その他


機銃掃射

924 :船乗りの妻3代目:03/03/12 06:50
今度は、わたくしの父の体験をお話をしたいと思います。
(またまた怪奇じゃないですけど、日本ではあまりできない体験でしょう)

それは、平成五年頃じゃなかったかと思います。
当時、父は、年金をもらいながら、とあるダーティな海運会社に、
正規の船員の休暇用の交代要員として臨時雇いされておりました。
その時は、中国・台湾とを結ぶ航路に勤務しておりまして、日本人船員は二、三人で、
あとはフィリピン人船員が数名のっておりました。
外国航路が初めての、語学力のまったくない父を少し心配していたのですが、
フィリピン人たちは、老境にさしかかっていた父をとても大切にしてくれていて、
父の話の中にも和気藹々とした雰囲気が満ちており、ひと安心していました。
そんなある日のことです。
船は沖縄を目指す航路の途上、中国の艦船に遭遇しました。
父は当直時間ではなかったので、自室にいたのですが、中国船が近づいてくるらしいというので、
甲板に出ようとデッキへの扉に手を掛けたときです。
ダダダダという音がして、たまたま後ろにいたフィリピン人が父の肩を掴んで制したのです。
船は機銃の掃射を受けたのでした。
父は、とっさに何の音かわからず、彼が止めてくれなかったら、そのまま外に出てでしょう。
そのまま中国船は去っていったのですが、その後、甲板に出てみると、扉の下の方に弾痕が。
扉を開けていたら危ないところだったのです。
父は幸い無事でしたが、たしか誰かけが人が出たと思います。

その夜、何も知らない私は、その日も残業から帰ってきて、ニュース・ステーションを見ながら
遅い夕食を取っておりますと、父の乗っている船の名前が。
私はとてもびっくりして、台所に居た母を呼び、テレビに釘付けになりました。
船との電話のインタビューがあり、答えていたのは父ではなかったのですが、
わりと落ち着いた様子なので、ひとまず安堵したのを覚えています。
尖閣諸島を巡って、中国と台湾が揉めている頃の話です。


トド

45 :津軽の釣り師 ◆k/y1YZqW2w :04/08/19 22:37 ID:JbX+cfRi
これは今年のゴールデンウィークに、
下北半島まで釣り旅行に行ってきたときの話。

夜釣りで根魚狙いのルアーを片手に漁港へ向かった。
夜光虫が海面から見える。幻想的だが、怖い。
ポイントへ向かう途中、地元のじいさんに話しかけられる。

爺:「兄ちゃん、これから釣りかい?」
私:「ええ、メバルでも釣れればいいかなと思って…」
爺:「悪いことは言わんから、やめときなさい。」
私:「?…なんでですか?」
爺:「今年はトドが来ているからだ。」

じいさんの話は本当で、確かに今年はトドが下北に来ていた。

私:「え?」
爺:「トドは若い男を海に引きずり込むぞ。それでもいいなら、行きな。」
私:「はあ…」

遙か下北まで来ている私は、じいさんの言葉を無視してポイントに向かった。


46 :津軽の釣り師 ◆k/y1YZqW2w :04/08/19 22:52 ID:JbX+cfRi
さて、ポイントにつき、早速ルアーをキャスト。
キャスト。キャスト。キャスト…

…釣れない。

そうこうしているうちに時間は過ぎ、あたりは真っ暗である。
波の音が不気味に響く。気がついたらさっきまでいた夜光虫がいない。

釣れないしなんだか怖いし、帰ろうかと思ったとき、
外海の方から音がすることに気がついた。

「フゴフゴフゴ」
「フゴフゴフゴフゴ」

だんだん音が大きくなってきた。
私は怖くなって逃げた。

帰路、例の老人に会い、ことの顛末を話した。
じいさんは笑いながら言った。

話をまとめると、トドは漁港近くの網にかかった魚を食べに来るの
だが、その際に自分が網に引っかかってしまうらしい。で、何とか
網から逃げようと、網を引き裂く。その昔、引き裂かれようとしてい
る網に絡まった釣り師がいたらしく、その釣り師はそのままトドと
共に海に引きずり込まれた。

この事件から、トドは若い男を海に引きずり込むという話が生まれ
た、と言うことであった。

長々と書いたが、全然怖くないね。


水面から突き出る鉄パイプ

261 :墓守 ◆SPMezymjvk :2005/12/08(木) 05:44:34 ID:DFNyaW2MO
昔、知り合いの漁船に乗せてもらった時に砂浜から少し離れたとこで水面から突き出る鉄パイプ発見した。
で、それを見た船長さんが海上警察に連絡。こっちは距離を置いてエンジン切って照明消して待機。
幼心に【?】と思いながらワクテカして警備艇を待ってたのよ。
ほんで警備艇到着。サーチライト照射!
鉄パイプ浮上!つか船体浮上そして急速発進!
追う警備艇。逃げる不審船。
で、船長が言うには半潜水艇ってものらしく。北朝鮮の船だそうだ。
鉄パイプは潜望鏡だと。
宮崎は人さらい浜での出来事でした…


