不思議な体験・経験


人魚

22 :コピp:02/11/29 22:06
うちの母方のじいちゃんは、宮崎県のウド神宮の奥の海(入っちゃいけないところ)で、
素もぐりの最中人魚を見たと言ってました。
視界を遮るほどの海草は、髪の毛だったらしく、その奥に、真っ白な美貌の顔が、笑っていたそうです。
それと目があってしまい、その日からじいちゃんは名手ともいわれた素もぐりを一切やめてしまったそうです。

水死体なのでは・・・?と思ったりもしますが、わたしは人魚と思いたい。

ちなみにじいちゃん、人魚を見た後、信じられないくらい女性にもてる様になったとか。
おかげでばあちゃんは相当苦労したそうです。
人魚の魔力をもらったのかな・・・?




690 :オキ:03/02/11 07:45
私が小学校五年の時だったと思います。
五月に入り春がかったころですが、この時期父は鯛を釣りに出かけます。
朝五時頃出かけて、帰ってくる時間はまちまちです。(夕方四時頃もあれば夜10〜11時頃もある)
父が出かける時、たいがい私は寝ているのですが、たまに起きてしまうこともあり、一緒にコーヒーを飲んだりもしました。
だから、だいたい父がどんな感じで出かけていくのかを知っていました。
顔を洗って、歯を磨き、髭を剃り、コーヒーを飲んで、握り飯を5〜6つと、氷、水、酒をもって一人で出かけて行きます。
その日もいつもと同じように出かけたみたいでした。(私は寝ていた)
そしていつもの様に、特に待つこともなく母や弟と時間を過ごしていたのです。
その日父は11時をまわっても帰ってきませんでした。→続く


691 :オキ:03/02/11 08:03
母は、
「たまにこんなこともあるけん。もしかしたらもう帰ってきて、どっかいっちょるかもしれん」
と言っていましたが、やはり心配なので、叔父に電話してから眠そうな弟をおいて、叔父の車で船着き場まで見に行くことにしました。
船着き場に父の船はなく、父の車がきっと朝と同じようにおいてありました。
叔父と母が
「事故かわからん」
と話していたのをドキドキしながら泣きそうに聞いていました。

とりあえず、今日は遅いので明日にでも海上保安庁に行ってみようということになりました。
父と違い、どちらかというと引っ込み思案な母は、一人で海上保安庁にいけず、次の日どうしても外せない用事があった叔父を待ち、正午くらいに一緒に行こうという段取りになったようでした。
私は父が心配で一刻も早く父を探して欲しかったので、
「私が行く!今から行く!」
と駄々をこねたのですが、その日は御されてしましました。→疲れる


692 :オキ:03/02/11 08:22
もちろんその次の日、私は学校を休みました。
イライラしながら叔父を待っていたとき、家のドアが開き、父が帰ってきました。
開口一番、
「水とラーメンとメシ!」
はっきり言って間抜けですが、私はボロボロワァワァ泣きながら父に飛びつきました。

その時は気が付かなかったのですが・・・
気が付いたのは母が黙ってラーメンを作り、それを父に差し出した時でした。
ひとまず泣くのを止めて、まじまじと父の顔をみたのです。
「???」
父の髭がやけに伸びているのです。
熊程ではありませんが、1日や2日剃らなかった様な感じではありません。
顔も妙に汚れている様に思えました。
「お父ちゃん。髭が伸びちょる」
私は旨そうにラーメンをすする父にそう言いました。
「うん。一週間は剃ってないけん」
ラーメンを食べ終わり、一息ついたふうの父。
ここから父の話が始まりました。→つづ〜く


693 :オキ:03/02/11 08:44
あの日(父の話では一週間近く前)ふつうに海に出ると、まぁいつものように少し霧がかかっていたと。
昼過ぎになり、霧も晴れ、魚もまぁ釣れているのでもう少ししてから帰ろうと思っていたそうです。
しばらくして時計を見ると3〜4時。
そろそろ帰ろうと思っていた時、急に霧が濃くなってきたそうです。
その霧は、前後左右何も見えない程に濃くなってきました。

私は船の機械に弱いので、よくは解らないのですが、そんな霧でも計器や船の信号などがあるので、そう遠い場所でなけれは帰港するのにさほど差し支えはないそうです。
父は
「今日は濃霧注意報もなかったのに、帰る時間をあやまったかな?」
程度にしか考えていなかったそうです。
そして帰ろうとしたとき、計器いっさいがイカれていたと。
父はあわててエンジンの様子を調べました。
エンジンだけが何故か生きていたそうです。
父は考えました。→更につづ〜く


