けた声で応じてしまう俺。
彼は「寒いですなあ。火に当たらせてもらえんですか」と普通の声で言う。
俺は「ああ、どうぞ・・・。」と答え、彼らが川を渡ってくるのを呆然と見ていた。
男は女を抱き抱え、3メートルほどの川を一飛びにこちらへ渡り、俺の対面に座った。
すると、女が男から降りていきなり俺の膝に乗ってきた。
俺は驚いたが、男は何も言わないし、もういったい何が起こっているのか
理解の範疇を越え過ぎていて訳が分からず一言も発せられなかった。


128 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/02/13 10:42:34 ID:OOscnUVU0
彼女は俺の膝の上で火に当たりながら、俺の手を握って来た。
女は意外なほど軽く、手は冷たく、体は冷え切っていた。
黒々とした髪からは若葉のような香りがし、銀細工のような飾りが一つ有った。
男が何処から出したか竹筒の水筒を口に運び、何かを飲んでいる。
俺もまた、先程作った岩魚の骨酒を飲もうかと片手を女の手から離して茶碗を掴んだ。
酒を一気に飲み干し、中の岩魚をもう一度火にくべて焼き始めると
女の腹がぐうと鳴るのが聞こえた。
「腹が空いてるのかい?」と聞くとこくんと頷いたので、先程釣った魚の残りを焼き、
炊いておいた飯を出して盛り付け、沸かした湯で出汁入り味噌を溶いて味噌汁を作り、
女に出してやった。男が「スマンですなあ。」と言うので「あなたもどうぞ」と男にも渡す。
二人はがっつく事もなく、むしゃむしゃと飯を食っている。


129 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/02/13 10:45:05 ID:OOscnUVU0
その光景を見ていたら思考回路が戻ってきたので、俺は男に「貴方達は何者ですか?」
とストレートに尋ねてみた。
男は、「ワシはごろう、其れ(女)はきりょう。これから奥羽のおじきの所へ向かう所ですわ。」と答える。
「ハアぁ・・・。」俺は聞きたいのはそんな事じゃないんだが、と思ったが言えなかった。
飯も食い終わり、しばらくすると女は軽い寝息を立てて寝入ってしまった。
男も雪の上にゴロンと横になり、また竹水筒を口に運んでいる。
俺もかなり酒を飲んで眠くなってきたので、
マットの上で女を抱いたままシュラフに潜り込んで寝てしまった。


130 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:05/02/13 10:46:20 ID:OOscnUVU0
翌朝、寒さで目が覚めると俺は一人でツェルトの中でシュラフに包っていた。
ハッと飛び起きジッパーを空け外を見ると誰もいない。
「なんだ、夢だったのか・・・?」と思いつつツェルトから這い出したら、
昨夜座っていたマットの上に銀細工の髪飾りと竹水筒が二つ置いてある。
髪飾りを手に取り「夢じゃなかったのか・・・?」と思いつつ竹水筒を開け、
一口含んでみると、爽やかな笹の香りのする酒だった。


オッチャンに聞いた話

936 :1/2:2007/01/29(月) 14:04:52 ID:ZBiaSGK90
>>920の体験を聞いて思い出した話 
これは知り合いのオッチャンに聞いた話 

オッチャンと父は若い頃よく登山したそうだ 
オッチャンはその後太ったり、仕事が忙しくなってだんだん山と疎遠になった 

そんなある日、オッチャンは結婚をする事になった 
そこで独身最後の登山をしようと思い立った 
オッチャンは以前よく行った、初心者向けの山を選んだ 
さすがに中〜上級者向けは、体力の衰えた自分には厳しいと思ったそうだ 
単独で一泊する予定でテントや寝袋を持ち、ヒィヒィ喘ぎながらの登山となった
その内、ペースを掴んでオッチャンは周りの風景を楽しむ余裕が出て来た 
自然の美しさをしみじみと噛み締めながら「彼女にも見せてやりたいなあ」 
「子供が出来たら、連れて来てやりたいなあ」「でもちょっと痩せないとなあ」 
なんて思っていたそうだ 
そしてなんとか目的地に到着し、テントを設営、1人食事を作って食べて寝た 

937 :2/2:2007/01/29(月) 14:05:30 ID:ZBiaSGK90
夜中に尿意で目が覚めた。懐中電灯を持って外に出る 
外は満天の星空で、月明かりもあったのでライトは付けなかった 
「星が奇麗だなー」オッチャンは空を見上げながら、トイレを済ませた 
と、テントの後ろの薮からガサガサと音がする 
動物だな、と思って気にしなかった 
が、音はだんだん近づいてくる。薮の揺れも激しくなる 

「なんだあ?」オッチャンはライトを付けて、薮を照らした 
その瞬間、目のつり上がった黒っぽい肌をした顔と目が合った 
顔だけが、薮からニュっと出ていたらしい 
オッチャンはびっくりして、ライトを消した 

「猿か?猿にしては大きかった様な気もするが。 
 人?それにしては夜中にライトも付けず薮こぎとは・・・」 

オッチャンはもう一度ライトを付けて、その場を照らした 
もうそこには誰も居なかった 
ただ、ガサガサと薮を漕いで行く音だけが聞こえていたそうだ


大男

93 :元登山者 :2007/02/12(月) 00:47:29 ID:Q8e1eCiw0
思い出した話があるので書き込みます。 

山友達から聞いた話です。 
彼は花粉症なのですが、山が好きでよく登っていました。 
ある、春の山に登ったとき、天気もよく夜になっても症状が治まらなかったので眠れなかったそうです。 
仕方なく、寝酒を飲みつつ焚き火にあたっていました。 
ヘックション!と何度目かのクシャミをすると、近くの茂みから野太い笑い声がしました。 
何者?と思い刃物を持って身構えると、茂みからは2メートルはあるかと言う様な大男がでてきました。しかも、マタギのような毛皮を着てボサボサの頭、まるで野人のようだったそうです。その男は 
「まあまあ、そう身構えんさんな。」と方言の訛りで言うと、「あんた、花粉症か?」と聞いてきたのです。友人はビビリながら 
「そうです。」と言うと男は「よかったら、この竹酒とあんたの酒を交換せんか?この酒は万病に効くぞ。」と言ったそうです。 
友人は酒好きだったので、万病に効くと言う事より「竹酒」と言うのに惹かれて交換し、その夜は大男と飲んでたそうです。 
色々なことを聞き、その大男は普通の人間ではないと言うことや、更に山奥に彼らのような人間の住む村があることなどを聞いたそうです。 ちなみに、その友人は今でこそ登山はしませんが、竹酒のお陰かどうかわかりませんが、それ以来、花粉症の症状は出ないそうです。 