フナムシ

363 :デビル ◆XBzaII/xfg :2006/09/23(土) 17:06:54 ID:0AGzX9Px0
うちの会社のエライ人、石鯛釣が趣味なんだけど、こないだ早朝から出かけて、
高級な餌(ウニやサザエなんだって)をガンガン取られまくって、もう帰ろうかなーと
思った時、後から隣に来た人が大きなフナムシを鉤に付けてポイって放り込んだんだって。
(おいおい、そんなモノで釣れる訳ないだろう・・・)
そう思って見てると、10分もしない間に、ツンツン…クイクイ…グイッ!てアタリが来て、
その人は30センチくらいのイシダイを見事に上げたんだって。
(ま、まぐれだ。うん、そんな事、偶然だ…)
エライ人は、気を取り直して釣り続けたけど、また餌を取り続けられるだけで、その間に
フナムシの人はもう一度、フナムシで、前のよりは小さいけどちゃんとしたイシダイを
釣り上げ、さっさと引き上げて行ったんだって。
エライ人はそれが凄くショックで、もう釣り止めようかと思ったらしいわ。


黒いカバン

346 :名無し三平:2010/10/30(土) 02:20:02 0
漁港前の沖提が全部つながって
昔釣ってた場所の目の前も埋め立てられて工事重機の設置場所
になっちゃった,だだっ広いホコリっくさい敷地があるんだけんども
鞄が落ちてたの…

かばん…光沢がある黒い皮の鞄。
発見したときどーみても釣り用とかじゃないってひと目で直感した....

開いた口からみると中身は帳簿類と預金通帳。
集金帰りにここ寄って釣りかなんかして落としちゃったとか?
(それわないかいくらなんでも...捨てた...?)
って思ってたらすぐそばに拳銃………
ちゃかねwチャカ....。

慌てて110番通報した…
もっとも銃に弾入ってなかったらしーけど,そんときゃかなり焦ったね.
犯罪がらみのようで、拾得物としての謝礼がもらえなかったのが心残りよ^^


漂流

331 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:28:23.31 0
869 名前: 海難 Mail: 投稿日: 2011/06/16(木) 00:37:28.68 [ 0 ]
法令が改正され1.5kw(2馬力)の動力を持つ全長3m(実質3.33m)の船舶は小型船舶免許不要、船検不要、登録不要となった。

2007年8月。
俺達のグループはそれじゃあ大海原へ出て釣りをしてみようじゃないかとオクで中古インフレータブルボート2隻、中古2馬力船外機2基購入し、4人でF県K市から出航し沖合に出た。

DAY1
天気は快晴、波も穏やかではあったが俺達は無謀にも沖合5〜6km付近まで出ていたようだ。
もしかしたらもっと沖だったのかもしれない。
それなりに釣れてそれなりに満足した俺達はそろそろ帰ろうということで出発地点に向かった。
戻れない・・
2馬力船外機を全開に回し進もうとするもどんどん出発地点から離れていく。
俺達のボートは潮流と向い風に流されてとんでもない速度で出発点から遠ざかった。
かなりの時間が経ち、俺達は自分がどこにいるのかもよくわからないほど流されたところでボートはゆっくりではあるがようやく動き出した。
どうやら潮止まりのようだ。しかし風は相変わらず向い風。
すでに日没近くで俺達は焦っていた。
ただこの時は海岸線も見えていたため命の危険まではまったく思っていなかった。
やがて一隻がガス欠で機関停止。
ロープで曳航するも残る一隻もガス欠で同じく機関停止した。
しかたなく俺達は出発地点に戻るのをあきらめてオールで漕いで一番近い陸地を目指した。
一生懸命漕ぐが近づいているのか遠ざかっているのか全くわからない。
どうやらまた潮が動き出したようで俺達はまたとんでもない速さで流されていった。


332 :名無し三平:2011/09/06(火) 09:29:21.46 0
流されていく方向に有人の島が見える。
俺達はその島に上陸することに決め、オールで進路を補正しつつ流れていく。
が、上陸に失敗。
俺達の必死の漕ぎも虚しく、ボートは島の500mほど横をかすめて沖合に流されていった。
後から思えば、このあたりは島や湾の影響で潮流が微妙に複雑だったらしい。
万事休す、この時になってこのままではリアルに遭難してしまう可能性が頭をよぎった。
しかしそれでも命の危険性についてはそう心配してなかったのはやはり視界のどこかに陸地が島が見えていたからだろう。
やがて日が暮れ周囲の様子が全くわからなくなった。
さらに俄に海況が悪化し、わずか5分程度の間に海は白波が立ち、強風と雷、そして雨、つまり海は大シケとなった。
もはやこれまでと携帯で警察に電話する。
しかし繋がらない。
そんなバカなと全員の携帯で電話するも全く繋がらない。
どうやら陸から離れ過ぎているのと、シケの影響で電波が届かないようだ。
それでも電話を試みる。だが繋がらない。
それどころか大荒れの中で通話を試みたおかげで携帯電話は全て海水を被り、やがて完全に沈黙した。
ここに至り、俺達は「死」を意識しはじめた。