694 :オキ:03/02/11 09:05
もう少し霧が晴れるのを待ってみるか。しかし、1時間たっても2時間たっても、霧が晴れる様子はありません。
救難信号を送るにも、計器いっさいがウンともスンともいわない。
無線すら入らない。

父はここで腹を決めました。
無駄に動けば遭難する。
霧が晴れるのを待つ。
晴れた時にほかの船を探し近づく。
長丁場になるかもしれん。
油は無駄にできん。
そしてその日は船上で夜を過ごしたそうです。

次の朝目が覚めても、船は霧に包まれたままでした。
霧の間は魚を釣る事に専念したそうです。(もちろん計器が復活するかときどき確かめますが、ダメです)
そして正午を過ぎた頃、かなり濃かった霧が少し薄れ、その先に一つの船影がみえたそうです。
とりあえず父は、エンジンを船が動ける状態にしたあと、一応大声で叫びましたが届くはずもなく、もう少しその船影に近寄ろうとしました。
やや近づいた船影を見て、父はおや?とおもいました。→疲れた!でも続く


697 :オキ:03/02/11 09:32
船のカタチが普通でない事が遠くからでも見てとれます。
父によるとその船は
『宝船』
だったそうです。
少し霞む霧と霧の間にみえたものは、何やら前時代的な、昔話に出てくるような帆船で、形容するならば
『宝船』
だと。

その『宝船』は、父が船の速度を上げても、一定の距離を保つようにつかず離れずで、はっきりとその姿を見ることは出来なかったそうです。
その状態で30分程度。
そして『宝船』は再び濃くなった霧の中へと消えたそうです。

そして又次の日も同じ様な時間にその船が現れ、それに着いていき、また霧が濃くなり・・・と。
父が釣れた魚をさばいて食べ、持ち込んだ水と酒を大切に飲み、そして昼頃現れる『宝船』に先導され・・・というのを一週間近く続けたある昼前頃でした。

いつものように霧が晴れていきました。
しかし、いつもと違ったのは霧の間に見えたのが、陸の影だったことでした。
その後霧は嘘のように晴れ、目の前に懐かしい港が見えたそうです。
と同時に計器いっさいも復活。
父はエンジンを唸らせ、無事船着き場に帰ってくることができました。→ナゲー


699 :オキ:03/02/11 09:47
私は父の話を聞いた後、又オィオィ泣きました。
まだ小学生だったので、疑問や不思議は後回しに、
「お父ちゃんが帰ってこれてよかった!」
と素直に思いました。

今思うとホントに怖いです。不思議です。
その『宝船』は何だったのでしょう。
その霧は何だったのでしょう。(最初に父が語るように、父が出かけた日、帰って来た日にそんな濃霧注意報はなかったし、近海には発生していなかったもよう)
父は、どこに行っていたのでしょう。

「お父さんには恵比寿さんがついちょる!」←弁天さんじゃないか、とつっこんだ。
と豪語して、それからも元気に海に出ている父を、私は尊敬しています。
ただ、それ以来父は、船に醤油をつむのを忘れません。

ナガー!でごめんなさい。疲れた。フゥフゥ・・・


ピタッと足が止まる

835 :船乗りの妻3代目:03/02/26 02:19
そういえば、一つだけ。全然怖い話じゃないですけど。

それは私が1才ぐらいの頃です。
ある冬の晩、母が私を背負い、父の船に届け物をしに行った時のことです。
ちょうど満潮で水位は岸壁と同じぐらい、海面をびっしり軽石が覆っておりました。
母は何気なく岸壁を散策していると、突然ピタっと足が止まったのだそうです。
ふと足下を見ると、月明かりに照らされて、
軽石の間から岸壁の角がほんの少し突き出ているのが見えたそうです。