休んでいた理由

443 :元登山者 :2007/03/11(日) 18:21:07 (p)ID:p/o9vpbt0(2) 
聞いた話です。 

田舎の友人に聞いた話です。 
私の田舎は山に囲まれていて、本当に山里と言った感じのところです。 
子供の頃の遊び場は専ら山の中で、よく一緒に遊んだ友人の話。 
まだ、小学生の頃、その友人が一週間以上休んだことがありました。 
風邪の流行る季節でもなく、先生も欠席の理由について何も言わず、不思議だなと思った記憶があります。 
しばらくして、久しぶりに登校してきた友人は丸坊主で別人のようになっていたのです。 
その友人と私は帰り道が一緒の方向なので、帰り道に休んでいた理由を聞くことにしました。その日の帰り道、「一緒に帰ろうで。」と声をかけて帰りの道々に「なんで休んでたん?風邪?」と聞くと、友人は「まあね」とか「色々あって」と言いたくなさそうでしたが、そのうち「まあ、あまりいい話じゃないんだけどさ」と言いながら話してくれました。 


444 :元登山者 :2007/03/11(日) 18:55:20 (p)ID:p/o9vpbt0(2) 
続きです。 

「こないだの休みの時なんだけどさ・・」 
と友人が話した内容はこんな感じの内容でした。 
前の休みの時、暇だったので遊びに行こうと周りに声をかけたけどみんな用事や出かけていたりで、結局、一人で山に遊びに行ったそうです。 
その頃、「煙の実」と言う殻を剥いて息を吹きかけると煙が出る木の実を集めるのが私たちの間で流行っていて、その実を探しに行ったそうです。 
山道から少し外れた所を下を向いて歩いていると、いつもとは違う山道を見つけたそうです。「どこに行ってるんだろう?」と思い、その道を歩いて行くと、ちょっとした畑に出たそうです。畑といっても雑草がボウボウで、誰かが手入れしているようには見えなかったそうです。 
「何が植えてあるんだろう?」と思い、近寄ろうとすると、向かい側の藪からデカイ人が出てきて、友人を見て「どこのガキじゃ!食っちまうぞ!」 
と怒鳴られ、怖くなって大急ぎで逃げ帰ったそうです。 
帰ってから、家族にその話をすると、いきなりお祖父さんに引っ叩かれ、神社に連れて行かれて坊主にされ、灰塩とお神酒を掛けられたそうです。 
何がなんだか分からない友人にお祖父さんは「お前は入っちゃいけない所に行ったんだ。もしかしたら、攫いに来るかもしれん。しばらく家から出るな。」と言われ、学校も休んでたそうです。 
その後、私も山には人が入ってはいけない場所があると言うのを初めて聞きました。 
皆様も山に登る際は気をつけてください。 

駄文ですみません。




141 :本当にあった怖い名無し:2008/01/04(金) 23:13:25 ID:dCD+b4gM0
俺の餓鬼の時の体験 
俺の住んでいるとこは県庁所在地だったが。親父の実家が同じ県のド田舎で 
山の中だったんだ。冬休みになると正月を過ごすためにそこに連れられて行くのだが、 
其の当時はTVの入りも悪く正直行きたくなかった面もあったんだ。 
其の年もいつものごとく連れて行かれたんだが、従兄弟らがまだ来ておらず 
暇でしょうがなかった。ですることも無いので、裏の庭で一人遊んでいると 
突然ガサガサと音がする。そちらを見ると、どう見ても「鬼」としか見えない 
の者が、藪の向こうからこっちを見ている。背の高さはあまり高くないが 
角が一本はえていて、筋骨逞しい様子はまさに絵本の中に居る鬼だった。 
餓鬼だった俺は大声で悲鳴を上げると、爺さんが家の中から走って出てきた 
それで爺さんの方に走って行ったが、其の時の爺さんの表情から考えるに 
まず、爺さんも見ていたものと思われる。で其のあと直ぐに檀家だったお寺に相談に行き 
和尚さんを連れてくると。現場を見てもらったが「これは自分の手に負えないので、 
本山に頼むしかない」と言って本山から徳の高い僧を呼んでくれた。 
其の日の内に来てくれた高僧は一生懸命祈祷をしてくれ、その後説明をしてくれた。 
「どうした訳か分からないが、常世との境目が一部崩れ鬼がこっちに出てきてしまったようだ。 
さっきの祈祷で恐らく穴はふさいだと思うが.....」と言うことであった。幸いその後 
は「鬼」は出ていないが........。 


〇〇か?

104 :本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 16:50:22 ID:lTG3rCYD0
山麓生活中の俺が話しますよ。 

家の周りの山の中には、祠や社殿が結構ある。 
大抵は道沿いにあるが、たまに人目の付かない薮の奥にあったりする。 
俺も全部は把握していないので、今でも散歩中に新しいものを見つけたり。 
半年程前にも、小さな社を見つけた。 
その社は、山の斜面にクネクネ続く舗装された車道沿いにあって、車で走って 
いると見つける事は難しい。 
周りも竹薮に囲まれていて、俺が見つけたのは本当に偶然だった。 
賽銭箱があったので拝殿だと思うが、それにしては少し小さい。 
俺が2メートルくらいまで近付くと、社の中からオッサンが顔を覗かせた。 
丁度、社の木戸が少し開いていて、そこから顔だけ出している形だった。 

105 :本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 16:51:27 ID:lTG3rCYD0
かなり驚いたが、オッサンの方は冷静な様子で俺を見つめていた。 
浮浪者かとも思ったが、この辺りでそんな人を見た事は無い。 
社を掃除でもしていたのかと思って、俺は軽く一礼してみた。 
すると、オッサンが「○○か?」と尋ねて来た。 
俺には聞き覚えのない人の名前だったので、「いいえ」と言った。 
すると、また「○○か?」と別の名前を言って来た。 
さすがに気味悪くなったので、首を横に振って薮を出ようとすると、後ろで 
木戸が軋みながら開く音が響いた。 
俺は、オッサンが追いかけて来ると思って、急いで薮から車道に飛び出した。 
少し走ってから振り向くと、オッサンが追い掛けて来る様子は無い。 
ホッとした俺は、そのまま家に帰る事にした。 

106 :本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 16:52:25 ID:lTG3rCYD0
山を下りる途中、誰かが呼ぶ声が聞こえた。 
オッサンの声だと分かったが、聞こえたのは上の方だった。 
見上げると、6〜7メートルある杉の木の上にオッサンの顔が見えた。 
そこで気付いたのは、オッサンの身体が妙に小さい事。 
人面猿みたいな印象だった。 
怖いというよりも不思議な感じがして見上げていると、オッサンが上から 
「○○だろ。」と言った。 
俺の名前だった。 
途端に怖くなって立ちすくんでいると、オッサンは「お前の家には×△○があるから、××にも気負うなと言っとけ。」というような事を言った。 
この××というのは、俺の親父だが他界している。 
×△○というのは、よく聞き取れなかったが方言っぽい響きだった。 
オッサンは杉の木を少し揺らして消え、俺はガクブルで帰宅。 
家族に言おうか迷ったが、それとなくオッサンの存在を祖父母に聞いてみた。 