真夜中。
波の高さは2mを超えていたであろうか。
時折目の前に水の壁が現れる。
波の高さが2mということは最大の高低差は4m。
波頭が崩れ時折頭から海水の洗礼を受け船内は水船状態となった。
必死でバケツで水をかき出す。
大荒れの中、ボートとボートを繋いでいるロープのせいで転覆しないはずのインフレータブルボートが不自然な力が加わり転覆しそうになる。
中途半端に長く出すと代えって危険なので必死でたぐり寄せボートとボートを密着させた。


333 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:30:33.27 0
DAY2
午前3時頃、俺達はまだ波に翻弄されていた。
気力・体力ともに限界である。
ボートに持ち込んだ荷物は手に持っているバケツ以外はほとんど海に流されてしまった。
「こりゃ死ぬな」
本気でそう思った頃、周囲が徐々に明るくなってきた。
また荒れ模様だった海況も徐々に治まりやがて海面は鏡のように静かになった。
すでに限界を超えていた俺達は、ホッとすると同時に睡魔に襲われ深い眠りについた。

午前10時、焼けつくような暑さ・・いや熱さで目が覚めた。
今朝まで分厚く覆っていた雲は全く消えて無くなり、どこまでも青い空と灼熱の太陽がジリジリと俺達を焼いている。
インフレータブルボートのチューブは熱の為さわれば火傷しそうなほどになっている。
それまで冷えきっていた体は熱波のため熱中症寸前までおいやられていた。
俺達は海水を頭から被って耐えた。
昨夜の嵐で失った荷物を確認・・・無事だったのはロープとバケツとクーラーだけだった。
水も食料も全て失った。

午後4時。
脱水症状を起し海水を思わず飲みそうになるも思いとどまる。
クーラーの中の氷はすでに溶けており、釣った魚と混ざりとても飲めたものではない。
が、魚はまだ食えそうだ。
俺達は釣った魚を指でさばいて身を生で食べた。
飢えと渇きは多少治まった。
今まで何度か漁船を目撃し手を振って助けを求めるも全て華麗にスルーされた。

午後6時。
ストレスが溜まり、誰のせいで今の状況に陥ったのか責任の擦りつけ合いが始まる。
やがて日が沈み2回目の夜を迎えた。
醜く病んだ心の俺達とは裏腹に夜空の星のなんと美しいことか。
時々流れ星が見え知らず知らずのうちに「死にたくない、家に帰りたい」と願う自分がいた。


334 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:31:28.18 0
DAY3
午前8時、すでに灼熱の太陽が俺達をいたぶっていた。
熱い、咽が渇く・・
仲間の一人が唐突に海に飛び込んだ。
どうやら火照った体を冷やしているらしい。
それを見て次々と飛び込む。
が、飛び込んだヤツとボートの間隔がとんでもない速度で開く。
インフレータブルボートはその特性上、どうしても風の影響をモロに受ける。
軽くなった乗員が減れば流される速さも上がる。
ボートに残された一人が必死でオールを漕ぐ。
飛び込んだやつらも必死で泳ぐ。
焦りに焦り、10分ほどかけて再乗船できた。
無駄な体力を使ってしまった。
以後、水に入る時はボートのヘリに捕まるようにする。

午後2時、水に漬ってやつに向かって
「すぐ上がれ!」
と悲鳴が飛ぶ。
何事かとて改めて海を観察すると・・・なんだこりゃ?
おびただしい数の座布団が泳いでいる。
ていうか、これはエイ?しかも図鑑で見たような典型的な形をしたエイ、アカエイだ。
慌ててボートにあがる。幸いにも刺されるようなことはなかった。
アカエイの群れは30分ほどで消えてなくなり、何人かはまたボートのヘリに捕まりながら海に入った。


335 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:32:58.17 0
午後4時、水に漬っていたヤツの足に何かがぶつかり慌ててボートに上がる。
何がぶつかったかはわからなかった。
周囲を見渡していると
「あ、あれ!」
ペットボトルが浮いている。
しかもフタが閉められているようで、浮いたり沈んだりしている。
ということは、中にはまだ飲料水が入っている!?
必死でオールで漕いでペットボトルに近づこうとする。
一人がロープにバケツ結んで投げた。
しかしまだ距離があってうまく狙えない。
何度か投げているうちに、
バシュッ!
何かがバケツに食らいついた!?
バケツにアタックしてきたもの・・・それは・・・
シュモクザメだ!しかもでかい!
ハッと気がつけば俺達のボートはシュモクザメの群れのど真ん中にいた。
俺達はボートの上でできるだけサメを刺激させないように固まっていた。
そして3度目の夜を迎える。
もう疲れた・・考えることもできない・・