あと一歩踏み出していたら、母子とも海中へ・・・

母が云うには、あの時足が止まったのは自分の意志じゃなかった、とのことです。

以後、私は、岸壁の端から3メートル以内には入るなと教育されました。


バァチャン

240 :ホメイニ氏:04/09/03 15:24 ID:ADMxIO8Z
幽霊は出てこないけど、ちょっと神秘な話。
死んだうちのバァチャンは昔から霊感があって、これは娘であるオカンから聞いた話
なんだけど・・・。
まだオカンが子供だったころ、じいちゃんが兄貴(俺から言えば叔父さんね)を
つれて海釣りに行ったそうだ。
だけど、バァチャンは二人を送り出してしばらくすると、ぶるぶる震えだして
「こりゃやばい。こりゃやばい」と言い出したんだって。
で、仏壇の前に座って、手を合わせて念仏唱えだしたらしい。
それを当時まだ子供だったオカンは横で見てたらしいんだけど、んもう手がね、
拝んでるバァチャンの手がガタガタ震えてるわけよ。
といっても普通にブルブル震えてるんじゃなくて、明らかに誰かに振り回されるのを
必死にバァチャンが押し止めようとしてる感じなんだってさ。ブンブンって感じで。
「シャレなんね〜」とオカンがおびえているところへ、
ずぶ濡れになったじいちゃんと叔父さんが帰ってきて、
「波に呑まれた。もう少しで死ぬとこやった」と・・・。
当時を振り返ってオカンはこう語る。「あれはオカアチャンの人徳のおかげや」
実際バァチャンの怪談話は怖いというよりもなんか、微笑ましいのが多かったのも
確か。
こんな嫁さんがいれば、一家安泰だろうな〜なんてちょっと羨ましく思う寂しい俺、
彼女イナイ歴4年・・・。


Kの実家の言い伝え

135 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 23:37 ID:/l5BbhHD
これは15歳の時本当にた体験した話
俺の実家は海沿いの田舎町なんだけどメチャ綺麗な海が有名なんだけど
色々とイワクがあるんだよね・・・・・
幼馴染のKの実家は代々続く名家なんだけど
そこの家の嫡男は15才の誕生日に海に近づくと命を落とすって言い伝えが
あったんだ。死ぬって言うのは海神(地元の言い伝えでは美しい女)が
死んでしまった自分の子供を生き返らせようと選ばれた家の嫡男の魂を
もって行くって話しなんだけど
俺もKも眉唾だと全然信じてなかったんだよね


138 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 23:56 ID:/l5BbhHD
誕生日当日、Kは学校を休んだ
俺は様子を見に昼休に学校を抜け出して様子を見に行った
Kの家に着いて呼び鈴を押すとKの母親が出てきた
話を聞くと今日は大事をとって家の座敷に缶詰状態らしい
Kに会いたいと伝えると「今日で最後かも知れないから・・・・」と
家に上げてくれた、俺はそんな与太話本気で信じてるのかと思ったが
町中その噂で持ちきりだったのでナーバスになるのも仕方ないかと
座敷に向かった


140 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:03 ID:FhrN6Mxq
座敷の前にはKのオヤジと爺さんがふすまの前に厳しい表情で座り込んで
いた。俺に気づいた二人に軽く挨拶をしKに会いたいと伝えると
座敷に通してくれた、ふすまを開けると缶ビール片手にくわえタバコのKが
ダビスタに夢中だった。本人は全く緊張感が無く何故かホッとした。


141 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:17 ID:FhrN6Mxq
Kが俺に気づきオウといつもの様に挨拶を交わした
しばらくは下らない話しをしていたのだがKが急に
「なぁ今日本当に俺が死んだらどうするよ?」と聞いてきた
一瞬返答に困ったが「俺が死に際見取ってやるよ」と冗談ぽく言った
Kの話しではKのオヤジさんも爺さんも嫡男で15の誕生日には同じように
座敷に缶詰だったらしい、2とも全くその日の記憶が抜けていて何も憶えて
いないとの事だった。俺は今日一日Kと一緒に過ごすと決め食料とタバコの
買出しにコンビニへ向かった


142 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:29 ID:FhrN6Mxq
コンビニから戻ると何やら座敷の方が慌ただしい様子だった
何やらエライ坊さんが来て結界だの魔よけだの準備をしていた
Kはと言うと酒を頭からかけられ灰をかけられ物凄い状態になっていた
Kが体を洗って帰って来ると二人でお札がビッチリとはられた座敷へ
戻った、特にやる事が無いのでDESPERADOのDVDを見た
座敷の前では近所のオッサンどもが順番で番をしていた。
特に何も起こらず、夜もふけて来た11時過ぎに便所に立って戻ると


143 :本当にあった怖い名無:04/08/25 00:39 ID:FhrN6Mxq
ふすまが開き番をしていたオッサン2人が眠りこけていた。
まさかと思い座敷を覗くとKがいない
オッサン達をたたき起こし、家の人間にKが居ない事を告げた
その日Kの家に詰めていた人間全員でKの捜索がはじまった
俺はバイクを飛ばしすぐに海へ向かった
海岸線の国道を走っているとすぐに砂浜に立っているKの姿を見つけた
俺はすぐ携帯でKの家に連絡を入れKに走り寄った