108 :本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 17:02:03 ID:lTG3rCYD0
祖父母によると、山には「そういうもの」が昔からいるらしい。 
もしかしたら、親父も生前に会っていて、何かあったのかも知れないという話をされた。 
そうなると、×△○の言葉が気になって来るが、分からずじまい。 
時間が経つと怖さは薄れ、逆にオッサンに会いたくなって行った。 
何度か社に行ってみたが、あれ以来オッサンには会っていない。 

その後、親父の日記がある事を思い出した。 
日記を読んでいる内に泣けて来たが、オッサンに関する記述はなし。 
ただ、3年前の約一ヶ月、日記を書いていない期間があった。 
この間に何があったのか色々と探ったが、特に何があったでもない。
 

どうも

918 :元登山者:2009/03/22(日) 15:00:39 ID:YYEyqpXB0
田舎で聞いた話 

田舎の友人から聞いた話です。 
彼は営林署に勤めており、よく山に入ることがあるそうです。 

ある年の夏、大雨が降り植林したばかりの山で山津波が起きました。 
翌日、雨も小降りになり、苗木の様子が気になった彼は 
「小雨だし、大丈夫だろ。」と思い雨具を着て、様子を見に行きました。 
出る前に「苗が気になるんで、ちょっと山行ってきます。」と上司に言うと 
「止めとけって、山津波あったし。えらいもん見るで」と止められましたが 
「小雨になったんで大丈夫っすよ」と彼は出て行きました。 
山裾を軽トラで入っていくと、山津波の影響か石や土塊がゴロゴロしており 
「車では自由が利かない」と思い、途中から徒歩で山に入っていきました。 
滅茶苦茶になった山道を登っていると、誰か降りて来るような音がしました。 
「そういえば、○○さんの木もこの山だったよな、様子見に来たんか?」 
と思い、「おーーい、○○さんですかーー?」と呼んでみました。 
返事はなく、山を下ってくる蓑傘を着込んだ大柄な人影が見えたそうです。 
「誰だろう?いまどきあんな格好して、あんなにデカイ人いたっけなあ?」 
と思っていると、その人影は段々と近づいてきました。 
2メートルはあろうかと言う長身に蓑傘を着て、降りてきた人影には 
足がありませんでした。ただ、歩く音だけが「グチャ、グチャッ」として 
思わず道を開けた彼に、「どうも」とくぐもった声で挨拶をして行きました 
そのまま固まっていた彼は雨の音で我に返り、急いで下山するしました。 
途中で何度かコケたそうですが、後になって気がついたそうです。 
営林署に戻ると、彼を引き止めた上司が泥だらけの彼を見て言いました。 
「いやなモン見たろ?じゃけえ言ったのになあ。」 

彼はその話を私にしながら「絶対、あの山なんかおるで、マジで」 
と力説していました。 


鬼を封じた祠

209 :本当にあった怖い名無し:2009/08/17(月) 20:33:04 ID:zgygQGPgO
一昨日、田舎に規制した際に祖母から聞いた話

祖母が幼い頃、祖母の家の裏山のある一角が立入禁止とされていて、
そこには鬼を封じた祠があったらしい。村人は誰も近づかなく、神主様
だけが年に一度拝みに行っていた。
しばらくして、その小さな村が空襲を受けた。その時に祠が吹っ飛ん
しまった。しかし村人達は空襲を受け祠のことどころではなかった。
ただ一人、神主だけは違った。祠に行くと当時、神社の手伝いをしていた
祖母の母親に言い、山に登って行った。
数日後、内臓がない神主の遺体が見つかった。
その後、新しい祠を設え特に異変ない。
しかし、今、裏山の所有者が団地にしようと計画しているという話でした。


謎の子供

妖怪か不明だけど、小学生5年生の時、近所の兄ちゃんと森へクワガタ採りに行ったときの話

その日は普段より不調で俺は暑いしオカンが早く帰って来いとうるさかったので、帰りたかったんだが
兄ちゃんが納得いかないのか半ば強引に普段踏み入れない森のかなり奥の方まで足を運ぶハメに。
しばらく行くと森の中にある直径3,40m位の広っぱに出てしまった。おおっ、こんな森なのかに
開けた場所が!ここ二人の秘密の場所にしよう、誰にも内緒な!とか兄ちゃん大はしゃぎ。愛想笑い
しながら周囲を見渡すと、右奥の方に大きなクヌギの木が1本、足早に近づいてみると、蛇が2,3匹
ザワザワと草をかき分けて逃げる様が分かる、マムシだったら嫌だなぁと思いつつ兄ちゃんの後を付いて
クヌギの木まで行くと、何じゃこりゃ?と兄ちゃんがクヌギの木を指差す。デ、デカイ、デカ過ぎる!
それも真っ赤か、そこには普段見慣れているカブトムシの1.5倍はあろうかと思うほど巨大で赤黒い
カブトムシが、これ新種かも?とドキドキしていると、ふと人の気配が、見てみると小学低学年位の
巨大な頭の男の子が立っていた、え?と驚いていると、それオレが先に見つけた、それオレが先に見つけた
の連呼。兄ちゃんが君どっからきたの?と聞いても、それオレが先に見つけたの連呼。
こんな巨大な頭の子が居れば速攻噂になる程小さな田舎町だし、
周囲見渡しても親も居ない、そもそも低学年の子が一人で来れる様な場所でも無い。

この異常な状況にさすがの兄ちゃんも、これ君にあげるよ、じゃ行こうかと俺の腕を引っ張る。
ビビリながらも冷静を装うも帰る最中後ろから、それオレが先に見つけたの連呼;;
森の入り口付近に差し掛かった時、連呼が止んだので、ん?と思い後ろを振り返ると、泣きながら両手をばたつかせて
追いかけて来た。もうパニック、どうをどう通って帰って来たのかも記憶に無い。この件以来虫取りはしていない。


俺ンじゃあ!!