336 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:35:18.43 0
DAY4
午前7時。
驚いたことに俺達のボートはいまだにサメの群れのまっただ中にあった。
もうダメだ、海に入って体を冷やすこともできない。
午前10時、渇きに堪え兼ねた一人が海水を飲もうとした。
必死で止めるとそいつは
「海水を飲むと死ぬなんて都市伝説だ!海水飲んで死ぬなら海水浴場で泳いでるやつなんてみんな死ぬだろっ!」
そう言って制止を振り切りガブガブと海水を飲んだ。
そして
「ふぅ、どうだ、俺は死ななかったぞ!」
と言い放ちまた海水を飲んだ。
その様子を見て、たまらずもう一人も海水を一気飲みした。
午後11時。
突然一人が意味不明なことを喚き出した。
少し遅れてもう一人もおかしくなってしまった。
どうやら海水を飲んだせいらしい。
二人は泳いでいけば帰れる、陸はすぐそこに見えてるじゃないか!と笑いながら喚き飛び込もうとした。
残る二人が必死に止める。
止めながら、いっそ俺も海水を飲んで楽になるか・・という恐ろしい考えが頭をよぎる。
午後2時。
暴れていた二人が嘘のように大人しく・・いやグッタリしている。
死にかけているようだ。
うわごとで「海から手が伸びてくる・・」「人の飛行機が迎えに来た・・」など本当に意味不明なことをいい、さらに腕を空に上げてまるでフラダンスのようにユラユラと踊らせている。
この二人死ぬんだな・・・そう思った。
そして海水を飲んでいない二人も脱水症状で死にかけていた。
体のあちこちで皮膚がただれ、唇は腫れ上がり、もう体を動かすこともできない。
どうやらもう駄目のようだ。
家族のこと、大学の寮の仲間のこと、そういえば来週から風呂の掃除当番だっけ、まあいっか。 俺達死んだ後で見つけてもらえるのかなぁ・・・

お父さん、お母さん、ごめんなさい・・・・


337 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:37:21.80 0
午後3時。
ドン!
薄れゆく意識の中で突然大きな衝撃音が。
「おい生きてるか?しっかりしろ!」
俺達は真新しい漁船に助けられた。
「ああ、ああああ・・・」
助かった、助かったんだ・・・嬉しくて泣いた、しかし極度の脱水で涙は出なかった。
漁船にあった天然水のペットボトルをガブ飲みする。
一気に体に覇気が戻る。
もう一人も水を飲んで息を吹き返す。
しかし残る二人はすでに意識はほとんど無い・・が、まだ生きている。
ダメ元で無理やり水を飲ます漁師。
気管に入って死ぬかもしれないがそこは賭けだ。
ゴボッ!っと息を吹き返す二人、よかったまだ生きてる。
そのまま漁港に直行すると救急車がすでに到着しており、俺達はそのまま病院に。
俺達は全員生きて戻れた。
海水を飲まなかった二人はメキメキと回復し2日後には普通に歩き回れるほどに。
しかし海水を飲んだ二人は腎臓をかなり痛めてしまったため、退院には一ヶ月近く要した。
ボートは漁協に保管されてくれていた。
船体は無事だったが2馬力船外機の方は海水をかぶったせいで使い物にはならなくなっていた。
回復したお世話になった各方面の人達に厚くお礼をしてまわった。
助けてくれた漁師さんは新しく購入した新造艇のテスト航行中だったらしい。
俺達が救出されたポイントは漁場から少し離れているため普段はあまり漁船はこないとか。
まさに万に一つの偶然だった。


338 :過去log 【海難】:2011/09/06(火) 09:38:37.87 0
その後の俺達だが・・・
今回の海難事故は無知と無謀の極みとしか言いようがない。
たかだか2馬力の船外機では沖合に出るなど所詮無理だったのだ。
その教訓から俺達は小型船舶免許を改めて取得し、各々が15馬力の船外機を搭載したインフレータブルボートを購入した。
このボートなら海況が変化したときに即座に戻ることができる。

しかしだ・・・
購入はしたものの、もはやトラウマを背負ってしまった俺達は、一度だけ海には出たものの、その後はあの時の恐怖を沸々と思い出し、それからは海には出ずじまいだ。
しかたがないのでいつか内水面で使おうと永遠に計画している途中である。






おーい、誰かいるかぁ!

121 :107:2011/12/08(木) 08:21:52.87 0
うちの爺ちゃんに釣り行って怖い思いしたことないか聞いてみたよ。
昭和38年頃(オヤジの生まれた年とか言ってるから多分あってると思う)串本で仕立船チャーターして仲間内で徹夜釣りしてたんだってさ。


「ありゃ夜中の2時頃だったかな、濃霧で視界が悪くなってきてな、そいで船頭さんが危ないから方向感覚がマヒしてないうちに帰ろうってことになったんだ。
そいで漁港目指して戻ったんだがどういうわけか船の電気系が全部落ちた。エンジンも止まった。
んで船頭さんが修理してる間に船は潮に乗って漂流しだしたんだ。
うちら釣り客はその間、懐中電灯持って周囲の警戒しててな。まあでも命の危険とかはあんまり感じなかったんだけどな。
船の無線機も停止はしてるけど、バッテリーに直結すりゃ使えるみたいだったしな。
何より船頭さんが30分もありゃ直るからって言ってたし。
『船頭さん、調子はどうかえ?』
『ああ、もうすぐ直るわ、心配無いから周囲だけよく見といてくれ』
船は少し流されたみたいだけどその間に潮止まりになったようで水面はベタ凪状態。
波の音とか全然せず気持ちの悪いくらい無音。しかも視界3mくらいの状況。
どうも周囲の濃霧がわずかな音も消してるようなんだがそんな状況なのに
『・・・・』
ん、なんか聞こえたような?
それは凄く微妙だけど人の声らしきもの・・」