144 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 00:50 ID:FhrN6Mxq
「オイ、Kお前何やってんだよ」と肩をつかむと物凄い力で振り払われた
無言で振り返ったKを見ると白目を剥きヨダレを垂れ流した状態だった
これはヤバイとKを羽交い絞めにしたのだが
Kは海へと向かう足を止めない、物凄い力で海へと引きずられてしまった
何を言っても聞く耳を持たないので仕方なく後頭部を力一杯ぶん殴った
4〜5発は殴ったのにこっちのコブシが腫れ上がっただけでビクともしない


146 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 01:07 ID:FhrN6Mxq
そうこうしてる内に大人達が集まって来た
10人以上でKを取り押さえたのだが引きずられるばかりで
止める事ができない、海水が胸位まで来た時
昼間の偉い坊さんが現れ お経を唱え始めたするとKは意識を失った様に
海に沈んでしまった、慌ててKを引き上げて浜へ上げた
坊さんがKの額にお札をはりお経を読み始めた
読経は日が昇るまで続けられた、読経が終わり坊主がKの背中を叩き
「アイ!!」と気合を入れるとKが目を覚ました
Kは目の前で何が起こっているのか全く理解できていない様子だった
何故俺は海にいるのか?何でお前まで水浸しなのか?と状況を理解しようと
必死なようだった。Kに昨晩起こった事を話すと「マジ?」と唖然として
いた。本当に何も憶えていない様子だった。それから町ではその話しで
持ちきりだったがすぐに噂は絶えて、誰もその事を口にしなくなった
Kは今北海道で牛を飼いながら元気に暮らしている、来年結婚するそうだ

長々と失礼しました


ご褒美

425 :本当にあった怖い名無し:04/10/07 02:18:17 ID:pw5jnFTc
ウカツにもメモとるの忘れてたため細部うろ覚えで恐縮なんだけど、
完全に忘れてしまわないうちにカキコさせてもらいます。
母方の祖母の家で伯母に聞きました。

伯母が小学生だった頃、近所(というか村の中)にお父さんが病弱だったとかで、
貧しい暮らしの家があった。その家の息子さんも一生懸命働いていたものの、
なかなか暮らしは楽にならなかった。
そんなある日、その息子さんが不思議な夢を見た。
(肝心の夢の内容をど忘れスマソ。観音様だか、亡くなったお母さんだったかが
夢枕に立った?とかだったと思う)

ともかく夢のお告げ通り、朝早く海岸に行ってみると、
なんとそこには大きなクジラが打ち上げられていた。
そのクジラ肉やら鯨油やらを売ったおかげで、一家の生活もだいぶ楽になったということだ。

伯母も、先生に連れられて学校のみんなと解体作業を見学に行ったのでよく覚えているとか。
あとになって、件の夢の話を聞いた村の皆は「神さまが、親孝行な息子さんにご褒美を
下さったんだ」と噂しあったそうな。

時代的に戦中〜戦後すぐくらいのはずだけど、そんな日本昔話みたいな話が
出てくるとは思わなかったんでちょとビクーリ。
山陰地方の離島にある、海沿いの小さな村の話。


クラゲ

793 :豆腐・ver.絹 ◆NY3.8XNhl. :04/12/07 16:27:51 ID:ebYRXy/k
まだオレが可愛らしい子供の時に浮き輪で足の届かない海域までいってしまった。
足は届かないし恐くてどうしようと思ってたら、足にヌルヌルした感触が・・
見ると頭を踏み付けられる形でクラゲがいました、たぶん俺より大きかったと思う。
そしたらクラゲが「ボフン」って感じでオレを浜辺側に押したんです、その時
「あ、戻らなきゃ」って思い泳ぎはじめたら、オレを先導するようにクラゲが俺の
先を泳ぐ、なんかさ、クラゲの泳ぐ姿が神秘的でね、その姿だけ見て泳いでたよ
途中疲れて休むと、クラゲも海からヒョッコリ頭出して待っている、そんなクラゲが
可愛くて触ろうと近付くんだけど、クラゲは一定の距離を置いていて、触らせてくれ
なかった。そしてしばらくクラゲ見ながら泳いでたら兄貴の声が聞こえる、いつの間
にか浜辺付近まで来ていた、するとクラゲはオレの股下をくぐり、沖の方へ消えて
行ってしまった。
感謝の気持ちと、消えて行くクラゲの姿がなぜか悲しくてワンワン泣いてしまいました
それからしばらくは「あのクラゲは姿を変えられた人間なんだ」と、勝手に思ってたよ。