69 :毛だらけ 1/3:2010/04/08(木) 16:59:44 ID:8INQs3rG0
纏めるのが下手なゆえちょっと長いのですが
保守がてら投下します

後輩から聞いた話

後輩がまだ小さな山のふもとを拓いて建てられた高校へ通ってた頃
文化祭も間近に迫った放課後 出し物の下準備中に
小道具製作に必要な木材が不足してしまったので わざわざ買い足す必要も無かろうと
後輩は同じ教室の運動部の連中から有志を募って学校の裏手の
森の脇を通る小道(道は途中で途切れている)へ適当な太さの枝を取りに行った

細かい手作業から一時でも開放されたせいか
テンションのあがった後輩の友人Kが小道を猛ダッシュ
道が途切れてるあたりでよさげな枝を見つけて
おい、コレなんかいいんじゃね?と
よさげな枝を片手で軽く持ち上げつつ後続へ声を掛けた


70 :毛だらけ 2/3:2010/04/08(木) 17:00:37 ID:8INQs3rG0
ばっか お前犬かなんかかwwwと悪態つきながら追いついてきた
後続の後輩と数名にはその時変なものが見えた
Kと一緒に枝を持ってる奴がいる。
丁度Kがつかんでいる丁度端の方をつかんでいるのだ
遠目かつちょっと暗かったせいか後輩にはその輪郭がぼけて見えたそうな

後続のテンションが何か変だと気づいたK

k:どしたの?
後輩:お前…隣見ろとなり(ジェスチャーで

素直に隣のヤツを見たK 泡食って枝を掴んだまま後輩の方へ全力疾走
つられて全員行き止まりが見えなくなるまで逃げたそうな


71 :毛だらけ 3/3:2010/04/08(木) 17:05:25 ID:8INQs3rG0
すると 道の奥のほうから

『俺ンじゃあ!!』 と叫ぶというか吠えるような物凄い声がした

みな騒然となってさらに逃げると
さっきより近い場所で

『ボケが!置いてけやァ!!!』 と吠え声

財布 ケータイ?それとも校則違反のiPod!??と半ばパニックになりながら
これじゃね?と誰かが言ったのが Kの持って来た枝。
速攻それをその場に置いて振り向きもせずに学校まで逃げ帰った

教室の連中には枝を持って来れなかったことを説明したが
怪訝そうな表情をされ 結局翌日に買いに行くことになったそうな。

後日 あれはあそこらへんに住み着いてた浮浪者か何かだったんじゃないか?って話になったけど
近くでそれを見たKが後輩に言うには
『あれは体中に茶色っぽい毛が生えてた』と力説してたので違うとの事

余談ですが
逃げ帰ってきた直後 最初一番テンションが高かったKは
「何で枝拾いに行っただけなのにこんな目にあわんといかんの…」と半泣きで震えてたそうな
一番割を食ったのは彼だろうなぁとやや同情。


謎の女

49 :本当にあった怖い名無し:2010/07/09(金) 00:15:03 ID:yku12oxC0
高校時代の友人が結婚して、式の為に友人の実家の方へ呼ばれた。
山に囲まれた田舎で、道路こそ舗装されていたが、家より田んぼの方が多い。
俺は車が無いので、バスを乗り継いで2時間以上乗るハメになった。
友人の家は、庭に大木の生えた大きな家。
式は公民館的な場所で行われ、出席者は100人以上いたかも知れない。
終わったのは、陽が沈みかけていた頃で、俺は飛行機が無いので、友人宅で
一泊する事になった。
翌日、帰る時に友人の母親が、弁当だと言って小さな包みを2つくれた。


50 :本当にあった怖い名無し:2010/07/09(金) 00:16:49 ID:yku12oxC0
帰りのバスも乗り継ぎで、最初のバスを降りてから30分程待つ事になる。
バス停は大きな舗装道路沿いにあって、すぐ後ろは山。
道路沿いには他に何も無く、車は1台も通らなかったと思う。
俺は弁当を食べようと思ったが、2つある包みの中には、それぞれに赤飯と
おかずが2つの容器に分けて入れてあった。
1人分の弁当なら、包みの1つに赤飯、もう1つにおかずじゃないのか?
俺が渡されたのは、2人分の弁当という事になる(俺は独身である)。
「?」と思いながら弁当を食べていると、しばらくして視線を感じた。


51 :本当にあった怖い名無し:2010/07/09(金) 00:17:41 ID:yku12oxC0
ふと、横を見ると、見知らぬ若い女性が少し離れて立っていた。
乳白色の着物を着ていて、目が異様に大きい以外は美人の部類だと思う。
心臓が止まりそうになって、しばらく体が動かなかったのを覚えている。
箸を止めたまま見つめ合っていると、女性が少しずつ近付いて来た。
それが凄いプレッシャーで、まともに息も出来ないくらいだった。
女性は、俺に手が届く程度の距離まで近付くと、目を細めて何か言った。
日本語だったと思うが、ほとんど聞き取れず困惑していると、女性が着物の
裾から枯れ枝の様な箸を取り出したので、手を付けていない方の弁当を
咄嗟に差し出した。
弁当を受け取った女性は、目を細めて嬉しそうな顔をしたので、それが少し
可愛くて和んだ。
バスが来ても女性は弁当を持って立ったままで、見送っている様だった。
一礼すると、又何か言ったが、やはり意味不明だった・・・・・・・。
バスの窓から見ると、凄い速さで山の斜面を駆け上って行く女性が見えて、
腰を抜かした。


老人と子供

603 名前:本当にあった怖い名無し [sage] :2010/11/18(木) 14:37:36 ID:5OHdo9G70
ごめん文章書くの慣れてなくて大した話じゃないのに長くなった。

20歳ちょっとだったか、まだ実家でぷーたろーやってた時。
ウチは物凄い田舎で家のすぐ傍が森とか山みたいな所だったのよ。
そんで何もやる事ないし家にいたら親がグチグチうるせぇからそういう場所をうろついてた。
その時期何かもう何もやる気なくてどーでもいーやーって感じで山道登りながら自分の事を考えてたら、
いつの間にかいつも歩いてる山道から逸れて道無き森を彷徨ってた。
今のオレなら絶対取り乱してたけどその時は別に死んでもいいやって気分。

しばらくふらふらしてると何か細い道っぽい所に出て、藁のテントみたいなのと焚火。
そこで着物姿の人間もどき子供とじいさんが二人居た。
何でもどきかって言うと、常に笑顔なのよ。しかも最初から髪なんか無かったかの様なつるっぱげ。
挨拶しても近づいてもとにかく微動だにしないにたーっとした笑みが張り付いてる、しかも二人とも同じ顔。
子供の方は凄まじくお肌つるつるだけど顔立ちはしわしわのじいさんと全く瓜二つ。血縁と言うより年齢差のあるクローンって感じ。
二人とも昔にタイムスリップした様な雰囲気で「あ、この二人は人間じゃねーな???」って何となく感じた