122 :107:2011/12/08(木) 08:23:11.89 0

「幽霊?」


「幽霊?そんな生易しいもんじゃないわい。
わしらは近くに別のボートでも来てると思い『おーい、誰かいるかぁ!』と呼んでみた。
しかし返事はない。返事は無いが
『むぅぅぅ・・・ぐぅぅぅぅ・・・』
と、なんとも不気味なうめき声が。どうじゃ、怖いじゃろ。」


「いや別に・・で、妖怪?あるいはUMA?」


「そんときは妖怪か幽霊かとビクついてたんだがそんな可愛いもんじゃなかった。
わしら心底びくついて船べりにしがみついて覗くように周囲見てた。
が、突然
ドッドッドッドッ!
船のエンジンが始動し同時に電力も回復!
周囲が船の灯に照らされる。そしてそこに浮かびあがる物体!?
『なんだあれは!?』
なんとわしらが乗ってる船よりはるかに小さなボートがほんの10m先に浮かんでる!
乗員は3人、スーツ姿の男が2人と手足を縛られた半裸の男が一人!?しかも足にはブロックが!?
船頭さんもボートを見て『なんだありゃ?』と固まる。
そんな固まるわしらに向けて相手がなんと発砲!こちらの船に数発命中、キャビンのガラスが割れる。
ビビるわしらを尻目に無灯火で遁走を始めた不審船。
しかしビビるわしらとは裏腹に激怒する船頭!なんと不審船を追跡しはじめた!
『ちょっと船頭さん、落ち着いて!』
『いーや許さん!あいつら体当たり決めて沈めたる!』
わしら釣り客の『や、やめてくれー!』『ぎゃああああ!』という悲鳴が虚しく響き渡る」


123 :107:2011/12/08(木) 08:24:55.81 0

「なんという展開wそれでそれで?」


「船頭さん無線して他の夜釣り中の仲間の船を応援、それから海上保安庁か水上警察だか知らんが連絡入れとった。
相手はちょくちょく発砲して威嚇していたがどうやらタマが尽きたらしく銃は沈黙、船頭さんはここぞとばかりにスピード上げて距離を詰めて・・
ドカッ!
不審船船尾に激突!
船尾船外機を破壊され不審船は停止。
不審船の乗員が『やめろ、こいつの命がどうなってもいいのか!』と叫んでる。
『そんなやつ知ったことか!おまえら絶対ぶっ殺す!』まったく動じない船頭。
そして『むううううう!!!ぐううううう!!!』猿ぐつわ咬まされ必死でもがく縛られてる人。」


124 :107:2011/12/08(木) 08:26:50.13 0

「船頭スゲーw犯人バカすぎるw人質哀れw」


「まあわしらもこの犯人はアホかと思ったよw
『おら、死ねやぁ!』
船頭がトドメの体当たり!これは不審船の誰か死ぬかもしれん!
『ちょ、わしらは止めたからな!関係ないからな!』
わしらは堪らず保身に走るw
ドゴッ!
敵不審船中破!かろうじて浮いてる。
『ま、まいった降参する!』
敵不審船ギブアップ。しかし、
『降参したくらいで許してもらえる思たんか、ボケェ!!』
怒れる船頭さんは誰にも止めることはできない!
中破して水船同然のボートの周りを全速で走り回り幅寄せ&引き波攻撃!これは怖い!
『ちょっと、もうそれくらいにしとかないとマジで人質の人が溺れるからっ!』
必死で止めるわしら、船頭さんは勝ち誇った顔(今で言うところのドヤ顔)してようやくスッキリ落ち着いた。
その後、他の漁船に包囲され巡視船も来てどっかの港に行って事情聴取。
その日は明るくなってからも丸一日潰れたよw
結局不審船は盗難船だったらしく、犯人はヤクザ、しかも地回りじゃなく他県のヤクザだったとか。
当時は新聞にも出たしテレビでニュースにもなったよ。
わしら帰ってきてから近所の人らに『わしらがヤクザ捕まえて人質解放したぞ!』と自慢したぞいw」


125 :107:2011/12/08(木) 08:28:53.86 0

「で、そいうのいいから幽霊とかそっち系の話ない?」


「あるけど、オメエの出生にかかわる話だからな、墓場まで持ってくわ」


「え、なにそれこわい」


まあなんていうか、やっぱり幽霊や妖怪よりも人間の方が怖い。
海人最強w

おわり 学校行ってきまーす!