未知の釣り場

950 :リベリオン ◆1sbbp3Vb3o :05/01/30 12:07:50 ID:vekrX/uc0
じゃあ聞いた話し投下。

まだ名前がNTTになる前の電話会社に務めていたKさんはすごい釣り好きで、
同じ職場のHさんとよく夜釣りにいっていた。
地元のほとんどの釣り場を知っているKさんだが、ある時船釣りをしていたら、
知っている小さな漁村の近くに、未踏と思われる入り江と岬があるのを見つけた。

Kさんはそのあたりが何故かとてもよい釣り場のような気がして、
数日後にその漁村の知り合いの爺さんに、その岬と入り江に行ける山道を聞いた。
すると年配の漁師の爺さんは、「あそこは変だから行かないほうがいい」
と言って、なかなか抜け道を教えてくれない。
「何が変なのか?」とKさんが聞くと、爺さんは「昔山伏だか坊さんがいたところで、
ドザエモンもあそこだけは避ける。いい漁場だがとにかくおかしなところで、
浜の奴は誰もあそこには行かない。・・・・あー、昔行った奴がいて、
しばらく大漁だったが、頭がおかしくなって行かなくなっちまったよ。あんたらもやめとけ」
漁師はそういうと忙しそうに船に乗ってしまった。

Kさんはその場では一度引き上げたが、未知の釣り場に対しての興味は消えなかった。

つづく


951 :リベリオン ◆1sbbp3Vb3o :05/01/30 12:20:52 ID:vekrX/uc0
つづき

Kさんは地元の地図を調べつつ、その後何度か休日にこの漁村の港で釣りをした。
場所をしょっちゅう変えたり、頻繁に双眼鏡でくだんの入り江と岬の方を見たのは、
何らかのタブーを感じたため、慎重に下調べをしたかったのだ。
海上からも位置関係を調べ、夏ごろにはほぼ抜け道もわかった。

そして、八月末のある夕方。KさんとHさんは、漁村と関係の無い山奥の林道から、
例の場所に近いところまで車で来ると、地図どおりの抜け道を見つけ、
30分ほど歩いた。松林が急に開けて、広い海が広がり、眼下に小さな入り江と、
岸壁に刻まれたたくさんの古い磨崖仏(まがいぶつ=磐に刻まれた仏像)が見える。
それは不気味と言うよりもどこか荘厳さと神秘さを感じさせ、むしろ絶景だった。
望んだ釣り場に来られた興奮もあったのかもしれない。
浜の爺さんは、何か村の宗教的な理由でここに来るなと言ったのかも知れないな、
とKさんは思った。人の入った跡はほとんど無く、魚影も濃いように感じられる。

KさんとHさんは、いそいそと支度して、10メートルほどの崖の上から、
磯に釣り糸をたらした。入り江は一望できるが、海は向かい側の岬にさえぎられ、
右の視界半分ほどは崖とその上の松林、といった視界だ。

次ラスト


953 :リベリオン ◆1sbbp3Vb3o :05/01/30 12:48:08 ID:vekrX/uc0
つづき、ラスト

夕方六時過ぎにここに来て、長い時間が流れた。
思っていたほど忙しい釣りではないが、形のいいチヌが8枚ほど。まあ上等だろう。
ラジオを聴きながら、食事を取り、世間話をし、ビールを飲み、アタリも全く無くなって、しばらく時間が流れた・・・・。

午前二時ごろ、ほぼ作業のように餌を確認し、また仕掛けを放り、という作業を繰り返していたら、Hさんが妙な事を言った。
「ベタ凪かな?真夜中なのに蒸し暑くなってきたし、波の音がほとんどしないね」
言われてみれば、そうだ。ライトで照らされた周囲以外、何も見えないし、
何も動かない。ただ、虫も飛んでいないで、異様に蒸し暑い。生暖かい、というのだろうか?

「そろそろ帰ろうか、なんかもう飽きてきたし」
KさんがHさんの方を見ながら言うと、Hさんは入り江のほうを見て固まっていた。
「Kさん、あれ、なんだ?」
Hさんが指差すほうを見ると、岬にさえぎられていた海から、
タンカーのような巨大な影がぬうと伸びてきた。船?それならタンカー?または客船?
いや、そんな大きな船がここにいるはずが・・・・?!