声かけようか戸惑ってた所で、じいさんの方が「迷いましたか」って声をかけて来て。
トントン拍子に二人の家?で休んでいく事になった。
じいさんは話してても「そうですか」「ゆっくり休んでください」みたいな事しか言わない無口なんだけど子供の方はやたら口が達者だった。
「何処から来た?」「一緒にコマやろうや!」みたいな事から、何故か「お兄ちゃんプレステ買ってww」みたいな事も。まぁ普通のガキか。
でもやたらプレステに執着してた以外にコマとか花札とかゲーム関係全般詳しくて面白い話をいろいろ聞かされたし遊びも付き合った。
そんな風に過ごしてたらじいさんが「どうぞ」ってお鍋で作ってた雑炊の様なものを差し出して来た。


604 名前:本当にあった怖い名無し [sage] :2010/11/18(木) 14:41:14 ID:5OHdo9G70
何かね、見てくれはゲロみたいでマズそうなのに物凄い良い匂いがして食べない気になれない。無理。
食材がいろいろ入ってるんだけど匂いだけで何が入ってるか解る。
卵とか肉とか魚とか、野菜とかとにかく入れるもの全部入れましたよーって感じなのに全てが調和されてる。
全部の食材の味が恐ろしいくらい引き立ってるのに一つの味として成立してるみたいな。
上手く説明出来ないんだけどとにかく美味かったの。素人舌でもあれは簡単に作れるものじゃないって解る程ね。
他にも華の香りのする酒とか蜜柑と魚の和え物ももらったんだけど全部美味くて、でも何か切なくなる味でいつの間にか涙が出てた。
そしたらガキが「どうした?」って尋ねて来てその拍子に今まで家族にも言えなかった事を泣きながら全部話してたw

シクシク泣きながら高校中退したとかいじめられてたとか言ってたらじいさんが優しく背中撫でながら相槌返してさらに号泣。
もう死んでも良いなんて愚痴ったら「今死んだら極楽に行けないぞ!まだ若いしやり直し効くって!」
みたいなオッサン臭い説教を受けてちょっと立ち直って来た所でおじいさんが麻袋を藁テントから出して来て。
「もうあなたは行きなさい。ここに居たらいけない。……これをどうぞ。」
お土産のつもりだったのかそれをもらって、子供に案内されて山道まで来たらいつの間にか子供も消えてた。

605 名前:本当にあった怖い名無し [sage] :2010/11/18(木) 14:44:15 ID:5OHdo9G70
それから麻袋の中身を確かめたら中身は石鹸。梅みたいな香りで嗅ぐだけでお腹空きそうな感じ。
石鹸使おうかな、とか考えながらも山歩きで疲れたからその夜は早々に寝てしまったんだが。
突然深夜物凄い激痛に襲われて「アイツらの飯が当たったかクソー!」みたいな気持ちでブリブリしてたんだが止まらない。
とにかく中々ウンコが止まらなくて、治まった頃はもう朝だった。2時間くらい経ってた気がする。
しかもその後、酷い虫歯になったり2、3日熱で寝込んだり、原因不明の骨折とかが1カ月くらい続いてさすがにあの二人を疑ったんだが。
骨折が治ってしばらくしてから突然酷い眠気とだるさに襲われて丸2日くらい殆ど眠りっぱなしの状態に陥ってから、
それ以来突然身体が軽くなって、快活な気分になった。いろんな事がしたいと思い始めて衝動的にバイトやりまくったり。
風俗行ったり毎日走ったり資格勉強したりめちゃくそ元気。しかもあれから一度も風邪ひいてないんだよな…。

少し経って、忘れてた石鹸の事を思い出してこれも何かあるのかなと思っておそるおそる洗面台で使ったら。
ボロッ……って消しゴムのカスみたいに手の垢がボロボロ出るトンデモ仕様の石鹸で勢いで風呂場直行。
勢いに任せて石鹸で身体擦るとまた出るわ出るわで、とうとう濁った油みたいなのまで出てきた。
しばらくその石鹸を使ってから劇的に肌が綺麗になってニキビ肌だったのに今はつるつるになってる。
しかもそれから常に「○○って良い香りがするよな」とか言われる様になってやたら友達が増えたりモテた。

今は必死に頑張って、美容師になれたけどそれもあの二人のおかげなのかな。
でもあの二人に出会うのが本当にオレで良かったのか。そもそもアイツらは一体何だったのかは気になるよ。
あの後また同じ場所に行こうとしたんだけど足が竦んで無理だった。
何故か、今行ったらもう二度と帰ってこれない気がしたから。


大きい毛むくじゃら

511 :本当にあった怖い名無し:2011/04/03(日) 15:10:34.20 ID:ZmScdSZ00
爺ちゃんから聞いた話
40年ほど前当時仙台の山の森に住んでいた爺ちゃんと婆ちゃん
今は驚くほど発展して街になったがその時は木が生い茂って沢もあったそう

ある日爺ちゃんは日課の散歩で森に入って行った
爺ちゃんは散歩道の半分くらい、森のそれなりに深い所を歩いていた
すると突然大きい毛むくじゃらが出て来た
急に出現したというよりはそこにいたものに気づかず歩いていた感じらしい
後ずさって見るとそれは2、3メートルくらいある二足で立った「兎」らしい
兎といっても耳はそんなに長くなくデカい背に相応に肥えていた動物
とにかく兎に近い外見をしていた
見る分にはデカい獣といった風貌なので別段怖い思いもしなかったそう
吠えてる犬を離してやったらその兎は巨体でピョンピョン跳ねて逃げて行った

ずっと前にとなりのトトロがテレビでやってた時にそれを見た爺ちゃんが
「ああこんな感じだった」
とも言ってた
トトロみたいな生き物の話は多くて嘘くさくなるけど唯一身内が体験した話


○山

51 :本当にあった怖い名無し:2011/04/17(日) 21:50:39.08 ID:S6PSJnie0
もう20年前近く前の話だけど。
俺は俗に言う走り屋をやってて、よく峠とか山に走りに行っていた。
当時は東京にいてその周辺を走ってたんだけど、大学の夏休みには長野の祖父の家行ってそっちで走ってた。

祖父の家の周りは本当に田舎って感じでコンビニなんて勿論無くて、街に出ないとまともに買い物なんてできない位田舎だった。俺が小学校入る前から祖父の家に行くのは夏の恒例行事で、都会育ちだった俺には田舎の光景が始めてみる物ばかりでとても面白かった。祖父は昔から山で遊ぶ前に、俺に「絶対に○山にだけは行くなよ」って言っていた。