工作船

161 :本当にあった怖い名無し:2013/05/15(水) 22:32:55.37 ID:iBQnNlXN0
フナムシも釣りの餌だと割り切れば案外平気で掴めるようになるよ
あれも釣りにかける情熱が成せる業なんだろうとしみじみ・・・
指の中でわさわさ動くのだけは偶に鳥肌立つけどね

話は変わるが7年くらい前の出来事をひとつ

9月くらいだっただろうか、その時は友人とアオリイカ狙いで夜釣りに来ていたんだ
場所は自宅から車で2時間程の小さな田舎の漁港
釣りのポイントはその漁港の中でも一番大きな防波堤で、
陸地側から少しづつ先端近くに歩きながらという感じだった
風もまったくと言っていいほど無く、凪に近い状態で最高のコンディション

二人とも久々の釣りで新品の買ったばかりのエギ(ルアーみたいなもの)を見せ合ったり
過去に一緒に行った釣りの話で凄く盛り上がりながら釣りをしていたんだ
他に釣り人は居ないし結構騒がしい感じだったと思う
そして防波堤の中腹くらいに来た時には、お互い型は小さいけど5匹くらいをクーラーの中に入れて満足してた

そんな時に友人が
「あそこに人居るよな?何してんだろアレ??」
俺は言われてアゴでしゃくられた方向を見てみると確かに人が居た
防波堤の入り口から少し入った辺りで一人こっちを見てた
「釣りにきたんじゃね?」と俺が言ったが
「いや、30分くらい前に気付いたんだけど竿も持ってないみたいだし、ずっとあそこに突っ立ってんだよね」との事

立ち入り禁止でも、釣り禁止でもない防波堤なのでお互い自然と
「まあ、よく分からんがとりあえずほっといて釣りを続けよう」という事になった
その後も騒ぎながら数匹を追加し、潮も止まったみたいなのでその場に座り込んで雑談してたんだ


162 :本当にあった怖い名無し:2013/05/15(水) 22:33:29.64 ID:iBQnNlXN0
そしたらまた友人が「あれ?人増えてね??」
俺も当然の様に入り口の方を見てみる・・
そしたら確かに3人に増えてた、おまけにこっちに歩いて来てる
「こっちに歩いて来てるな、しかも何か持ってね?」と言われ
よくよく見てみると、どうやら台車みたいなものを押して歩いてるのが確認出来た
「何アレ?漁師さんか??」と俺が言ってみるものの、
友人は「こっちに船無いし、意味不明」と言ってゲラゲラ笑っている始末
確かに意味不明・・でもちょっとうるさいわお前、と思いながらも自然とその謎の3人を観察してみる事に

3人が近づくにつれ、風体もよく見えるようになってきた
一人は30代くらいのオッサンで、パーカーかなんかとジーンズ
残りの二人は俺らと同じくらいの20代半ば、スウェットみたいなのと黒いジャケット羽織った奴
んで台車の上には段ボールが何個かでスウェットの奴が押してる
多分最初に見てたのもこのスウェットの奴っぽかった

この頃にはこっちもお互いに、これはまともな連中じゃないってのを悟り黙ってその3人を見てた
防波堤だし、どこにも逃げ場は無いのでとにかく向こうの動向を見てるしかなかった
それで向こうとの距離が10m程になった時に気付くが向こうの若い奴二人はこっちをガン見状態、
オッサンはヘッドフォンで音楽でも聴いてる風だった
もちろん俺らも3人をガン見状態・・
んですれ違う瞬間は完全にお互い威嚇状態・・・・
その時気付いたんだが、オッサンのヘッドフォンから音が結構漏れてる・・・
70年代風の日本の歌謡曲みたいな感じだったけど、歌詞が明らかに日本語じゃない
修学旅行の時に行かされた半島の方の言葉だったと思う


163 :本当にあった怖い名無し:2013/05/15(水) 22:34:03.91 ID:iBQnNlXN0
そして運よく向こうの連中が脇を通り過ぎ(それでも若い奴二人は歩きながらもまだこっちをガン見)
何事も無く良かったと思いつつも眼を逸らせないでいると、どうやら先端にあるテトラの方に降りていく模様・・
段ボールみたいなのをテトラに上って海の方に運んでいる?
もう連中との距離も広がって緊張が解けたのか友人に「撤収!!」といきなり言われて俺もやっと我に帰る
もうさっさとこの場所から退きたいので「了解!!」と言ってさっさと車まで戻る事に・・
そして陸地側に歩き始めて直ぐに、先端の方からブオオォー!!というエンジン音
あぁ、多分あそこに船があったんだな・・と思いつつ、かなり危なかったんじゃねコレ??と実感する
友人は「工作船ぱねえ!!まじこえー!!」とか叫んでる始末
「あんまり叫ぶな、戻ってきたら洒落にならんぞ」と言ってなだめ、
さっさと車に戻って無事帰還しました

翌日、TVでは昨日行った漁港の付近で不審船が目撃されたと報道されていました
夕刊でも同様の記事が一面に・・・

今思い出してもホントにアレは洒落にならんとつくづく思う
もし釣果が悪ければ、連中が歩き出す前に先端に到達して船見つけてしまったのかな?
もし船見ちゃってたらどうなってたんだろうか?
とか色々想像してしまう

以上、長文・駄文失礼しました


先生の命日

324 :本当にあった怖い名無し:2013/09/08(日) 15:26:53.01 ID:iA8fqg3r0
高校生の時、先生が授業の始めに突然「今日は俺の命日なんだ」と言った。
断っておくが先生は幽霊ではなく、ちょっと老けてはいたが立派な生身の現役教師だ。
一体何のこと???とハテナマークのクラス一同に、先生はこんな話をしてくれた。
もうかなり昔に聞いた話なので、多分細かい間違いはあると思うがスルーで。