954 :リベリオン ◆1sbbp3Vb3o :05/01/30 12:48:48 ID:vekrX/uc0
切れちった。本当のラスト

大きな影はいっせいに窓らしき四角い光の穴で一杯になり、
船体と思しき部分にもたくさんの光る四角形が現れた。見たことも無い船だ!
木製のようにも見える船は姿を現すと、Kさんたちのいる岬に突っ込んでくる。
「わああああ!なんだぁ、あれー!」
Hさんが叫ぶと同時に船は突っ込んできた。大音響と地響きが起きる、と目をつぶった。
何も起きない。二人して逃げる姿勢で固まったが、恐る恐る海のほうを見た。
すると今度は、自分たちのいた場所に、真っ黒い巨大な人影が立っていた。
身長は2メートルを遥かに超え、3メートルあったかも知れない。
「あっ、あっばぁー!」
「ぎゃがわわ!」
二人は飛び上がり、狂ったように叫んだ。
もう、KさんとHさんは全速力で走り、車に乗り、信じられない速度で飛ばして、
近くの大きな都市まですっとんだ。
「なんだあれ!なんだあれ!」その言葉を何度も車の中で繰り返した。

Kさん、Hさんはそれ以来、夜釣りをすっぱりとやめてしまった。
後でわかったことだが、例の漁村は「海入道」が出るという昔話がある。
しかし二人が見たものが何だったのかは誰にもわからない。

・・・・長文・スレ汚し失礼、


白い犬

85 :本当にあった怖い名無し:2005/04/10(日) 13:24:46 ID:jfXmwAG4O
数年前友達と海に行った時のこと。
夜花火をして、少し海で遊ぼうか と言う事になったものの、真っ暗で前がよく見えない…。
「危ないからやめよかー」となったが数人がまだ海から帰ってこない。呼んでも来ないし暗いから見えないし、どうしよう…と言ってたら、どこからか白い犬が。吠えるわけでもじゃれるわけでもなく、ただ真っすぐ海へ向かう犬。
数分後海から友達と犬が帰ってきた。「いやぁ、こいつ(犬)に呼ばれたよ〜」

結局その白い犬に駐車場まで見送られた。海に戻ろうとすると犬がわざわざ戻って止めに来たし。
夜の海はきっと何かあるんだろうな…。

長文スマソ。


蝶々

207 :デビル ◆hO/jJrDVl. :2005/11/19(土) 21:48:28 ID:47bK5M5v0
この間、知り合いがこっそり某所(遊泳禁止区域)へサーフィンしに行った時の話をひとつ。

サーフィンは、最初はボードの上に腹這いになって沖の方へ行く。
その時、ふと見ると波間に漂う汐の小枝の上に、蝶々が一匹羽根を閉じたまま止まってた。
(こんな季節に、蝶々かあ)と思いながらしばらく見てたんだけど、サーフィンする人間が来る
ぐらいだから、岸に近づくにつれ、波が立ってくる。小枝も波に連れて揺れるんだけど、蝶々は
じぃっと小枝に止まったまま。
彼はなんだか蝶々が可哀想になって、その小枝を掴んで海面から高く上げて浜まで持って帰り、
道路を挟んだ向かい側の草むらへそうっと置いてやった。
蝶々はまだじっとしてたけど、そのうちどっか行くだろうと思い、またサーフィンしに海へ戻った。
で、何時間かして、そろそろ帰ろうかなと思って浜の方を向いたら、いきなり体が沖の方へ強烈な
勢いで流されて行く。横へ逃げようと思っても、にっちもさっちも行かない。
(こりゃヤバイ!俺マジで死ぬわ!!)
彼が真剣に青ざめた時、目の前を何かひらひらするものが横切った。え?と思って見ると、蝶々。
それが、彼の右斜め後ろの方で、何度も何度も円を描いて飛んでいる。
(こっちへ来いって言う事か?)
彼はぞっとしたけど、どうせ一度は死ぬんだからと思って覚悟を決め、蝶々が飛ぶ方向へ
泳いでみた。すると、楽々とは行かなかったけれど、ちょうど蝶々が飛んでた辺りでどうにか
その流れから抜け出す事が出来た。
まだ、ひらひら飛んでた蝶々に、試みに手を差し伸べてみると、すうっと止まったので
「助けてくれてありがとうな、浜まで一緒に帰ろうな」
そう言いながら、泳いで帰って来た。
渚へ辿り着くと、蝶々は何事もなかったかのように、どこかへ飛び去ってしまった。