その山は祖父の家から比較的近く、遊び場には絶好だったけど近所の子達も「親に行くなって言われてるから行かない」と言っていたから、結局子供のころは登る事は無かった。


54 :本当にあった怖い名無し:2011/04/17(日) 22:12:27.09 ID:S6PSJnie0
20になる頃には祖父の話も忘れて、祖父も自分にそんな事を言わなくなっていた。
当時俺はドリフトばっかりやっていて、走る場所も舗装された峠道だったんだけど。
WRCっていうラリーレースを見て俺は未舗装路を走るのって面白そうだと思い、初代ランエボを買った。
20年近く前って言っても東京近郊には未舗装路なんて無く、長野に行ったら未舗装路を走ろうと考えていた。
その後祖父の家に行った時いつも走っている峠道じゃなくって、そこから一本はずれた未舗装路を走りにいった。

そこは山道らしく細い道だったが気分は以上にハイになっていて、ガンガン進んでいった。
走ってる途中木か何かを踏んだらしくタイヤがパンクしてしまった。
ちょうどちょっと開けた広場?というか木が生えていない原っぱのような所があったので。
そこで俺は車を止めて修理しようと思った。

タイヤはドリフトやってた時代の癖でトランクに入ってたから問題なくって、ジャッキも下が土だけど何とか車体は上げられた。タイヤを付け終わって軽く一服しようと思ったら木の影に何か奇妙なものがいた。


58 :本当にあった怖い名無し:2011/04/17(日) 22:27:41.71 ID:S6PSJnie0
そいつは二本足で立っていて、遠くて良く分からなかったが小学生ぐらいの身長だった。
俺はこんな夜遅くに小学生がこんなところにいるか?と疑問に思った。
そこは舗装された道から車で20分ぐらい走ったところだし、山の奥深く過ぎて民家があるとも思えなかった。
そんな事を考えてると奴はこっちに歩いてきた。
近づいてきたら分かったが、そいつは明らかに人じゃなかった。
体は全身毛に覆われていて、顔だけが人の赤ん坊みたいだった。
10mぐらい接近されて俺はこれはやばいと思って急いで車の中に戻ってエンジンをかけた。
そしたらそいつは一気に走り出して車のドアを掴んできた。
エンジンは一発でかかって思いっきり空ぶかしをしてやった。
かなりDQNな行為だが当時の俺の車サイレンサー無しの仕様だったため、異常な爆音が鳴った。
奴はそれに驚いたようですぐに車から離れていった。
俺はその後とにかく急いで山を降りて祖父の家に帰った。


60 :本当にあった怖い名無し:2011/04/17(日) 22:33:38.92 ID:S6PSJnie0
家に帰った俺は祖父にその事を話した。
そうすると祖父は今まで俺に怒った事が殆ど無い穏やかな性格だったが、ものすごい勢いで怒られた。
その後泣きながら本当に無事でよかった。と俺を抱きしめてくれた。
俺が入ったその未舗装路は祖父が昔から入るなといっていた○山だった。
祖父曰くそこには山の神様が住んでいるから、人は絶対に入っちゃいけない場所なんだと、後から教えてもらった。

長文すみませんでした。


カナゲ

931 :本当にあった怖い名無し:2011/05/30(月) 06:46:42.01 ID:7uFxt7Mw0
最近盆栽サークルで知り合った爺さんから
聞いた話を書いてみる。
爺さんは今はダム底になってしまった山奥
の集落から引っ越してきたらしい。
そこでは春夏秋は農業、冬はマタギになり
兎や狸を撃って生計を立てていたそうだ。

ここからが本題
爺さんがまだバリバリ全開(笑)だった頃
獲物を追って山に入ると、一冬に一回程度の頻度で
おかしなものに出くわしたそうだ
背は大体人と同じだがすごく横幅があり
全身赤錆色の甲冑(日本よりは西洋のやつに近いみたい)
の様な出で立ちの何かが、ふらふらと
山間を彷徨っている
爺さんは遠目から見た事しかないそうだが
晴れた雪山でやたら目立つので、一目で
獲物や同業者とは異質なものと分かったらしい
至近距離から見た同じ生業の人の話では
明らかに人でも熊でも無い、手には杓文字
の様な者を持ち、結構な早足で雪深い斜面
を登っていたそうだ
同じ生業の仲間達の間でそいつは
「カナゲ」と呼ばれており、
特に害を及ぼす訳でもないので
「昨日カナゲいたな」「ほうか」
位なもんだったとw


草むらから生えている女の子

653 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 02:48:12.46 ID:sgnOe4pA0
かなり前に友人の家から帰っていたとき、明け方山道を車で走ってたらエンストした。
太陽は少しだけ出ていたがまだ普通に暗くて、当然ながら辺りには誰も居ない。

予備のハンドライトを何本もつけてビクビクしながら車と格闘していてふと横を見ると、
草むらに女の子の胴体が落ちてる……と心臓が止まりそうになったが違った。
草むらから女の子が「生えてた」。

ぱっと見普通の人間の女の子のようだったけど、よく見ると隻眼で、
足は明らかに根っこみたいなのと同化してたし、古そうな服はボロボロ、
誰がどう見ても人間ではなかった。しばらく呆然と見つめ合っていたが、突然何を思ったか、
自分は当時好きでこっそり練習もしていたマイケルジャクソンのビリー・ジーンのダンスを踊ってやった。
しかも歌つきでポゥ!とか叫びながら、つま先立ちが特徴的なあのダンスを。
あの時は恥ずかしながら恐怖で思考がぶっ飛んでたとしか考えられない。

ゼーゼー言いながら踊り終わった後、何ともいえない空気が流れた。
1分ほどの沈黙を破ったのは、その彼女(?)の「拍手」だった。
無表情なのはそのままだったが、手のひらをゆっくりパーチ、パーチというような感じで叩き始めた。
おお……と思っていたら急にエンジンが掛かった。

慌てて車に乗り、発進する最後の時まで手を叩く動作はずっと続いていた。
正気に返って車の中で妙に怖くなり、開けた道に出るまで気が気じゃなかった。
今では友人の家に行けるもっと便利な道が出来たので、もうあの道を使うことは無いが、
あれは一応満足してもらったという事で良かったのだろうか……。

ありがとうマイケル。


太鼓を叩く女

961 :本当にあった怖い名無し:2011/08/19(金) 04:17:26.66 ID:WVfZ9QJo0
誰もいなそうだし、次スレもあるようだから、スレ埋めに投下させてもらいます。

20年近く前に、実家のご近所のS次さんというおじいちゃんが聞かせてくれた話です。
本当は全部S次さんの語り口調そのままに書きたかったんだけど
(酔うと、すごくおもしろい話を語ってくれる名物じいちゃんだった)
「日本語でおk」になりそうなのでw、普通に書きます。