先生が若い頃、仲の良い友人が旅行に行くことになった。
先生は何か餞別をと考えたものの、貧乏大学生で大した金もなかったので、一計を案じて
自分の学割をプレゼントしたのだそうな。
一足先に社会人になっていた友人は大変喜び、「船に乗るのに使わせてもらうよ」と、
礼を言って受け取り帰っていった。

数日後の早朝、先生の家の電話が鳴った。
出ると親戚のおばさんが「○○さん!? 大変だよ! △△ちゃん(先生の名前)が〜!!」と
何やら泡食って叫んでる。
先生訳が判らず「あの、俺△△ですけど、どうしました?」と訊いたら、
「え、何、あんた△△ちゃん!? 生きてたの!? てかどうしてそこにいるの!!?」と
おばさんますますパニック。
どうにか落ち着かせて話を聞いた先生も慌ててニュースを見て、血の気が引いた。


325 :本当にあった怖い名無し:2013/09/08(日) 15:27:42.43 ID:iA8fqg3r0
友人が乗った船は、青函連絡船・洞爺丸だった。
当時は気象予報も未熟で、台風の目に入って一度風が収まったのに気付かずに出航してしまい、
洞爺丸を含む連絡船7隻が沈没・座礁、死者は1100人を越し、世界海難史上第三位の大事故となった。
(詳しくはwikiの「洞爺丸事故」に譲る)

で、何で先生のおばさんがパニックで電話かけてきたのかと言うと、実は友人が乗船名簿に
自分の名前ではなく先生の名前を書いていたのだそうだ。
本名を書いたら、他人の学割で乗船したことがバレて怒られる、と思ったらしい。(当然だが)
それが翌朝、ニュースで乗船名簿が報道されて、友人でなく先生が乗ってたと思われたと。
ニュースは他の知人も見ていたので、他にもあちこちから電話があって大変だったらしい。

ともあれ先生は乗ってなかったからいいとして、問題は友人の方。
もちろん先生はすぐさま友人の家族に連絡を取り、友人が洞爺丸に乗っていたことを伝えた。
けれど、どうか間違いであってくれという先生と家族の祈りも空しく、その後友人は遺体で見つかった。
ちなみにあまりの死者の多さに、函館の火葬場は当時遺体の焼却が追いつかなかったとか。
函館は何故か通夜の前に火葬を行うのだが、その起源はこの事故だと今でも一部で言われてるほど。
(実際は諸説ありはっきりしないらしい)
なお先生は後日、学割を友人に譲ったことで、警察の事情聴取でたっぷりと怒られたそうだ。


326 :本当にあった怖い名無し:2013/09/08(日) 15:28:51.15 ID:iA8fqg3r0
というわけで、先生は自分の名前が犠牲者(正確には乗船者)一覧として報道され、
生きてるのに大変△△が事故で死んじゃった!?と大騒ぎされたので、
「だから(事故があった)9月26日は俺の命日なんだ」と話していたのだ。
実際には乗客乗員全員が死亡したわけでなく、少数ながら助かった人もいたんだけど。
今思うとちょっと不謹慎なようでもあるが、事故から何十年も経ってなおそんな風に話すほど、
先生にとっては忘れられない出来事だったのだろう。
それに先生の場合はすぐ間違いだとわかったけど、もしかすると他にもやっぱり訳ありで
別人名義で乗船して、事故に巻き込まれたことすら誰にも知られないまま亡くなった人も
いたかもしれない、と思うと自分にはちょっと怖い話だった。
行方不明者も随分いたらしいし、函館は昭和の大火でも大勢の人が海で亡くなってるし、
おかげで「お盆に海で泳ぐと足引っ張られるぞ」という話が洒落にならなかった。
ともあれ毎年台風シーズンの9月になると、何となくこの話を思い出す。

なおこの洞爺丸台風を含む数々の事故・天災を紙一重で生き延びた西塚十勝の逸話は凄いので、
知らない人はぜひwikiを読んでほしい。
これぞまさに不思議な話だと思う。


神隠し

449 :本当にあった怖い名無し:2013/10/19(土) 12:13:32.44 ID:9aRAGGbm0
海の話です。

戦中生まれの私が幼少のころ、祖父より聞いた話です。その祖父は、さらに彼の祖父が話して
くれた、といっていましたから、そうとう昔の話だと思います。
ひなびた漁村では、昔から、その村行きに流れ着いた漂着物は、その村の所有物になるという
のがならわしでした。ある日、嵐もなく、凪の日にの朝に、大きな帆船が村の沖に流れ着いた
そうです。帆は降ろされていて、動かないので、村の人々は、手漕ぎの小舟で船に近づいて、
声をかけましたが、何の反応もない。しかし、投錨されていたそうで、船は潮に流される心配
ありませんでした。皆が乗り移ってみると、人がいません。時間的に、その日の朝より前に、
その船が沖に流れ着いて錨をおろして停泊しているのですから、無人ということが不思議
だったそうです。乗員がボートで自分たちの村に上陸したのではないか?と村人は心配した
のですが、ボートは、全てその船に装備されたままでした。村人たちは、深く考えずに、
なにか金目の物は無いかと、船内を捜索しはじめました。船は外装内装ともに傷んでおらず、
良く手入れして使われていた痕跡があります。小麦や米、干し肉などの食料も豊富にありました。
火薬もあったそうです。しかし、大砲や銃などの武器はない。
(続く)