…それにしても、こんな季節に水に漬かりたいだなんて、それも遊泳禁止区域で一人。
私にはそっちの方がよっぽど恐い話。


金比羅さん

795 :本当にあった怖い名無し:2006/02/18(土) 23:20:54 ID:9ArWbdqY0
ウチの地域では毎年、豊漁を願って漁師祭りを行なう。
地元だけでなく近隣の市町村からも関係者が集う。

ある町から参加の要請があった。
実はこの町の漁師たちとは過去にトラブルがあり、また手癖が悪いとの評判も聞いていたので誘わなかったのだが、
同じ漁師仲間だし拒否することはできないだろうと参加を認めた。
そして当日、「金毘羅神社」で大漁祈願・海上安全を祝う神事があり、その後漁業協同組合から漁具や魚介類の販売が始まった。
だが案の定と言うべきか、どさくさに紛れて窃盗行為があった。

しかし、そのニヶ月後、その町の漁業長が自ら謝罪と弁償を申し出てきた。
担当者は訝しく思い謝罪に至った理由を訊くと
漁師祭り以降、漁獲高は減り、しかも盗んだ二人が亡くなったらしい。

地元では「金毘羅さんも大したもんだ」とひとしきり話題になった。


幽霊船

138 :本当にあった怖い名無し:2007/10/14(日) 00:31:04 ID:gBRA4opCO
うちの爺さんの話で恐縮なんだが。
爺さんは船長で外国を回る人だった。
ある夜中甲板から大至急来てくれと連絡が入った。
操舵室に行くと目の前にボロボロの帆船がいる。しかしレーダーには映っていない。パニックになりかけている乗組員に落ち着くように促して、自分も甲板に出たそうだ。
ボロボロの船は漫画なんかに出てくるような幽霊船まんまだったって。
乗り移れるぐらいに近距離を悠々と行ってしまったって。
なんで乗り移ってみなかったの?って聞いたら「おれかて命惜しいわいwww」と言っていた。
そんな爺さんも亡くなって20年。ホントに体験したのかなぁ。


自転車のカギ

633 :本当にあった怖い名無し:2008/04/01(火) 17:44:21 ID:87DEyD4OO
小学生の頃、友達のたかっちょと自転車で堤防に釣りに行った時の話。
たかっちょは釣りを始めようとした矢先、上着のポケットから自転車のカギを海に落としてしまった。
たかっちょは酷く焦っていたが堤防から海に飛び込める高さではない(波は荒く水は濁っているし水深も深い)そして季節は真冬。
「帰りは俺の自転車の後ろに乗れよ」と、たかっちょに言ったが諦めきれないたかっちょは仕掛けをサビキに変更し、カギを落とした辺りに投げ入れた。
釣れるかよバカバカしい…と俺が呆れた瞬間

「カギが釣れた〜!」

今でも思う…ありえねぇぇぇ!!!!

南無阿弥陀仏

718 :本当にあった怖い名無し:2011/10/30(日) 15:48:29.47 ID:dANjzuKw0
何年か前に、父(他界)に聞いた話。

 父が子供の頃、近所に漁師のおっちゃんがいて偏屈だったけど父は可愛
がられていた。
 その地方(山口県のある所)では、雨の降る日には絶対に船を出してはいけ
ないといい伝えがあったらしい。どの程度の天気とかなぜとかは不明・・・。
 ある日、そのヤバイ雨の日にその偏屈な漁師が船を出すとか言い張ってみんな
が反対するのを振り切って船を出したらしい。
 行ってすぐに戻ってきたみたいだが、様子がおかしかったのでみんなが聞いて
も何にも言わなかったみたいだが、父だけには話してくれた。
 そのおっちゃんが船をだして、ちょっとしたら霧が出てきて海岸からは見えなか
ったみたいだが、沖に向かっていくと帆をはったすごく大きな船がいきなり見えて
誰も人は見えなかったが帆の部分に「南無阿弥陀仏」て書いてあったそうだ。
 そのおっちゃんでも、さすがに怖くなってこれ以上はやばいと思いすぐに引き返
してきた。