962 :961:2011/08/19(金) 04:19:15.43 ID:WVfZ9QJo0
S次さんがまだ尋常小学校の頃、真夏に仲のよかった遊び仲間と2人で山登りに出かけた。
うちの地元には由緒正しい大きい神社とかも建っている観光地化した山もあるけれど、
遊びに出かけたのはそこに連なる山々を越えていくための峠のひとつ。
標高もそれほど高くないから、今で言えば日帰りハイキングくらいのコースだ。
目的の峠には昼前には着いて、そこでのーんびりと握り飯のお弁当を食べたという。

その帰り道のこと。
快晴の空の下、どこからか微かに、どーんどーんどーん……と和太鼓の鳴る音が聞こえる。
2人は山道を下りながら、どこから聞こえるんだろ? と耳を澄ませていた。
最初は山仕事のための合図かなにかとも思ったけれど、
どーん、どーん、どんどこどんどこ……と、どうやらちゃんと調子のある祭り太鼓のよう。
道を進むにしたがって太鼓の音はさらにはっきり聞こえるようになり、
ある分岐路のところまできてみると、帰路とは別の、
寂れた山道を進んだ先から聞こえてくるのがわかった。

時間には余裕がたっぷりあるし、なんかのお祭りかもしれない、
せっかくだちょっと確かめていこうぜ。
そういうことになって、2人は音のする方へ細い山道を登り始めた。
道は、どうもかなり先の尾根の頂に向かっているらしい。


963 :961:2011/08/19(金) 04:30:46.92 ID:WVfZ9QJo0
だんだん狭く険しくなっていく道を、最後は薮漕ぎのようになりながら進んでいく。
太鼓の音の出どころはもうすぐそこ、というところまで来て、
やっとあたりの木々がまばらになって視界が開けた。

見ると広い尾根の頂に、白い祭り装束で
一心不乱に胴長太鼓を叩いている人がひとり。
予想外なことに、若い女の人である。

なんだろう、祭りの練習か、それとも雨乞いのご祈祷かなにか?
S次少年がそのまま歩を進めようとすると、友人が服の裾を強く引いてそれを制した。
なんだよと思いつつ引っ張られるままに木立の陰に身を潜めると、
友人がこれ以上ないほど嬉しそうな顔でさかんに胸の前で両手を丸く動かし、

「めぇるwwwめぇるwww(見える見える)」

と声を殺して囁いた。
「は?」と声を出しそうになるS次少年に【静かに!】の手振りの後、女の人を指差す。

女の人は背中に黒く紋を染め抜いた薄手の法被のような着物を着ているが、
太鼓を打つ動きのせいか着崩れて、帯でかろじてはだけるのが抑えられている程度。
下はと見れば、どうやら褌のようなものをつけているだけ。
一言でいえば、半裸だ。

むはーーーwww( ゚∀゚)


964 :961:2011/08/19(金) 04:36:32.89 ID:WVfZ9QJo0
2人して湧き上がる嬌声を必死に押しとどめ、ふひひwww、むひひひwwwと、
互いにパンチ、エルボー、ボディブローの応酬で興奮をいなしあう。阿呆だ。
2人の位置から女の人は十数メートルあまり先、ほぼ真横から眺めていたのだが、

どんたったどんたったどんたった……

先ほどまでより激しくなった太鼓の打ち様に合わせて、
豊満な胸元がいまにもこぼれ出そうに揺れている。
農民ばかりの地元の村では見たことがないような白い肌が艶かしい。

しばし堪能(*´д`*)

もっと近くで見てえ!と友人を見るに思いは同じ、再び身振り手振りで
【おっぱい】【見る】【そーっと】【後ろ】【移動】【あっち】【おっぱい】【近い】
と伝えてくる。確かに反対側の木立のほうがここよりずっと近くに寄れそうだ。
太鼓の音が響く中、小声なら話しても聞こえないんじゃとも思ったが、
【おっぱい】【押忍!】
と応えて移動を開始した。友人が先をゆく。
木立の間を少しずつ、気取られないように身をかがめて。


966 :961:2011/08/19(金) 04:53:39.85 ID:WVfZ9QJo0
女の人を中心に半円を描くように移動し、ほぼ後方というところに廻り込んだところで、
斜面が激しくなり足場がなくなった。向こうの木立までショートカットするなら、
一旦、木々の間から抜けて身を表にさらさなくてはならない。

もう女の人までの距離は7、8メートルくらいだ。
長めの髪を後ろに巻いてまとめ、金属の串を数本刺して留めていることまでわかる。
巴紋を染め抜いた薄手の法被は、汗で素肌に張り付いていた。

どんどどんどどんどどんど……

ますます激しくなる乱れ打ち、これなら真後ろを通っても気づかれないと踏んだか、
友人が木立からたたっと進み出たその瞬間。

ぴたりと止む太鼓の音。女の人がこちらをキッと振り返り、

「餓鬼が」

の一声が頭の中に低く響いた。直後、

どおおおおおおおおおおぉぉぉぉんんん

大音響と凄まじい衝撃。目の前が真っ白になり、S次少年の意識は途切れた。


968 :961:2011/08/19(金) 05:08:01.19 ID:WVfZ9QJo0
「ライサマ(雷)が落っこっだのよ」

どのくらい経ったのか、S次さんは土砂降りの雷雨の中で目を覚ますと、
激しい胸の痛みに耐えながら、痙攣する足を引きずって友人に駆け寄った。
おそらく雷の直撃を受けたのであろう友人は、すでにこと切れていたという。

山道の分岐まで自力で戻ったところで
山仕事の人たちに助けてもらったS次さんだが、
雨に打たれ続けたせいもあってか、肺炎で一時はかなり危なかったそうだ。

「てえご(太鼓)さただぐ女がいだっつても、だーれも信じてくんねよ。
まず、おめさだけでも助がってよがった、女? おめも脳でもやられだが?
とがしかみんな言わねもんよ」

戦前、昭和の初めの頃の話だそうです。


獣と男

764 :本当にあった怖い名無し:2011/09/25(日) 20:00:05.81 ID:9evYXBnq0
20年以上前、うちの爺さんの話。
爺さんは近所の山で野鳥の写真を撮るのが趣味だった。
ある日、山から戻った爺さんをみて皆驚いた。背中に大きな切り傷があり血まみれ、全身擦り傷だらけで服はぼろぼろ。
右手の小指が折れており、変な方向に曲がっていた。どうしたのか、と尋ねると、
「それがよう、山でよう、バケモンと一戦交えてきたんだよ、危なくやられるとこだった」
という。家族全員呆れたが、話を聞いてみた。
爺さんはいつものように山奥に入り野鳥を探していた。切り株に腰掛け、弁当を食べ始めると、背後に気配を感じた。
振り向く前に何かで背中をバッサリ切られ、ものすごい力で押し倒されたという。
それはフーッと深く息をしている。茶色の毛むくじゃらで、頭が大きく角はない。
爪がとがっており、前足で威嚇しながら二本足で立つ、見たこともない獣だった。
爺さんは逃げ切れないと判断し、応戦した。