450 :本当にあった怖い名無し:2013/10/19(土) 12:18:27.82 ID:9aRAGGbm0
(続き)
皆は、よろこんで、物資を小舟で村に運び込んで、その日の夜はお祭り騒ぎだったそうです。
しかし、次の日の朝、船は跡形もなく消え失せていたそうです。他の港へ行って、自分たちの
略奪行為がばれることを恐れたそうですが、そのようなお咎めはなかったとのこと。この日から
ちょうど1ヶ月後から、続けて5日間、村の子供たちが「神かくし」に会いました。どこを探して
もまったく見つからない。人さらいを疑いましたが、よそ者が村に入ってきたことも、出て行っ
たことも目撃されていなかったのです。結局子供たちは7人消え失せて帰ってこなかった
そうです。

このような話ですが、祖父は、こう付け加えました。本当に船には乗員がいなかったのだろうか?
本当に船の失踪には、村人たちが関与していなかったのだろうか?なにか、秘密として隠された
真相があったのではないか?と。
(続く)


451 :本当にあった怖い名無し:2013/10/19(土) 12:28:36.08 ID:9aRAGGbm0
(続き)
この話と関係があるのかどうかわかりませんが、この子供たちの失踪事件の少しあと、その漁村
の沖合にある島の人が、農作業をしている時に、島のものではない男が島の林の中を歩いている
のを、目撃したそうです。村での子供失踪事件は、その対岸の島にも伝えられていましたから、
島民たちは、よそ者に敏感になっていたようです。しかし、その時には、そのような人間を島に
連れてきた船も、また島から連れ出した船もなかった。リアス式の海岸部の島なので(場所が分
かりそうですがw)、島の港以外には、船着場はなく、接岸上陸は容易ではなかったのに。
(おわり)


不審人物

461 :本当にあった怖い名無し:2013/10/20(日) 19:50:48.61 ID:fu+k62PP0

海の話です。

戦争中(太平洋戦争ねw)は、末期になると漁民も軍事物資人員の運搬や海上警戒のために徴用
されました。若い男でのみならず、初老の人間さえも村からいなくなって、漁業の継続的が困難
になっていました。戦争が終わろうとしている時期、村に不審人物が侵入しているという噂が立
ちました。夜間や日没時、早朝(といっても、漁村の朝は非常に早いのです)に、大柄の人間が
海岸や段丘の原野を歩きまわっている:という目撃証言がでました。すでに、村の沖合には、
米軍の潜水艦が我が顔に出没していましたので、敵兵士が上陸しているのではないか?という
ことで、軍人に命令され、村人(ジジババ、女が主でしたが)で監視体制を敷きました。と
いっても、武器は竹槍程度のものしかないので、敵兵士を見つけても無力だったのですが。毎晩
の監視の結果、そのようなあやしい人間が「いる」ということが判明しました。ある日の夜明け
前に、海岸段丘の上で、四名の監視隊(ジジババ)が、黒い人影が早歩きで移動しているのを
発見、誰何しましたが、その人物は彼らを無視して歩き去ったと。捕縛もできなかったし、歩く
のが早くて追跡さえできなかったというのが情けなかったそうで、警察と軍人さんに、その体た
らくを叱られたそうです。さらに、数日後、別の監視隊が、同じような人影を村の共有林の近く
で見つけて、度胸のある[おっかさん]が、追いすがったそうですが、彼女は、その林のなかで
「たたき殺された」」」のです。この事件に、官憲は色めき立ちました。特高と呼ばれる警官が
数名も、辺鄙な漁村に調査に来ました。海岸は当時でも今でも一種の「防衛線」ですから、当然
といえば当然なのですが。当時は、このような事件は、絶対に口外できず、それがさらに村人の
恐怖心を煽ったとのこと。殺人については、村人間の怨恨の線でも捜査されたそうです。結局、
その怪しい人物は捕縛されることもなく、村人たちは、「特高も偉そうにしていて役に立たない
な」、と噂したそうです。灯火管制もあり、夜は暗く、そのような不審人物が徘徊している、
ということで、村人たちは皆、縮み上がって毎夜を過ごしたそうです。村人が夜出歩かなく
なったので、不審人物の目撃はなくなり、終戦を迎えたそうです。
(おわり)




(コメント)

いきなり中国の巡視艇に機関銃を撃たれたり、海の男には危険が多いですね。北朝鮮関係の話は薄気味悪いですが、新潟の海岸線の道をバイクや車で走っていると、外国人らしい男がバラバラと飛び出てくることがあったとか。日本人が無理矢理に北朝鮮に拉致されていった経緯を考えると、本当に腹が立ちます。怪しい潜望鏡や怪しい外国人らしき人影を見たら要注意だと思います。フナムシの餌の話は興味深いですが、管理人の住む県には海がないので試しようがありません。海が近くにある人は是非試してみて欲しいです。



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