 無事に戻れてよかったと言ってたそうだが、父に話をした後、次の日に漁に出て
スクリューに巻き込まれて死んだらしい・・・・。


謎の潜水艦

480 :本当にあった怖い名無し:2013/10/21(月) 17:39:12.05 ID:cXYUeftP0
海の話です。

日露戦争にも海軍兵士として従軍したという村の古老の話です。
(その老人は、バルチックじいさんと呼ばれていました)
太平洋戦争中は、徴用されて太平洋に監視船(漁船w)ででていると、たまに米軍機から爆撃を
受けたそうです。それで亡くなった漁民が少なくなかったとのこと。
そのような監視をしていたある日、不思議な経験をしたそうです。波の静かな陽光が降り注ぎ
戦争をしているということを忘れるくらいの日和だったとのこと。あやしい船影も認められ
なかったのですが、急に、船の下を大きな黒い船影が横切るのが見えたそうです。
海に太陽光が差し込んでいると浅い深度にいる潜水艦は船上の見張り台から見えることが
あるので、敵の潜水艦と遭遇したと考えました。おそらく、こんな漁船には魚雷を放つまいと
思いつつも緊張してその場所からできるだけ陸側に逃げようと舵を切りました。
普通は浅いところを航行する潜水艦は潜望鏡を出しているらしいのですが、それが見られない。
必死になって逃げていると、遠くから低空で航空機が迫ってきます。その時にはすでに制空権は
日本にはなかったので、敵機来襲ということで戦死を覚悟したそうです。
しかし、その米軍機は(機種と塗装でそれと確認できたそうです)、老人たちがのっている漁船
(監視船w)には目もくれず、おそらく、先に遭遇した船影に向けて爆雷攻撃を仕掛けたそうで
す。高い水柱が何回も上がって、そのために、衝撃波を受けたそうです。これは、日本の潜水艦
が攻撃されているのか?と考え、撃沈されたら乗員を救助しなければならない、ということで、
その船を止めてその海域にとどまったのですが、日暮れまで待っても、なんの漂流物も見つけら
れず、諦めて帰港したそうです。その米軍機による雷撃については、軍司令部に報告したそうで
すが、その後、日本海軍がどう対応したかは連絡はなかったとのこと(当たり前ですが)。


謎の漂着物

514 :本当にあった怖い名無し:2013/10/30(水) 17:27:32.37 ID:h8htim/O0

海の話です。

日露戦争に従軍したバルチックじいさんによる話です。>>480
バル爺は、衛生兵として従軍したので、退役後、医師のいない漁村で、
骨折や外科治療などのさい多大の貢献をしてくれました。沈着冷静な人で、
また、「合理的な」人で人望もありました。
対馬沖海戦に従軍したのが彼の話の白眉ですが、怪談ではないのでここでは触れません。
おなじ水兵に島根県浜田市出身のものがいて、砲兵だったそうです。その水兵が言うには、
戦争が始まってすぐ、海岸に変なものが漂着したそうです。
海岸から漂ってくる異臭から鯨でも漂着したか?と海岸を探していみたら、10メートル
程度の長細いものが漂着していました。それは、前半部が金属製の円錐形(正確には、
砲弾のような形だったと)であり、後ろ半分が、生(動物のような有機物という意味でしょう)
だったそうです。その部分は、長い二股にわかれた触手のようなもので、青白く変色
(元の色かも)していました。全体の形から「イカ」ではないかと発見した漁民は考えた
ようですが、前半部が金属で(叩くとキンキンと金物の音がした)イカではないだろう:
という話だったそうです。腐敗臭がしていましたが、その異臭は金属の部分からしていて、
ナマの部分は無臭だったそうです。警察と軍隊が来て、東京から偉い先生(研究者でしょう)
が来て検分しました。地元民はまったく近寄れなくなって、2日ほど海岸で
灯りをつけて調べて、ソレは、きれいに持ち去られたということでした。
朝鮮半島に近い海岸地域は、ロシア艦隊への警戒線であったため、厳しく緘口令が
ひかれて、その後の警戒も厳しくなったということです。
(おわり)


(コメント)

宮崎県にあるウド神宮(鵜戸神宮)は、 海神の娘である豊玉姫命とゆかりの深い神社で、その下の海は神域となっていて潜ってはいけないはずなのですが、『人魚』に登場するお爺さんは潜ってしまったようですね。まあ、神様らしき美女の人魚を目撃して、無事に生還出来たようですが、その後、女性にモテモテになるとは羨ましい限りです。美貌の人魚が豊玉姫命だった可能性もあるので、その後、素潜りをやめたのは正解だったかも...まあ、神様の怒りに触れないで何よりでした。オキさんの『霧』の話は、サルガッソ海に迷い込んだ船を思わせるような話ですが、時間軸がズレているので、もしかしたら別の次元に迷い込んでしまったのかもしれませんね。信心深いオヤジさんを神仏が助けてくれたんでしょう。動物が人間を助けたり、導いてくれる話は、ほのぼのしますが、『未知の釣り場』の話とかは、何が何やら(笑) 最後の『自転車のカギ』の話は、本当の話なら、かなり凄い出来事だと思います。


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