山用のナイフを持っており、それを武器に取っ組み合ったが、形勢不利だった。
なんでも、獣の体に何か所かナイフを突き立てるも、相手はなかなかひるまず、
鋭利な爪で次々と傷を受け、爺さんは半ば死を覚悟したそうだ。
すると、どこからあらわれたのか、男がいつの間にか獣の背後におり、
両手で振り上げた石で獣の鼻先を殴りつけた。獣はあわてて逃げて行ったという。
男は非常に汚らしい格好で、頭髪は薄いがひげの濃い、そして異様に手の長い男だった。
男は助けてやったんだから礼をしろ、と開口一番爺さんに言った。
特に酒とたばこ、味噌がほしいと言う。
爺さんは快諾し、ふもとに戻り有り金はたいて買い物をすると、男のもとに戻った。
男は切り株に座り爺さんのお弁当を食べ、カメラをいじって遊んでいた。
男はお礼の品に喜ぶと、
「また何か困ったことがあったら手土産を持ってここに来い」
と告げると早足で去って行ったという。

家族は誰も信じていなかった。


765 :本当にあった怖い名無し:2011/09/25(日) 20:01:37.22 ID:9evYXBnq0
そのあと、爺さんはろくに傷の手当をしなかったため、傷口から化膿し炎症にかかり救急車で運ばれる羽目になった。
病院でも同じ話をしたが、やはり誰も信じてくれなかったとか。
俺は信じていた。
一人っ子だったおれはじいちゃんっ子で、よく遊んでもらっていた。
母に禁止されていたが、おれはこっそり爺さんに山にも連れて行ってもらっていた。
爺さんは山に行くたびにお土産と称してワンカップの酒を持っていき、例の切り株に置いていた。
「あのヤローも多分バケモンだろ、でも恩人だからな、義理を通さないとな
それにな、こうしてここに置いておくと、次来たときにはなくなってんだよ
あいつも俺やお前の親父とおんなじで酒飲みなんだよな」
と語っていた。
あの獣について聞くと、
「あん時はやられたが、もうだいじだよ あいつの急所は鼻だってことはわかってるからな、
次に見たらぶっちめて俺たちで新聞屋に売ってやろうぜ」
と言う。
しかし、あの獣や男にはそれ以来会うことはなかったようだ。

爺さんは遺言状を残していた。 爺さんの死後、それを開封すると
遺産や身辺整理などの本題以外に、俺に名指しであの山についての頼みごとが記されていた。
それは、
山にありったけの土産を持っていき、あの切り株に置いてこい
そして俺が死んだということ、俺の家族を守ってくれということを伝えろ
という内容だった。
皆呆れたが、まあ遺言を無下にするのも、ということで俺が代表していくことになった。
俺は友人数人に手伝ってもらい、たくさんの酒、たばこ、味噌を持って行った。
爺さんの遺言通り手紙を添えた土産を置いて俺は山を下りた。
山はそれから何年も経ったあと、開発され、ゴルフ場やリゾート施設が建った。
観光地向けの自然はきれいに残されているが、実態はゴミだらけの汚い山になってしまった。

熱心にリゾート誘致していた地元は喜んでいる。でも、爺さんが見たら嘆くと思う。
あの切り株があったあたりももう跡形もない。男はどうしているのだろうか、たまに思い出す。


トトロB

520 :本当にあった怖い名無し:2012/05/05(土) 17:55:21.94 ID:kBMSNEo70
山の神様ってトトロみたいなの想像してる。是非遭遇してみたい。
幽霊は見たことないし信じてないけど貞子みたいなのはたとえ幻覚であったとしても
勘弁して欲しい。田舎なせいか火の玉はよく見るなぁ


545 :本当にあった怖い名無し:2012/05/07(月) 01:05:06.38 ID:kWvg1EiU0
>>520
俺の爺様が昔山でトトロみたいな動物見たと言ってた
東北の今は開発されて街になった所
そこがまだ未開発の頃に土地を買って住んでた時の話
ある日爺様が日課である犬の散歩をしに林道へ入って行った
犬が鼻をフンフン言わせながら引っ張るもんでおかしいと思ってたら、いきなり目の前に大きい兎が現れたそうな
180cmはあった(本人談)爺様を越す背丈だから2mは超えてたと推測する
腰抜かした爺様が犬をけしかけたらそれは普通の兎のように逃げだしたとさ

何故トトロみたいと分かったかってのは、テレビでトトロやってた時に爺様が
「これさ良く似たのば見たな」と言ってたから
まあただのデカイ兎と言われたらそれまでだけど


誰か来た

904 :本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 20:38:41.28 ID:HkDle4PZ0
不可解のスレの方がいいかもしれないけど
うちの実家はものすごい山にあって、近所に家なんてなかった
家のすぐ横には猟師が登る用の小さな小道があって
小さい頃はそこを通る猟師に手を振ったりしてた

確か大晦日の日、テレビ見てたら母親が
「今、小道に誰か来たね。」
と、ボソっと言った。
こんな夜中(12時とか)に猟師来るはずねーじゃんと姉と言うと
「いや、来てるよ。呼んでるよ。」
と、なおも言う
「誰を呼んでるんだよ。聞こえねーよ。」
と、返すと母親が
「アンタだよ!」
と、大声出したんでチビリそうになった
母親がしつこく
「誰か来た。困った。どうしよどうしよ」
とブツブツ言うんで、姉と縁側の窓から覗いて見た
そしたら、暗闇の中、小道の入り口のとこに
黄色い浴衣みたいのを着た頭のでかい女の人がいた
見た瞬間、姉と悲鳴をあげながら母親のいる茶の間まで戻ったら
母親はコタツでコーヒー入れながら
「ね、いたでしょ?パパとお婆ちゃんには内緒ね」
って言った
そのあと、あれは何なのか問い詰めたけど教えてくんなかった
高校卒業するまで、夜は小道をみないように過ごしたし
いまだに大晦日を実家で過ごす時はビクビクしている


(コメント)

山の中には古くから様々な住人がいるらしく、鬼や天狗などは昔から日本人に馴染み深いですが、宮崎アニメのトトロもあながち作り話とは言い切れないようです。言い伝えやしきたりで進入禁止になっているような地域には、あまり踏み込ないほうがよく、もし、ここに書いてあるような山の住人に出会っても、あまり深く正体を詮索しないほうが良いように思われます。山の住人には山の住人の生活があるわけですから、仲良くなる分には構いませんが、興味本位で彼らの生活を乱すようなまねは慎んだ方が良いでしょう。


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